メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1064: 国際女性デー、メキシコでの様子。

コロナでバタバタとしている今日この頃ですが

この日曜日3月8日は国際女性の人権の日、

というわけで多くの国、都市で

女性の為のパレードが行われたそう。

メキシコ国内でもやっていたそうな。

しかしこの国でもっと注目されたのは

その翌日3月9日に行われた

Un Dia sin Nosotras

日本語訳をするとすれば

「私たちのいない日」運動。

文字通り、この日は1日女性は仕事や役割を

休んでしまいましょう、というもの。

 

事の起こりはこの国の女性に対する犯罪率の高さ。

毎年驚くほどの女性たちが性犯罪目的や、

ただ非力だからというだけで犯罪の的となり

財産を失ったり、怪我をしたり、亡くなったり。

悲しいことにこれがまだまだ日常茶飯事の国。

男性の犯罪被害者も勿論山ほどいるけれど、

この運動に参加した女性たちが訴えていたのは

女性が犯罪被害にあった場合の加害者は

正しく司法に裁かれない場合が多いということ。

そもそも捜査がされなかったり、無罪放免、

あるいは罰金刑だけだったり、

犯罪の内容に対して短い刑期で社会復帰したり。

そんな現状に憂い、憤った女性たちによる

女を軽視するのなら、女抜きで生きてみなさいよ

という主張のもと行われたのがこの運動。

 

先月の初めに告示されて以来

国内の企業はさてどうするとそれぞれ様子見。

結局今月の頭になって

・当日各自の判断での欠勤を認める会社

・運動には賛成だけれど会社には来てねな会社

に主に大別。

表立ってこの運動に大反対!っていうのは

私の耳には届かなかったな。

私はそもそも会社が休まないでね派である以前に

すでにずっと以前から仕事が入っていたので

一も二もなくいつも通り出勤。

 

こういう日に限ってぱぐまるが怪我をするので

動物病院に連絡したところいつもの女先生も

働いていて一安心。

実際一ヶ月前では予定が決まってる人も多いし

ほとんどの女の人は働いていたみたい。

信頼とか生活を考えるとそりゃあそうなるよな。

会社でも彼女たちへの支持表明のため

運動のテーマカラーの紫のリボンが配られてたし

実際に休まなくてもこういうのでいい気もするな。

当日は男性も女性もこれを身につけていたので

少し華やかな職場になって嬉しい。

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あるいはもっと早くから言っておいてくれれば

替えの効かない仕事の人も参加しやすくなるよね。

 

ところでこの日私が感じた一番大きな変化は

朝も昼も夜も、どこをどう走っても

全く街中に交通渋滞がなかったということ。

いつもだったら朝の渋滞に始まり

お昼時、学校の下校時間、帰宅ラッシュと

ほぼ一日中私が通る道筋のどこかしらで

大なり小なり渋滞しているものなのに。

加えて1日で北の郊外から南の高級住宅地まで

100km近く色々な道を回っていたにも関わらず、

交通事故がひとっつも見当たらない。

いつもなら15分に一度は見かけるのに。

女性の出勤者や送り迎えのお母さんが通らない分

単純に通行台数が少ないっていうのもあるけれど

やっぱり女の方が運転向いていないのかなと

免許を取らない言い訳を今日も探してしまう。

 

1058: 半袖でひなまつり。

連日ネットではコロナの話題ばかりだな
と思っていた中昨日はSNSの投稿写真が
どれも一面ピンクでとっても華やか。
なんだなんだと思ったらひな祭りだったのね。
特に今年は外出を控える流れになっているので
家出できるお祝いの料理や飾りつけを
いつもより張り切っている人が多く見える。

春夏秋冬のあいまいなこの国に生きていると
すっかり日本の年中行事が抜け落ちてしまう中
写真だけでも季節感とお祝い事の空気を感じられ
なんだかとてもうれしい気持ち。
社会が混乱している中でも
毎年律儀にめぐってくる行事に携わっていると
気持ちの切り替えになるというか、
なんだか華やかで楽しい空気に当てられて
日常の感覚を取り戻せるようでありがたい。
世の中で何が起こっていようとも
今年も粛々と季節が進んでいることに気づく。

 

というわけでもう26歳といえど

もと女児としては何かしたくなる。
と言っても気付いたのがお昼過ぎだったので
有り合わせの食材でをれらしい献立にするのが
今年の誠いっぱい。

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ちらし寿司には甘辛く煮染めた

人参と干し椎茸を混ぜ込み。
本当は春らしく筍がよかったのだけれど
スーパーに陳列していないんだからしょうがない。
海苔と、錦糸卵と、終わりかけの冷凍えびでも
少し桃色があるだけでひな祭りらしくて嬉しい。

余裕があれば酢レンコンやいくら、

絹さやが入っているのもシャクシャクして好き。
それから里芋と油げの煮っ転がしに
メキシコでよく作るようになった

超簡単アボカニサラダは困った時の定番。

https://cookpad.com/recipe/6066003#share_url
けれど何よりおいしかったのはすまし汁。

蛤もなければ生麩も豆腐もなく、
でも散らし寿司とすまし汁は定番だし・・・
と唸っていたら美味しそうなきのこ汁の

レシピをネットで見つけたので
代用でマッシュルームのお吸い物。
和食にマッシュルームはどうかなぁと

保守派な心が恐る恐るだったものの
昆布とマッシュルームの香りがぴったり合わさり
こんなに単純で飾り気のない碗なのに、
目が覚めるくらいに上品でやわらかで

透き通るような美味しさ。
色味として一緒に軽く煮た薄切りの長ネギも
甘みと歯ごたえで一役も二役もかっている。
本当に料理って偶然と必要の産物だよなぁ

と発見の度にしみじみ思う。

不便な生活も捨てたもんじゃない。

 

それにしても今までは海外に住んでいても
なんだかんだと日本人のお家にお邪魔した際に
目にする機会があったのだけれど、
今年は見事に一回見る機会がなかったお雛様。
人形自体はあまり好きではないのだけれど
この残念さ加減からすると雛人形好きなんだなぁ。
もう何年も前に角館に旅行に行った時に
酒屋さんだったか庄屋さんだったかで見た
由緒のある雛飾りのコレクションの可愛さは
今でもすぐに思い出せるくらい。

 

メキシコのイベントもこなして日本の行事もして、
このままだと年中家の飾り変えに

明け暮れそうな勢いだけれど、
小さいのでいいから次の帰国では

お雛様を買ってこようかな。

ひとまず今年は余った錦糸卵を

我が家唯一の女の子ぱぐまるのご飯にも加えて

3人で小さなお祝いが出来ただけで幸せ。

ティファナ旅行記2019冬⑤小さな美味しい港町、エンセナダ。

間欠泉を後にまた1時間ほどバスに揺られれば

17時頃にようやくエンセナダの町に帰着。

市内観光もしようと思っていたのだけれど

すでに日も暮れかかっていたので

まずは宿にチェックインをし夕食探し。

 

観光のメインでもある海から大通りを一本隔てた

中央通りのCalle Primera、一番通りへ。

おみやげ屋さんや食事処が一通り集結していても

ギラギラした装飾や道まで漏れ流れる音楽もなく

小さな町らしくひっそりと落ち着いて素敵。

同じくワインの産地だからか穏やかな雰囲気が

テキサス州ダラスの北西にあり白ワインが美味しい

ワインの村グレープバイン市に訪れた時に感じた

目抜通りの柔らかな活気に似ている。

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それにしても18時頃に訪れたにも関わらず

見渡す限りちっとも人がいない。

そもそも半分くらいのお店は閉まっているし

空いているカフェやレストランもどこもガラガラ。

【El Guerrerenseエルゲレレンセ】

という世界で一番美味しい屋台料理だと名高い

海鮮タコスの屋台に寄ってみたかったのだけれど

ここも17時までの営業だったので叶わず。

タクシーの運転手さんに聞いてみたら

どうやら商売っ気の少ないこの町では

飲み屋さんは別として日暮れ頃には店仕舞い、

食事処でも20時21時閉店が珍しくないみたい。

大都市の24時間営業に慣れてしまうと

人間の生活時間帯をうっかり忘れてしまう。

 

というわけで通りを一通り歩きまわり

多くはない開店中の候補の中から迷った挙句

クラムチャウダーに惹かれイタリアンへ。

【Gondolieri】というテラスのあるお店。

https://goo.gl/maps/dsPMgus2aagrguHc8

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ここまでの経験上、バハカリフォルでは半島は

全般的に貝類が美味しいとの結論を得ていた私。

ここまでも生牡蠣に焼き大アサリを堪能したので

折角なら煮込んだアサリを食べておきたいと

トマトベースのペスカトーレ

クラムチャウダーを注文。

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全体的にちょこっと塩辛くてちょこっと脂っこい。

けれどゴロゴロと大きなエビは肉厚でじわりと甘く、

入れすぎなほどアサリのつまったチャウダー

貝の旨味がぎっしり。こんなに贅沢なのは初めて。

ワインはイタリア産で地のものではかったのが

唯一残念ではあったけれど、全体的には満足。

サッカーの決勝戦が行われていた夜だったので

時々店内まで隣の店の歓声が届いていたけれど

車通りもなくとても穏やかに食事ができました。

普段騒音と人ごみにもまれて生きている分

こういう一時がとても嬉しい。

 

ここから店の並びを北に進んでいくにつれて

飲み屋や風俗店が目に入るいわゆる歓楽街に突入。

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聞こえる音楽や目に入る人の纏う空気が変わり

怖さはないけれどちょっと怪しい雰囲気も。 

カクテルのマルガリータを発明した店が

この辺りにあるとか、本当は他のホテルだとか

諸説聞いてはいたけれど

そちらには特に興味を惹かれなかったので

踵を返し腹ごなしには港の周りを散策してみる。

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真っ黒な海に少し淀んだ磯の香り。

海の反対側にいるのに伊豆と同じ匂いがする。

彼氏は生まれて初めて見る港だったそうで

巨大コンテナ船を双眼鏡で見て大よろこび。

ここにもエンセナダサインと巨大な国旗が。

観光地のお決まりね。

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船をもっとよく見たいとのことだったので

一夜明けて翌日は早朝からまた海沿いを散歩。

暗い時間には気づかなかったオブジェや

折れて沈没したままの桟橋、

港にはお決まりの聖人像を発見。

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8時頃だったので海での仕事を終え陸に戻った

漁師さんがもう一仕事を片付けている

その話し声やモーター音が素敵。

やっぱりここでも貝がたくさん上がってる。

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観光客の入れる一番突き当たりまで進むと

突如堂々とMercado Negroメルカドネグロ

つまり闇市と書かれた怪しい建物を発見。

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その開けっぴろげな感じにえ、と思いながらも

ドキドキしながらこっそりと覗いてみれば

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この通路の見慣れた濡れ具合といえば・・・

なんだ、魚市場じゃないの。

 

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短い軒の下に10店舗ほどがみっしりと並び

いかにも新鮮な海産物を今まさに陳列中。

大小さまざまな見覚えのない魚たちは

どれも皮の下の綺麗な身が想像できて

よだれが出るほどの美しさ。

調理してみたくてたまらない。

 

悔しいことに丸2日旅行が残っているので

お土産は保存のきくマグロの燻製1kgのみ購入。

写真上部の真っ赤な塊がそれ。

マリネ液と豊潤な薫製の香りにも負けない

マグロの赤身独特の酸味が残っていて美味。

たしか70ペソ(420円)くらい。

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しかし市場で生物を味わえないのももどかしいな

と思っていたらいつの間にか鎮座している牡蠣様。

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今食べるから開けてと頼むも刃物がないらしく、

かといって宿泊中のホテルにもないし

そもそも自分で開けられる自信がない。

しかしなんの執念かいつもの人見知りを打ち捨て

向かいの食堂のおじちゃんにお願いをすれば

開けてあげるよと気前のいい二つ返事で快諾。

晴れて陸に上がりたての牡蠣を購入。

3つで25ペソ(150円くらい)は破格では。

 

市場に沿うように並んでいる海鮮レストランのうち

黄色い外観の【Mariscos del Mar】は

8時半頃の市場の営業時間に合わせて

9時前には開店の朝食にうってつけのお店。

f:id:ovejitaroja:20200303014940j:imagehttps://goo.gl/maps/The2gPaov4kmr8aDA

海鮮タコス店らしく様々な種類のサルサ

机の上にずらりと揃えてあって

入店時から既に眼福。嬉しい!

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ここでも頼むのは名物白身魚のフライのタコス。

それからカジキのトマト煮のタコスも絶品。

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そして最後に待ちに待った採れたて生牡蠣!

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手数料も何も取らずに開けていただき

更にはレモンまでつけてくれる

そんなご主人達の優しさの相乗効果か、

昨日のも美味しかったがもっとプリプリで

貝柱と内臓の異なる甘さと濃厚さが

海水の塩味に引き立てられて

一瞬で舌を支配する美味しさ。

口内が野性的な海で一杯になる。

この地域の牡蠣は小さいそうだけれど

なんの遜色もない濃縮された貝の旨味。

一人で食べなと言っていた彼氏も

いそいそと頬張る私を見ていて一口ちょうだいと。

なんだちゃんと牡蠣気に入ってたのね。

美味しそうに食べてくれて私も嬉しい。

早朝の生牡蠣なんて禁断の贅沢。

 

朝から海の幸をぺろりと味わい尽くしたら、

美食の片棒を担ぐお酒の方も欲しくなってくる。

食中毒にならないように胃のアルコール消毒だ

なんてオヤジ臭い言い訳を盾に

我々はメキシコ随一のワインの里

Valle de Guadalupeへと向かうのであった。

1049: 犬のある人生。

ようやく体調が全開。

今年も積雪するかなと期待してしまうような

氷の匂いのする1週間を過ごしたものの

週が明けた途端に最高気温が28度で

同僚たちはすでに半袖で働き出している。

三月も目の前だし、

やっぱり晴れて暖かいと気分も良いので

これで今年のFebrero Locoフェブレロロコが

終わってくれると非常に嬉しいのだけれど。

※Febrero Loco=狂った2月

=2月のあまりにも寒暖差のある気候のこと

 

そんな訳でひさしぶりの陽光を享受したい我々は

日曜日は家から車を10分程度走らせ

エスコベド市のlas Torres通りにある

ドッグランへ足を伸ばす。

https://goo.gl/maps/uibwQjp48uMtnqH17

犬派がかなり優勢なモンテレイでは

大きな公園ら大通りの間の緑地には

大抵犬を放せる場所があるので

庭を持たない一軒家民としては非常に助かる。

特にここは大型犬と小型犬でブースが分かれ

それぞれハラハラしないで遊ばせられる親切設計。

住宅地が近いので子供がよく遊びにくるので

小さい子が苦手な犬には向いていないかな。

 

我が家のぱぐまるはたっぷり2時間

子供たちと走り回り、他の犬と走り回り

私たちの姿を探して走り回り、

始終ニコニコ、楽しそうでこちらも嬉しい。

普段の運動不足もたっぷり解消したようで、

帰宅した途端に自分の布団へ直行。

結局今朝8時にあまりの静けさに心配になり

私たちが出がけに揺すって起こすまで

実に13時間も寝続けるくらいには

くったくたになったみたい。

パグはよく寝るとはいうけれど

まさかここまでとは。

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1041: にべもなくバレンタイン。

結局体調の回復しなかった1週間を

何度か終えて金曜も帰宅すれば家が空。

普段なら出迎えてくれるぱぐも彼氏もおらず

玄関で待っていてと電話が来たので

なんだなんだと思っていると、

遠方より背中に薔薇を背負い満面の笑みで

誇らしげに全力疾走をしてくるぱぐまる。

その後ろからやっぱり駆けてくる彼氏。

その絵面があまりにキュートなのと

2人があんまりニコニコしているのが可笑しくて

この1週間ぐずぐずに具合が悪かったのが

なんだか一気に治ったような心持ち。

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今年は体調不良で仕事だけでいっぱいいっぱい、

お返しができないから何もしなくていいよ

とあらかじめ言ってはいたけれど、

今週ずっと道に出ていたバレンタイン用の

花と風船専門のプレゼントの屋台で

選んできてくれたみたい。

なんだかとっても嬉しいサプライズ。

本当にメキシコの人はこの日が好きね。

どうして風船のプレゼントが好きなんだろう。

と言う疑問は毎年のもの。

 

私ばっかり大量の愛情をもらってしまい

なんだか申し訳がないので、

3月に何かお返しでもしようか。

早速有り合わせの花瓶に生けて

久しぶりに家に生花があるのも嬉しい。

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ぱぐまるもようやく太って来たので

家族で運動をする時間を増やさなければ。

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1037: メキシコでもまともなパンは食べられるのか?【Bread】

まあ答えは勿論イエスなのだけれども、

モンテレイではようやくここ数年の話。

 

 

熱も完全に下がり、まだまだ喉は痛むものの

ようやく味蕾が八割方復活。

きのうは唯一食指の動いた唐揚げを作ったものの

味見をしても味が分からず、

生まれて初めて人に食事を出すのを恐怖する。

美味しいとは言ってはいたけれど

私にはなんだか苦味と塩味が強烈に感じられて

人生で初めての残念な唐揚げ。

と思ったら今日のお弁当に詰めた分は

ちゃんといつもどおり美味しかったので、

人間の体ってほんと繊細なのねと思う。

そしてこんな些細な病気で人生最大の楽しみを

そうそう奪われてもたまらないので、

体調管理に気を付けようとしみじみ反省。

 

さて復活第一弾の本日は、

やっぱり食べられる喜びに敬意を表して

美味しいものの話をするしかないと思うの。

 

韓国系のMad Coffeeと肩を並べて

モンテレイの町で日本人御用達の

町のパン屋さんといえばBread。

http://www.breadpanaderos.com

菓子パン、おかずパン系が強いMadに対して

フランス、ドイツ系をベースに

メキシカンテイストを織り交ぜた

プレーンなパンと甘いパンが主力のお店。

 

一昨年にできたLas Alboredas広場店の方が

明るく広々として素敵ではあるのだけれど、

私は1号店の大きなカバンを持って入店すると

ちょっとぶつかりそうでははばかられるな〜

と思っちゃうようなこじんまりとした雰囲気が

パン屋さんだなと感じられて好き。f:id:ovejitaroja:20200214095102j:image

ショーケースを抜けた奥にある

小さなカフェスペースはまさかのペット同伴可で

テーブルが低いおかげで目の高さにあるパンを

必死に我慢するわんちゃんが時たま観られる。

これは賛否両論分かれるところ。

 

パンの他にもチーズやベーコンをはじめとした

オーガニック食品を沢山置いているので

帰国前にここに立ち寄るのが習慣の一つ。

ジャム、はちみつ、調味料、チョコレート、

それから食べ物以外だと石鹸は

女友達には喜んでもらえやすいので、

品質の良いメキシコ産品を手に入れやすいここは

そういう意味でも重宝している。

 

今回はシナモンとコーヒーのケーキと

チョコレート入りとなしの

クロワッサンダマンドを一つづつ、

それからずっしりと重い酸味のあるパンを一斤。

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紙袋に入ったものを受け取ったら

じわりと暖かくてびっくり。

焼きたてだったのね。

中を覗くとくるくると丸められたビニールも発見。

温度の落ち着いた頃合いを見て

パンを袋から袋へ移し替える作業に

焼きたてのパンを得られた喜びを

ひしひしと感じられるような気がして

いつもとても嬉しくなる。

 

パンは他にも高級スーパーcity marketの

フランスパン系はどれも悪くなかったし、

punto valleショッピングセンターには

meson kayserが入ってることに

空港でミニ店舗を見かけて初めて気がついた。

探してみると案外何でもあるようになったな、と

だんだんと楽しみの幅が増えてきた

楽しいモンテレイ生活。

最後は訳もなくぱぐまる。

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1036: モンテレイで老舗の台湾料理【Taiwan Dim Sum】

週末は他の町からお友達が来たので

ひさしぶりの街唯一の本物中華、

【Taiwan Dim Sum】へ。

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街中のメキシコ人向けの中華料理ではなく

中国人が食べるような本物の味。

台湾料理店なので扉を潜った瞬間に

八角の香りが鼻をかすめることが多く

なんだか着席前からウキウキしてしまう。

 

ビニール袋に引き続き今月から

プラスチックのストローの提供が

我がヌエボレオン州では条例で禁止されたので

1Lのタロイモラテを飲むのが一苦労。

お店によっては廃止の代わりに

紙やアボカド製のストローを出し始めたところも。

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グラスも含めて持ち上げるたびに

ちょっとしたダンベルカールレベル。

 

今回は5人での来店だったので

メニューの端から木になるものをどんどん注文。

麺も米も食べたし、蒸籠は6つ近く来た。

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昨年末から何故だか中国人の店員さんが減って

今回なんかはほとんどメキシコ人の空間。

それっぽさがなくなっちゃって寂しいな、とか

顔なじみの子と中国語で話したかったなとか

思うところはあれど味は変わらず。

強いて言えば麻婆豆腐が辛くなくなった?

 

毎回頼んでしまうのは青菜炒め。

これ以上なくシンプルなメニューなのに、

日によって青梗菜だったり空芯菜だったりが

オイスターソースと揚げニンニクで毎回絶品。

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それから今回間違えて頼んでしまった

細切れ野菜と鶏の醤油ベースの炒め物。

レシピが想像できないエスニックな味ながら

これだけでご飯一杯はいけるおいしさ。

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今度行った時にはちゃんと名前を確認しよう。

 

なんだかんだで月一回は足を運んでしまう

私は中華料理中毒。

メキシコ人は嫌がる人が多いけれど

もう直ぐ中国人が大挙してきたら

色々な地方料理が食べられるようになるのかな

なんて実はひっそりとても楽しみにしている。

 

1033: 流行りの赤いチョコレート。

四方をぐるりと山々に囲まれ

盆地なだけに夏冬の気候はしんどいけれど、

おかげで嵐や風害からは守られているのが

モンテレイのいいところ、と思っていたら

昨日は強風で街が大荒れ。

普段出張で行く山の低いチワワ市内や

広野のトレオンなんかは吹き付けが強いので

あまり気にしていなかったのだけれど、

慣れていないと風もかなりの災害ね。

 

家の近所では広告用の鉄塔が大通りに倒れ

車2台が下敷きとなり大破、

火事も3件起こったそうだし

7メートルあるアボカドの木も倒壊。

夕方通りかかった空港近くの大通り沿いでも

メラメラと木が燃え、一帯の空き地も黒こげ。

メキシコ伝統の焼畑農業か?と思ったけれど

どうやらただの火事。

カリフォルニアでよくある乾燥した空気の中で

木々が擦れて自然発火ってやつ?

風に乗って沿道は文字通り飛び火していく。

帰宅してみれば我が家も車庫がめちゃくちゃ。

猫が大暴れでもしたのかと思った。

ぱぐまるが飛んでいってなくて一安心。

 

強風のおかげで砂埃はたったけれど

大気汚染は吹き飛んだようで大気は晴れ晴れ。

メキシコではコロナより茶色い空気の方が

健康被害がずっと怖いよね。

シティの友達は空気が悪すぎて

風邪のような症状が出るって言ってたし。

まだ目の痒みやくしゃみで済んでるだけ

ありがたいと思った方がいい?

 

なんて今すぐ解決できない汚染の話で

くさくさした気持ちで過ごしたくないので

こう言う時は甘い物で気分転換。

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コロナの流行にはのっていないこの国にも

今話題のチョコレートは上陸したみたい。

キットカットのルビーチョコレート味。

コンビニで購入。

 

見た目は渋いピンク色。

元々赤いルビーカカオを使った物らしく、

口に入れた瞬間にはホワイトチョコレート

と思うくらいのまろやかさで、

噛んでいくとフルーティな甘酸っぱさが。

苺チョコレートに見た目も味も似てはいるけれど

全体的にもっとニュートラル。

なんだかとってもキュートな味。

 

チョコレートといえばメキシコは原産国。

マヤの人々は2500年以上前から

カカオの栽培をしているともいうし、

諸説あるけれどメキシコ東南部を中心に居住する

ナワ族の母語でありメキシコ国語の一つである

ナワトル語で"泡のたった飲み物"を意味する

Xocolatl ショコラトゥや"熱い水"を意味する

マヤ語のChocolが語源だと考えられていて、

カカオもという単語も同じく"苦い水"を意味する

Cacáuatl カカウワトゥから来ているとのこと。

他にもTomatlAhuacatlなどなど、

世界に広めたのはヨーロッパ人だけれど

メキシコは現代人の食生活を彩る食べ物や

その名前を沢山輸出してきた。

どの野菜のことだかわかるかな?

 

そんな国ご飯が美味しくないわけがないのだから

今年のバレンタインには伝統的な

チョコレート料理でも作ってみようかな

とチャレンジ精神が燃え上がるのでした。

 

 

1032: ヒューストン、肉旅④小休止。魚ばなし。

魚ってのは生きてても死んでても

美味しそうだから困るという話。

 

旅の最終日はブランチをとりに

中心街から車で10分ほど西へ移動し

Buffalo Bayou公園内のカフェへ。

【The Kitchen at the Dunvaly】

https://www.thedunlavy.com


ガラス張りの店内は池と木々に囲まれており

飛び込んでくる風景が目に心地良い。

店内は色々なシャンデリアに天井が埋め尽くされ

豪奢と自然の調和したゆったりとした空間。

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ずっと肉続きだったのでサーモンでブレイク。

なんだかんだで日本人の私は、

3日に1度は魚を食べないと舌が飽きる。

生サーモンスライスとパンのセットに

スムージーも注文で今更健康を意識。

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窓の外を青い小鳥がチロチロと飛び回り

真っ赤なリスが駆けていく。

アカリスってあんなに赤いの?

シマリスに比べて体も二回りは大きかった気が。


食後は友達は一足先に飛行機で帰国したので

ここからは一人旅がスタート。

街を知るには歩くのが一番という信条のもと、

私は東西に3km弱延びる同公園を川沿いに

街中へ向かって散歩してみることにする。

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ヒューストンではBayou、

つまり流れの緩やかな小規模の川が

いくつも町中を走っているのが名物の一つ。

土が溶け出し底が見えない川なので、

アメリカなだけにワニが出るんじゃ?

と怖気付き川育ちなのに岸辺に降りられない。

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犬、亀、鴨や花々を観察し、

普段自然の少ない工業都市に住んでいるので

新宿御苑のようなこの環境が嬉しい。

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黙々と歩けばあっという間に大通りに到着。

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小一時間ほどで街の名の由来となった

メキシコからのテキサス国独立の立役者

ヒューストン将軍の名を冠した公園に到着。

【サム・ヒューストン公園】

https://goo.gl/maps/S26SNdG37DQuig8E9

古い建築物などが並び興味をそそられたものの

敷地が何故だかホームレスに包囲されており

他には人がいなかったので安全のため、

と泣く泣く通り過ぎる。

郷土史資料とかあったのかな。

次回行ってみたい。

 

それにしても1人遊びにうってつけな

博物館や美術館が街の中心だけでも

大小合わせて優に20はあるヒューストン。

一人旅の行き先としては申し分ないけれど

根を詰めて美術作品を見る気分でもないなと

リストを眺めるとモンテレイに無いものを発見。

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【Downtown Aquarium水族館】

http://m.aquariumrestaurants.com/

水族館と言いながら遊園地を併設し、

レストランやダンスホールもある

なんでもありの複合施設。

16ドルで水族館のみの大人券を購入。

何年かぶりの水族館に加えて

初めての1人水族館にテンションが上がる。

 

館内はジャングルや研究所、遺跡など

ブースによってモチーフが変わり可愛らしい。

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平日の昼間なので他に殆ど人が居らず、

好きなだけガラスにへばりついて

気が済むまで魚と爬虫類たちを凝視する。

 

1人でマイペースにみて回れるおかげで

まぶたが金色なカエルを知れたし、

魚がどつき合いで喧嘩をしているのも見れた。

魚はその人生の労力のほとんどを

その場に留まるために使っているんだな

と思うくらいみんな静止するのが上手。

私も同じように身動ぎもせずにみていると

気付いた魚が直ぐに集まってくるのも可愛い。

なんて好奇心旺盛な生き物なんだろう。

自分の肘から先より大きな魚と目が合うと

ガラス越しでもかなりドキッとする迫力。

水中で出会ったら悲鳴を上げて逃げ出すわ。

 

巨大なナマズを見ていたら

この世の全てを知っていそうな表情に畏敬の念と

同時に何故か美味しそうだなという気持ちが

湧き上がってしまってからがさあ大変。

じっと見ていると魚ってみんな美味しそう。


特によだれが出てきたのが

口の中までマダラ模様のお洒落なウツボ

表情の読めない目つきはとても怖いけれど、

肉厚なフォルムからは蛇のような淡白な肉質の

食べ応えのある輪切りステーキを想像してしまう。

それからカサゴは絶対に天ぷらが美味しそう。

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なんてお腹を鳴らしながら魚コーナーを抜けると

最後に待っていたのはホワイトタイガー。

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雨降りのため室内に閉じ込められていたので

つまらなそうに部屋中をうろうろ。

球遊びをしたり木で爪を研ぐのを見てると

本当に猫科だなぁと感動する。

 

最後にチラッとお土産屋さんを見て、

なんだかんだで1人でたっぷり3時間、

小ぶりだけれど十分大満足な水族館。

 

さあ、ここからもうひと頑張りお肉食べるぞ!

 

1031: ヒューストン、肉旅③地ビールにソーセージ。

この日はアメリカの国民的スポーツの1つ

アメフトの年に一度の決勝戦

スーパーボウルSuper Bowlの開催日。

試合開始5時頃になるとなんだか街は閑散と。

宿泊していたホテルのホールでも

中継を見に集まっていたようだけれど、

私たちにはそれより大事な用がある。


毎年6月にはビール祭りをするほど

ヒューストンの街はかなりのビールフリーク。

ならば味わわぬわけにはいかぬ。

【The Hey Marchant】というお店が

80以上の地ビールを取り扱っており

地元のビールを味わうには最高と聞いていたので

勇み足で向かったところまさかの特別休業。

アメフトの試合を見るためみたい。

スーパーボウルはクリスマス、感謝祭についで

国全体がお祭り騒ぎだとは聞いていたけれど

まさかここまでとは。びっくり。

メキシコ人ファンも多いけれど規模が違うわね。


というわけで急遽探した中心街のバーへ移動。

【Flying Saucer Draught Emporium】

Flying Saucer Draught Emporium - beerknurd.com - Large Beer Selection, Great Food, Several Rare imported and domestic beers to choose from.


空飛ぶ円盤なんて変わった名前のお店。

NASAがご近所さんだからかしら。

ここは試合を放映していたため営業中。

よかった!

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外からはわかりづらいのだけれど

中に入ると壁一面がお皿だらけ!

フライングソーサーってそういうこと?

なんだか不思議で優雅で素敵な空間。

案内は特にないので好きな席に陣取って、

人々の視線が画面に釘付けの中

私たちの目線はビールメニューの上を走る。

品揃えも数え切れないほどだし、

こちらの方が街中でアクセスもいいし

これはまた土壇場でよいお店にたどり着いた。

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アメリカのビールはてんで分からないので

こういう時は試し飲み、フライトFlightに限る。

私は"H Town Flight"という

ヒューストンビール4種セットをチョイス。

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目の前の全てが自分のビールだという幸せ。

この中ではSaint Arnold醸造所の名前は

街中で何度か見かけた記憶が。

地ビールでも大手なのかしら。


左から

すっきりさっぱり、苦味のないラガービール風。

シトラス系の苦味とフルーツ系の甘酸っぱさ。

クリーミーで柔らかいやさしい苦味のビール。

香ばしいが苦味はない酸味のコーヒー系。

どれもかなり性格が違うので

それぞれ料理とあわせてちびちびやるのが楽しい。


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料理はコブサラダはチキンがしっとりで

マリネの味もとてもいい。

ハニーマスタードドレッシングも

えぐみがなくてとても好きな味。

ソーセージプレートはザワークラウト

ポテトサラダとパンの付け合せつき。

サラダはドイツでよく食べる酸っぱいやつ。

全体的にかなり本場ドイツ風で感動。

チップもあわせて1人40ドルくらい。

 


東欧からの入植者たちが残していった

食べ物、飲み物に舌鼓を打ちつつ

その子孫たちのアメフトへの熱狂の只中にいて

新旧アメリカの空気を感じられたようで

なんだか得をした気分。


歩道が広く明るく危険な雰囲気もないので

酔い覚ましにホテルまでは歩いて帰ることに。

メキシコと違うのはホームレスが多いこと。

道で寝ていても轢かれたり襲われないのかな。

普通は危険地帯の目印となる人たちだけれど

ある意味安全性の指標ともなるのか。

物乞いもしてこないので怖くない。

 

夜道を友人とほろ酔い気分で

おしゃべりしながら歩く帰り道。

しかも明日も休み。

私の人生は十分幸せ。

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1030: ヒューストン、肉旅②うずらの丸焼き。

旅行2日目。

先週までの仕事でくたびれ果てていた私たち。

早朝移動だったのも効いて睡魔の強襲を受け

日曜日は飽きるまで寝て午前遅くの始動。

 

まずは蚤の市【Sunny Flea Market】へ。

手作り雑貨などが並ぶとのネットの評判から

ロンドンの日曜市的なものをを想像していたら、

行きがけのタクシーの運転手さんに

ほぼメキシコだから危ないよと言われる。

メキシコから来たから平気よと笑って到着すれば

聞こえる音から漂う香りから、確かにメキシコ。

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ただし本場に比べて遥かに綺麗なマーケット。

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このメキシコに存在しない整然とした感じ。

なんだ前評判と違うじゃない、

と思いながら迷路のような通路をウネウネと歩く。

入り口付近の民芸品やメキシコグッズは

本国では見かけないものもあって面白い。

水の中で輪っかを入れるゲームもここでは現役。

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それ以降は普通の市場的な野菜や古物、

ハーブや宗教グッズなどメキシコにもあるものを

アメリカ価格で売っているので、

メキシコからの観光客は行かなくてもいいかな。

メキシコに行ってみたいと思ってるアメリカ在住者は

一度ここで自分の耐性を確かめるといいかも。

ここの雰囲気や衛生に拒否感がある人は

ザ・メキシコを楽しむのは難しい。

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お昼は折角テキサスにいるのだから

名物バーベキューを食べようと思い

美味しいと聞いていた【Goode Company BBQ】へ、

行こうとしたら間違えて300m手前にある

系列店のテックスメックス料理店に入店。

だっておんなじ名前なんだもの。 

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国境料理の【Goode Company Kitchen & Cantina】

しかし気付いたのは飲み物の注文後

やけにメキシコ風だなと違和感を抱いてから。

ちゃんと見たらメニューの表紙に

テックスメックスTEX-MEXって書いてあったよ。

テキサスとメキシコの融合文化のことね。

料理や音楽が殊に有名。

 

まあここでもお肉料理もあるしということで

折角なのでいただくことにする。

お通しにトルティーヤを切り揚げたトポポTopopo。

ここではかなり薄く油っぽいので、ポテチのよう。

サルサはさすがアメリカ辛くなく、

代わりにトマトの中に海鮮出汁が濃厚で美味しい。

飲み物はヒューストンビールの生ビールを発見。

Lone Pint Yellow Rose

瓶だと女の子の可愛いラベルのビール。

テキサスの黄色いバラモチーフがすきで

名を冠しているものがあるとつい頼んでしまう。

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American IPAなので苦味のしっかりとした

グレープフルーツのようなシトラス系のお味。

暑い昼にガツンと爽やかな味が冷たく喉に染みる。

地ビールは本当に土地の気候に合った味。

そしてもちろん土地の料理にも合う。


ここで食べたのはうずらの丸焼き。

Texas Quail。

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鶏よりも筋肉量が少ないのか歯応えはなく

繊細で柔らかでジューシーな身肉、

マリネの故障の効果がクセは感じず

あまり肉肉しくない上品な焼き物。美味しい。

付け合わせのご飯も豆のペーストも

本場メキシコ風のいいお味。

クミンで炒めた豚挽肉のパイ、

エンパナーダempanadaが豚の旨味濃厚。

ただ胡椒たっぷりの玉ねぎは激辛で

焼きハラペーニョもよっぽど辛いの得意でないと

食べられないくらいにちゃんと辛い。


災い転じて福をなすじゃあないけれど

間違えて入店したおかげで

雰囲気も料理もとても良いお店を見つけられたな。

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1029: ヒューストン、肉旅①牛角の焼肉

2月3日は憲法記念日

1,2日と続いて今年は3連休だったので

ひさびさに友達と週末近場への旅。

目指すはテキサス州ヒューストン。

モンテレイからは車で8時間程度、

700kmちょいの道のりは

我が家からチワワまでよりずっと近い。


行きの足は航空会社Interjetの早朝便。

最近同社は空港使用料を未払いしているらしく

スケジュールの狂いが多いらしいけれど

この朝の便は定刻の出発、到着。

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地球の玄関ヒューストン。

宇宙飛行士のお出迎えを受けた

ヒューストン空港は意外と小さい。


ここから市内までは車で40分ほど。

メキシコのuberタクシーのアプリは

アメリカでも問題なく使えるけど、

流石に料金はこっちの方が高く

この距離で30ドル程度はモンテレイの倍高い。

現金払いはできないようでカード払いのみ。

メキシコシティもそうなんだってね。

都会は庶民もカードを持っているし、

タクシー行動に対する最も効果的な防御策か。

街までの道のりはほぼ草っ原。

東へ来てもテキサスはテキサスのよう。


ところで冬のテキサスは寒いと知っているのに

早朝3時の移動だったためボーッとしており

見事にジャケットを羽織ってくるのを忘れた私。

まだ食事処も空いていない時間だったので

まずは市内で一番大きなショッピングセンター

ザギャラリーthe Galleriaで防寒着を見繕う。

Welcome To The Galleria - A Shopping Center In Houston, TX - A Simon Property

 

街中にも関わらずかなり大きな施設でびっくり。

州内最大の商業施設だとのことで、

チープブランドからハイブランド

雑貨から衣類まで一通り以上になんでもある。

今週末はセールだったようでかなりの安さで

旅行初日の朝から上着にスカート、

アクセサリーといろいろと購入。

結局翌日も来て化粧品も購入。

女同士の旅だと買い物に時間を避けて嬉しい。


お昼はたまたま地図であの牛角を見つけてしまい

2人とも日本の焼肉の妄想にとりつかれたので

一も二もなく焼肉チェーン店へ。

旅の始まりが日本食かとお思いの皆さん、

海外暮らしをしていると日本のチェーン店が

オアシスのように見えることがあるのです。

どこでも同じ味が食べられる、

というのは本当にありがたいこと。

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店内は日本の雰囲気を伴ったデザイン。

こげる肉の香りだけで嬉しくなる。

ランチタイムメニューは激安で

サラダ、味噌汁、ご飯にお肉を3種類選べ

今回はソフトドリンクを足しても1500円ほど。

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ちゃんと最初に生肉は直箸禁止!

と言ってくれることに感動。

流石の肉食国お肉はしっかり分厚く、

これだけでしっかり満たされる量。

10種類以上あるお肉の中から私が選んだのは

プレミアムサーロインの醤油だれ、

リブアイのの甘辛だれ、

あとはロースか何かの味噌漬け。

どれも肉質も味も良くて大満足。

チマチマ焼きながら減っていく

赤いお肉をなごり惜しむ楽しさ。

タレの味も日本のものと変わらない気がするし

デザートに雪見だいふくもどきも食べられて

まずは大満足の1食目。

 

テキサスで肉を食べずにどこで肉を食べるのか。

というわけで、こうして肉を食べ歩く

世にも素敵な3日間の肉旅が

めでたく幕を上げたのでした。

1028: 小麦粉で膨れる夢。【Donut Planet】

小麦粉特集も3日目。

www.survivalenmexico.com

どうしてメキシコ人はそんなに太るのかという問いに対する一つの回答がこれ。

メキシコのドーナツのこの感じ。

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なぜそこまでカロリーを重ねなきゃいけないのか、

と問いかけたくなる佇まい。

この国ではドーナツという食べ物は

基本的にデコレーションするものだ

と考えられている節がある。

ドーナッツって北メキシコじゃあ

コンビニ、スーパー、カフェ、専門店と

どこにでもあるポピュラーなおやつで、

こんなのをしょっちゅう食べているのなら

ブクブク太ったってしょうがない。

 

今回行ったのはトレオンは中心街の

パセオモレロスPaseo Morelos

という比較的新しい遊歩道にある

Donut World】 というお店。

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植樹された小道は昼間はカフェ通り、

夜は若者たちの飲み屋街に姿を変える

街中とは趣の違う少しおしゃれな場所にある

とても可愛い外観で間口1間ほどの小さなお店。

 

ここで売っているのはプレーンのマフィンや

ドーナツ、パンなど15ペソほど、

あるいは42ペソでそれらにトッピングができる。

ベースのクリーム、

トッピングのナッツやチョコなど、

仕上げにももう一度クリームで

最後にダメ押しのトッピングも追加。

というわけで彼氏へのお土産に1つ作成。

ちょっと太ってるくらいが可愛いという

先人たちの言葉を信じてカロリーの贈り物。

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チョコクリームにローストアーモンド、

もう一回チョコクリームをかけて

さらに真ん中にチョコが鎮座する

保守派チョコづくしドーナッツ。

普段はカフェでもコンビニでも

トッピング済みのものが主流なので、

これは子供が喜ぶだろうなぁ。


自分用には欧米諸国では老若男女に愛される

ヘーゼルナッツクリーム・ヌテラNutella

とバナナのシェイクを。

ヌテラの香ばしさとバナナの甘酸っぱさで

これは・・・飲むクレープ?

濃厚なのでものすごくお腹にたまる。

今年に入ってついに軽度肥満に分類されてしまい

ダイエットに踏み出したのだから、

本当にそろそろ口にするものを気にしなきゃなぁ

とは思っものの、

近頃のトレオンは来る度に新しいお店ができ

くるたびになんだかワクワクしてしまうので、

来週の出張では何を食べようかななんて

罪深いことを考えてしまうこの業は

どうにかならないものか。

1027: 小麦の都。トレオン名物料理①

 

1週間も待たずにまたトレオン市へとんぼ返り。

何もないと言われがちな北メキシコの中でも

どちらかといえば地味な部類のコアウイラ州

どの町からも車で3、4時間かかるトレオンは

何かと言えば田舎町だと侮られがちだけれど

よく観察してみるととても大事なメキシコの

北の文化の交流点だということがわかる。

前回は芸術の話だったので、

今回は得意な食について。

 

www.survivalenmexico.com

地理的に北東部のヌエボレオン州と

北西部のチワワ州の丁度中間に位置するこの町は

北部の肉食文化を軸にしながらも

街中で山の民俗タラウマラの人々を見かけたり、

食でもチワワの山岳地帯からの

乳製品の文化が流れ込んでいる。

それに加えて独自に発達したのが小麦文化。

北の乾燥地帯は全体的にトウモロコシ粉と

小麦粉との二刀流の文化圏だけれども、

トレオンはその中でも突出して小麦寄り。

行ったら必ず食べろと言われる食事にも

小麦は絶対に欠かせない。

今日はそのうち3種をご紹介。


・厚焼きタコス:ゴルディタ Gordita

分厚く焼いたトルティジャ生地を開き 中におかずを詰めたこの料理。 

要領はピタパンと同じ。

他の土地での主流はしっとりトウモロコシ皮でも

この町では小麦の皮のパリパリ食感。

ゴルディタデコセドールGordita de Cocedor

と呼ばれる炭火焼のものが中でも大変美味しい。

リンクはモンテレイのゴルディータの一例。

www.survivalenmexico.com

・腸料理: トリピータス Tripitas

たっぷりの油で揚げたもちもちの腸の料理も

大々的ではないながら多くの地元民に

根強く支持される地元の美味。

近隣在住の私は食文化が似ているので

ほとんど違いがわからないけれど、

他の地域ではあまりない食べ方なのだとか。

牛だか豚がか食道なのかなんなのか

誰も良くわかっていないけれど気にしない。

一度下茹でしたものをサラダ油、

あるいはより旨味を出すためにラードと塩で

グツグツと煮るように揚げただけのものを

小麦のタコスで挟んで食べるのが絶品。

自宅で揚げる際にはかなり油が爆発するので

深めの鍋に軽くフタをしての調理をおすすめ。

でないと私のように台所中油塗れに。

爆竹くらいの音と勢いで爆ぜる中

うかつに火を消しにも近づけない調理は恐怖。

軽くあげればふわふわもちもち、

よくあげればかりかりもっちり。

写真は目を離したすきにカリカリになったもの。

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これだけでもビールの最高のつまみになるし、

トマトで煮ても美味しい天からの贈り物。


・パイ皮: カンペチャーナ Campechana

モンテレイのお店でも売っているのだけれど

トレオンへの道すがら国道で手売っている時だけ

美味しそうに見えてしまう不思議なお菓子。

20~25枚程度で30ペソ。

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見て分かる通りただ甘いぱりぱりのパイの皮。

なので美味しくないはずがない。

街に居ると華美なものを選びがちだけれど

引き算の美味しさも病みつきになる。

カンペチャーナ以外にも

道路で話しかけてくる物売りの人ってしつこいし

もの乞いかと思い身構えてしまうことあるけれど、

果物やお菓子は店舗よりも美味しいものが

結構隠れていることもあるので

時たま運試しに買ってみたくなってしまう。

 

小麦の話は明日に続く。

1026: メキシカン寿司バイキング【KURAI SUSHI】

彼氏が退職してから3週間経ち、

ついに念願の退職金が。

メキシコでは大抵2週間くらいでもらえるらしい。
ということで何かおいしいのでも食べようかと
前々から気になっていたというレストランへ。

サンペドロ市はバスコンセロス通りにある
【KURAI SUSHI】という比較的新しいお店。
以前【HANAICHI】があったところといえば
モンテレイ在住者ならわかるはず。
Kurai Monterrey
怪しい巨大コケシがお出迎え。
欧米ではアジアらしいと好きな人が多いけれど
私としてはちょっと怖い。

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ここで提供されているのは
寿司と中華料理のバイキング一本。
入り口で先ずはお支払い。
おかわり自由の飲み物がついて
大人1人260ペソ(1300円くらい)也。
店内はサンペドロらしく広々として
新しさもあり店内もトイレもとてもきれい。
装飾の特に照明ランプが可愛い。

 

席につきまずは飲み物のオーダー。
モナーダかコーラから選べる。
お茶か水はいまだに提供していないお店が多く

メキシコでやせようと思ったときの最初の壁。
さて入り口側壁一面に並ぶ肝心のビュッフェは
右から冷たい巻き寿司が20種くらい、
揚げたお寿司が10種くらい、
サラダやソース類、
中華惣菜、麺にご飯、
最後にスープや蒸し物。と並んでおり、どれも頻繁に入れ替わるので
全体的に新鮮で美味しそう。

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2時間で3皿をぺろり。
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御覧の通りここのお寿司は
メキシカンスタイル巻き寿司のみ。
そこらのチェーン店に比べると
カニカマも本物だし具がたっぷり入っていて
全体的に当たり外れなく美味しい。
定番はマグロにサーモン、カニカマ、えびを中心に
クリームチーズ、アボカド、きゅうりと
いつもどおりの顔ぶれのコンビネーションに見えて、
食べてみるとソースが工夫してあるのか、
意外とみんな味が違って飽きずに食べられる。
気になったのはキワモノたちで、
フルーツ巻きにキャラメル巻き、チップス巻きと
不思議とどれも悪くないのが悔しい。

わざわざ外国でエセ日本料理なんかを

食べに行くこともないだろうと

私も最初は思っていたけれど、

メキシコに来て初めて遭遇した寿司の天ぷらも

お肉の寿司も始めは抵抗があったけれど

食べてみたら美味しかったし、

外国で翻訳された自国の文化を知ると

これがどうして固定観念を教えてくれて

「美味しい」の範囲を広げてくれる。

 

その他サラダの生野菜もシナシナしていなかったし、
ガリとわさびがあるのも嬉しかったな。
残念なのは醤油がなくポン酢だけだったこと。
酸味大好きメキシコではポン酢は本当に大人気。

柚子、カボス、みかん、いろいろあるけれど

ライムポン酢は甘味のある爽やかさで

これも中々悪くないメキシコの発明品。


中華料理に関しては正直言って
町の1人前500円もしないお店の方が
おいしいかなぁと思うくらいの

特にぱっとしない味でした。
 

日本のおすしが食べたいって時には
ここじゃあ満たされないけれど、
既に独立したジャンルとして確立されている
メキシコの寿司観をおいしく楽しめるので、
観光客を連れて行く外国の日本食体験としては
中々うってつけのお店だと思う。