メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1023: モンテレイでもバスケが見たい!

毎日文章を人目に晒すぞと意気込み早2週間、

あまりの忙しさについに更新が途切れる。

けれど私にしてはかなり継続して頑張れたので

第一段階としては花丸でいいかな。

さて今日からはこの記録をどれだけ越せるか。

 


仕事もない日曜日、

なにで忙しくしていたかと言えば

ようやく晴れたので朝は大掃除に大洗濯、

夜は日本人の友人と焼肉パーティー

そして夕方はずっと行きたかった

バスケの試合観戦に出向いていたから。


メキシコでは圧倒的な人気スポーツは

もちろん天下のサッカー様なのだけれど、

それに続くアメフト、野球、バスケは

割とみんな同率2位の人気ぶり。

元々我が家は2人して割とバスケが好きな割に

一昨年の年末にテキサスはサンアントニオまで

NBAレイカーズ戦を観に行ったのが最後。

近頃スラムダンクのアニメを見ていて

バスケ熱も再燃してきたところで

タイミングよくプレイオフを開催していたので

Liga Nacional de Bascketbol Profecional

国内プロリーグ、東リーグの

モンテレイのフエルサレヒアFuerza Regia

サカテカスのミネロスMinerosを

奇しくもバスケの大スターが亡くなった日に

見にいく私たちであった。


会場はサッカーのティグレスのスタジアムや

野球場の並び、バラガン通りにある

ヒムナシオヌエボレオンGimnasio Nuevo Leon。

緑と白のヌエボレオン体育館。

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野球の試合なんてチケットをタダで配っても

全然観客が入らないのが普通だし、

バスケも普段話題に上ってこないし

空いているだろうとタカを括って

試合開始直前に到着したところ、

ほぼ満員の駐車場と入場を待つ車の長蛇の列。

料金60ペソを払ってなんとか滑り込みで駐車。

こんなに混んでいると思わなかったので、

チケット売り場に向かう間にも

もしかしたら入れないかも、

だなんて考えがよぎり焦る。

チケット窓口は正面入り口の左側、

建物内ではなくアーチの外、道路側。

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1人150ペソの一般券を買っていざ入場!

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会場前には巨大なボールがお出迎え。

 

狭めのロビーは割と綺麗なトイレ、

申し訳程度の食べ物とグッズの売店が並び、

そのすぐ向こうにはもう客席の黒山の人だかり。

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座席ももちろん満員御礼。

自由席なので運良く連席を見つけられたけれど、

これは次回から15分前には入ってないと

最悪立ち見も覚悟だなと思う。

この時点で試合開始4分、地元チームの優勢。


休憩時間には数年越しのチアリーダー

かなりゆるゆる踊る女性陣に比べて

男性陣やマスコットキャラクターのゴリラ、

チャンゴレヒオ君Chango Regioのキレがいい。

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けれど誰よりも張り切って踊っていたのは

テンションが上がりすぎて気づいたら

コートに入ってきていた男の子。

躍り狂っている様子が微笑ましかった。


試合は結局10点差近くをキープしながら

88-77でモンテレイの勝利。

会場が小さい分とってもよく試合が見れたし、

やっぱり満員の声援って気持ちがよかったなぁ。

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まだまだ逆転の可能性のある試合だった

っていうのも見応えがあってよかった。

思う存分応援して、歓声を上げて

こんなに楽しいスポーツ観戦はひさしぶり。


1人抜きん出て背の高いモンテレイ3番の選手が

跳べばゴールに手が届くお陰で

ゴール下にいればするりと点が入るし、

リバウンドもどんどん取っていくのが

見事すぎて笑っちゃうくらいの華麗さ。

あんなに上手いパスも3点シュートも

彼らのどんなプレイも私にはできないし

ダンクはやっぱり凄さにため息が出るくらい。

何もかもが面白くて、

あっという間の充実した2時間だった。


一杯80ペソのビールは2x1のセール中だったし

最後はチャンゴレヒオ君と写真も撮ってもらって

大満足のモンテレイバスケデビューでした。

day 1021: メキシコとコロナウイルス。

出張帰りから飲み会へ繰り出し

翌日は昼過ぎまで我を忘れて眠る

といういつものコンボを繰り出したので

午後は家事に追われる本日は短く時事ネタでも。

 

中国は武漢市から蔓延しているコロナウイルス

日本に家族や友人がいる私は

すでに感染者が国内で出ていることもあって

少しニュースを読む程度には関心があるけれど、

はるか遠くのアジアの国での大混乱なんて

どうせここには関係ないだろうと

余裕の風を吹かせているのが平均的メキシコ人。

 

コロナウイルスの第一報が流れた途端に

せっせと彼らがやりだしたことといえば、

かの有名な王冠(Corona)をかたどり

ライムをさして飲む方法でおなじみの

メキシコ産ビール・コロナビール

メメMemeと呼ばれるジョーク画像を作ること。

メキシコの若者はとにかくこれが好き。

いかに良いジョーク画像を作るか、

広めるか、ネット上で使いこなすかに

かなり心血を注いでいるように見える。

 

SNSは2、3日はそんなコロナの画像で溢れ、

meme corona virus 

で画像検索をすると山ほど出てくる。

違う意味でメキシコ人にも多大な影響が。

しょうもないとは思うけれど、

ジョークを通して中国発の感染症

ってことくらいは一般に広く知れ渡ったようで、

無関心よりはいいのかしら。

春節を前にアメリカでも感染者がでた

なんてそろそろ身近の噂も聞くけれど、

きっと実害が出るまでメキシコはこの調子。

 

出張から帰ったら普段は全く飲まないくせに

我が家にコロナの大瓶カワマCaguama(900-1050ml瓶)

が転がっていたのにはさすがに苦笑い。

これだけコロナの話ばっかりしていたら

コロナビールの売上も上がっていそうだし、

もしかして世界でメキシコでだけ

この感染症のニュースが良い流れを生んでいるのでは?

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day 1020: 小さな世界の大きな国。【アロセナ美術館】

自称北メキシコのキャンペーンガールな私は

普段ぱっとしないからって除け者にされがちな

北の荒野もいかに面白い場所かを

お伝えせずにはいられない。


何度も行っている割にいつも時間が取れず

実は町自体はあまり知らない

荒野の中継都市コアウイラ州はトレオン。 

今回はまだ日が出てる時間に到着できたので

お夕飯探しも兼ねて旧市街の中心

アルマス広場plaza de Armasへ向かう。

町自体が成立してからまだ百数十年と

比較的新しい都市にも関わらず

当時からの建物が大抵残っているので、

新築とコロニアル様式を継承した建物とが

みっしりと店々が肩を寄せる狭い通りに

入り乱れて並んでいる様は奇妙で可愛い。

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そんな広場の周りをうろうろしていたら

アーティスティックな牛を発見。

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モンテレイでみると肉牛に見えるのに

トレオン以北では乳牛に見える不思議。

その向かいには何だか見覚えのある建物。

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調べれば街で一番大きな美術館

アロセナ美術館Museo Arocenaだと。

前から行ってみたかった場所じゃあないの。

月曜休館の火、水、金〜日曜は18時まで、

訪れた木曜日は20時までの開館とのことで

これはラッキーと訪れてみる。

入り口は有名な赤い建物ではなく

広場に面した大通りにある白い建物の

大きな自動ドア。少しわかりにくい。

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入館料は大人30ペソ、学生までは10ペソ。

3月から水、日曜日は入場無料の太っ腹ぶり。


1910年建造の旧カジノに作られたこの美術館、

エントランスに踏み入れるとその高い天井と

床の光沢、清潔な空間に静寂さで、

外界のごちゃごちゃから隔絶された優雅な空間。

3階建ての広い建物の展示品の大部分がアロセナ家の人々がここ100年で集めた収集品。

この一家は150年近く前に

スペインはバスク地方から移住以来

アメリカから持ち込んだ綿生産で

隣接するモンテモレロ市を押し上げ

ニューヨークの綿相場に影響するほどに

一大産地として育てるなど、

トレオン一帯の産業の振興に一役買ってる

地元の名家なのだと

入って左側にある券売所でお話を伺った後

いざ尋常に美術鑑賞。


3階は歴史上の人物に関する展示。

割とメキシコの有名どころが揃っていたので

子連れのお母さん方がちらほら。

子供達も写真が多いからか楽しそうに見ていて

小さい頃からの遊び場の一つに

文化的な場所があるってとてもいいなと思う。


2階は旧スペイン領国の美術品。

布教の時代なので主に宗教画。

貴族の肖像画もちらほら。

スペイン在住時に慣れ親しんだような

キンキラキンの絵画や祭壇飾り、

絹のような質感の肌の人々。

久々にヨーロッパの風を感じる。

デューラーを元にした作品があって嬉しい。

目を引いたのは初めて見る妖精のいる宗教画。

天使はよく見るけれどこんな小さいのは初めて。

可愛らしさに思わずぱちり。

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それからグアテマラ磔刑画は

エスが黒人の現地仕様。

人々の心を掴むための企業努力の痕跡。

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メキシコの黒いマリアと同じね。

もちろん彼女の作品もたくさんあった。

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焼き物は陶磁器とメキシコ独特のトナラ焼きや

タラベラ焼きの風味がどことなく混じっていて、

その噛み合わせの悪い感じが可愛く見えた。


最後に回った1階は期間展示で

いろいろな美術館からの作品が並ぶ。

Territorios de la Memoria

記憶の土地

と題されたそれは、

メキシコ人作家によるメキシコが題材の展示。


もともとメキシコの絵画は線が太く強く、

色もはっきりしていて主張が強く

インパクトがあるなと思っていたけれど、

ここの作品たちはそんなもんじゃなかった。

伝わってくる強い主張が重く悲惨すぎて

4.5作品見たところで具合が悪くなってきた程。

中々見るのが大変なコレクション。

全体的に暗く、おどろおどろしくて、

重い。とにかく重い。

メキシコの抱えてるものが重い。

1985〜2019年制作の作品のみとのことで、

現代メキシコ人がいかに現状を嘆いているか、

国を素直に愛せない悲痛さが浮かび上がる。

彼らの作品に映し出されている国が

素敵なものではないのが悲しい。

生々しい生。

溢れる死と暴力と悪意とで

見ていて楽しい展示じゃあなかった。

けれどとても心を打たれた。


17世期末から18世紀初めにかけて描かれた

メキシコ征服とメキシコシティの光景を

現代訳した作品が一番悲惨だなと思ったな。

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大きな屏風のどこを見渡しても死体。


いい意味で興奮したのはこの作品。

タッチがとてもメキシコチックなのも好きだし

なによりゴヤ大好きな私は

裸のマハを見つけて飛び上がった。

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帰りがけにどうしても

この展示の解説が欲しいと思い

お土産屋さんのおばちゃんに聞けば、

150ペソ分のお土産購入でおまけであげるよ

と言われたのでコースターとポストカードを。

ぴったり150ペソを払い、

絶対にそれ以上の価値のある

ずしりと重い解説本を抱えてほくほく顔で帰宿。


美術館でヘトヘトに疲れてしまったし

アジア人が珍しいからか道行く先々で

話しかけられ通しでくたびれたので

夕食は無残にもuber eats。

今日はもうスプライトを飲んで寝る。

美味しいものは明日に持ち越しです。

 

 

day 1019: 今は甘いものが食べたくて仕方ない。

今日も西へ4時間トレオン市へ向かう。

明日の早朝からの仕事のための前乗りなので

珍しくお昼時暑い時間の移動。

しとしと雨の一週間が明け、

青空が見えた途端に真夏の日差しとなるメキシコ。

耐えられずにトラックの片側の窓に

明日のためのTシャツで日よけを作る。

もちろんクーラーも送風モード。

昨日までの気温の名残でカシミヤのとっくり首の

長袖セーターを着てきてしまった私は

気持ちが悪くなってしまうほどに暑い。

 
まだ体の芯から冷えるようだった昨日の晩に

心底おいしいなと思ったのは

舞茸と卵のスープだった。

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鶏とネギでとったの中華出汁で

卵二つ分のとき卵と舞茸を煮ただけ。

メインの麻婆豆腐に肉っ気が少なかったので

タンパク源として卵と、

冷蔵庫にあった舞茸を思いつきで加えただけ。

なんの捻りもない5分で出来る汁物なのに

フワフワの卵の黄色が可愛く、

そこにふわりと乗っかる舞茸のいい香り。

舞茸は本当にキノコの王様だと思う。

天ぷらにもしたいし薄切り牛肉と甘辛く炒めたい。

けれど寒い日はスープに救われる。

 
対して今日は

これだけ暑いとスイカが食べたくなる。

トレオンはせっかくの名産地だけれど

流石にまだ季節ではないので今回はお預け。

暑いのも寒いのも美味しいものを食べる口実。


山と山に挟まれ工業地帯の排気が見事に停滞する

モンテレイの西南部サンタカタリーナ市の

ニュースに出てくる北京の如き茶色い空気を右手に

私は人の少ない荒野に一抜けする。

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相変わらずなにもない平原を走りながら

電波もあまり届かない道のりは

少し読書をして、2時間ほど午睡。

お昼代わりに昨日のスープだけをお腹に入れ

トレオンに着いたら何を食べようかと夢想する。

メキシコの田舎町は料理が美味しい。

到着まであと30分ほど。

ちょうどよくお腹が空いてきた。

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day 1017: ベトナム料理を食べに行こう2

先週から続いている雨のおかげで

一気に気温が15度以上も下がってしまって

真夏の国モンテレイの住人たちは

室内ですらコートを着て丸まっている。

もちろん夏女で晴れ女の私も例に漏れず。

こんな時こそ熱いものと辛いものの話でもして

みそから温まらねば。

 

というわけで昨日の続き。

昨日の記事はこちら

www.survivalenmexico.com

 

本格ベトナム料理、2品目に出てきたのは

これまた代表的なベトナム料理、フォー。

¨Pho¨licioso、とお店の名前にも冠されている通り

前身の屋台時代からこのお店の看板を貼る名物料理。

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スープ、麺、豚、薬味のシンプルな見た目とは裏腹に

一口麺を噛みしめると口の中に異国が広がる。

クローブ、アニス、シナモンに八角などなど。

説明をしてくれるお兄さんも饒舌になる自信作は

きっと家では再現できない特別な味。

豚と野菜を何時間も煮詰めたスープは

そんな豊満な香りで味わい深くもベースはあっさり。

もやしのシャキシャキ感と相まって軽快に食が進む。

少しだけ散りばめられたパクチー

時たまアクセントとして飛び込んでくるのも飽きがこないし

しっとり柔らかく煮た豚肉が味わい深い。

 

間髪を入れずに出てきたお次の品はスパイシーの権化。

ユカ・タロ芋の豚カレー。

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インドカレーに近いサラサラさとガツンとくる辛さ。

カレーなのにどこかやっぱりアジア料理の香りがする

なんだかミステリアスで奥ゆかしい味。

23口食べただけで火を吹きそうなほど刺激的なのに、

レモングラスティの爽やかさと甘さで息を吹き返したら

もう一口頑張りたくなるこの美味しさは何?

ユカ、つまりキャッサバは南瓜かサツマイモのようで、

ほんのりとその甘みに舌が救われる。

カレーに薬味としてネギを乗せる

というのは私にはない発想だったのだけれど、

食べてみると不思議とすんなり受け入れられる組み合わせ。

ガリガリとした歯ごたえはたっぷり入ったシナモンの皮。

舌触りはあまりよくないけれどそのまま食べて大丈夫。

ご飯はカリフォルニア米なのかな?

日本のものに近くパサパサしていなくて嬉しい。

 

普段ならここれだけ食べればお腹いっぱいになりそうなものの

久々のちゃんとしたベトナム料理の美味しさと

一皿ずつタイプの違う香辛料に刺激されて

私たちの胃袋はまだまだ余力を残している。

そこで出てきたのがこちら、鶏もものレモングラス焼き。

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いや~おっきい。

前言撤回。一瞬食べきれないかも、とひるむほど大きい。

おそるおそる身をつまんでみたところ、

箸で簡単にほぐせるほどほろほろの身。

口に運んで最初に襲ってくるのは

カリッと焼き上げられた皮目のジューシーな美味しさと

たっぷり塗られた甘みダレの強烈な美味しさ。

それから内側の身はなんてしっとりしているのだろう。

上等な七面鳥100倍はしっとりしている。

かなり分厚い身にも関わらずどこを食べても

余すところなくほんのりとタレが染み渡っている。

マリネをしてから蒸し、焼いているのだろうか。

一朝一夕、当てずっぽうでは作れない

経験のなせる味、とでも言えばいいのかしら。

誰でも作れる美味しさじゃあないと思う。

添えてあるナンプラーとスイートチリを混ぜたような

甘めのソースをつけても美味しいし

生春巻きのピーナツだれをつけても美味しい。

なんだこれ、どこをどう食べても美味しい。

これが一番美味しいね、と満場一致の大満足。

 

2人で4品たっぷりいただいてさすがに満腹。

まだまだパン料理だとか気になるメニューもあったけれど

また次回のお楽しみにとっておこう。

 

学生街の近くなだけあって

どれも量がたっぷりなのに安価だし、

メキシコ人の味覚に寄せてない硬派な本格派は

きっとアジア料理好きの日本人の求めている味なはず。

お手洗いはお店の外側にあるのだけれど

ここもとっても綺麗にしてあったとのことなので、

そういう意味でも日本人でも安心して満足できる

100点満点のお店でした。

day 1016: 待望の本格ベトナム料理【Pholicioso】

先日のお弁当ではないけれど、

この頃のモンテレイは全体的に

外食のレベルがどうも上がっている。

私が来た頃はもっと食べられたあもんじゃないものが

今よりそこら中で平気で高値で提供されていたのに、

メキシコ料理やヨーロッパ料理だけではなくて

台湾料理に韓国料理、日本料理のどれも

お金さえ出せばまあきちんとしたものが食べられる。

これで満足。

できればいいのだけれど、食欲というものは

いつになっても留まるところを知らない。

東南アジア料理が食べたい。

旧市街Barrio Antiguoにあるタイ料理屋さん

Thai Thai】があまり好みではなく

しばらくは諦めていたのだけれど、

新しくお店を見つけたのでもう一度だけ挑戦。

それがベトナム料理【Pholicioso】。

www.facebook.com

一言で言えば、もう、大ファンになった。

 

モンテレイ南部はGarza Sada通り、

TEC大学のすぐ裏の住宅街にひそりと佇むこのお店

確かに真新しい看板が煌々と輝いているけれど、

外観は店舗というよりもバラック風で

タクシーを降りる前に一瞬躊躇してしまう。

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8時前。辺りも暗いし、音もない。

本当に営業してるのかしら。

あ、でもよく見ると扉に営業中の文字。

営業時間的にも開店してそう。

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友人と二人恐る恐る入り口に寄った途端、

ふわりと異国の香りが鼻に抜ける。

顔を見合わせてしまうほどのかぐわしさ。

途端にわくわくしてくる。

そっと扉を開けると、ああこれ、

屋台の名も知らぬ香辛料の入り乱れた空気。

本日の勝利を確認して心でガッツポーズ。

 

外見の頼りなさとは裏腹に

4人掛けのテーブル5席に2人掛けが3つの店内は

とても清潔で、音楽が控えめに流れ、

とてもきちんとしている、という印象。

ベトナムの風景や編笠が飾ってあるのも素敵だけど、

充満する香りだけで十分に気分はベトナム

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この日お店を切り盛りしていたのは

ホールとキッチンそれぞれお兄さん一人づつ。

地理的にTEC大学のいろいろな国の学生や

近隣の韓国人のお客さんがよく来るらしく、

日本人でもそつなくとても丁寧に接客をしてくれる。

それから最後に子猫の店員さんも登場。

手を伸ばせば寄ってくるほど人懐っこいけれど

相手にしなければどこかに行くちょうど良い距離感。

日本だと衛生面から言語道断だけれど、

メキシコって動物を店内に飼っている飲食店が多い。

 

 

そんな感想はさておき、

お腹を限界まで空かしてきた私たちの目には

どのメニューも美味しく見えてしょうがない。

ので手当たり次第に注文。

お酒は置いていないお店のようなので

レモングラスのお茶を注文。

レモンの爽やかさはあれど酸味はなく、

なんだかレモンキャンディのような可愛い味。

いえば砂糖抜きにもしてくれるそう。

メキシコで甘くないお茶が飲めるなんて

それだけでも感動!

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ちょうどお客さんがいない時間だったので

注文した料理も続々出てくる。

まずは生春巻き。

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ベトナムと言ったらこれよね。

両手で持って調度良いメキシカンサイズの中には

麺、もやし、レタス、キュウリ、味付きの豚肉、

さらにこれでもかと肉厚のエビがたっぷり。

もっちもちのライスペーパーに包まれた幸せ。

豚の甘塩っぱい味付けがたまらなく完璧に美味しい。

ソースも香ばしいピーナツベースの甘みだれ。

学生の頃ベトナム人の友人の実家で頂いた味。

ああ懐かしいなぁと思える味。

自分で本格をうたってるだけある。

これはもう、絶品という他ない。

 

こんなものを一品目に出されたら

早く他の料理も試したくてうずうずしてしまって、

味わいたいのになんだか急いで食べたくなるような。

完全に美味しさに踊らされている。

 

まだまだこの後に続く絶品の数々、

その感動も早く伝えたいのだけれど

今日はどうしても眠くて仕方がないので

続きの3品はまた明日の記事で。

 

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世界第2の巨大間欠泉・ブファドーラヘ! ティファナ旅行記2019④

この旅の関連記事はこちら

 

ティファナ旅行記2019冬①ティファナに到着 - メキシコでOL、26歳

ティファナ旅行記2019冬②ティファナ喧騒とアートの旧市街巡り - メキシコでOL、26歳

ティファナ旅行2019冬③地ビールの都飲み歩きツアー - メキシコでOL、26歳

 

本日のお品書きはこちら

 

 

 

高速バスでエンセナダEnsenadaに行こう!

本日はティファナから沿岸を南に1時間半、

小さな港町エンセナダ市が観光の目的地。

早朝の高速バスで出発予定だったため

普段は寝起きが悪い大魔王の私でも

お酒をたらふく飲んだ次の日ばかりは

ばかにしゃっきりと目がさめる。

 

代わりにぶくぶくにむくんだ顔と体を引きずって

本日は早朝7時、街の北端のバスターミナル

Centro Autobus ABC la Lineaへ向かう。

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ここはティファナの中心街に2箇所ある

ABC社の高速バス乗り場の小さい方。

こちらの方が観光地から10分ほどとより近い。

発車10分前到着でもさすが地元の小さなバス停

特に問題なく乗車券を購入。

1人210ペソ。1200円ほど。

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モンテレイなどの大きなバスターミナルだと

高速バスは15分以上前までの購入、

だなんてルールが時たまあるのでご注意を。

ここはおそらく夏の観光シーズンでもなければ

早朝の客の入りはかなりガラガラのよう。

ちなみにこれがこのバス停からの

2019年末時点の時刻表。

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左側がティファナからの出発時刻、

右側がティファナ行きの出発時刻。

もう一つのバス停発着だともう少し本数がある。

Central de Autobuses de Tijuanaという停留所。

所在地は以下のGoogle Mapsの通りで少し郊外。

https://goo.gl/maps/qoNP1Pn6d1cff5p98

 

さて予定時刻を少し過ぎてから到着したバスは

蟻の触覚のようなライトが生えた大型バスで

非常にチャーミングなフォルム。

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安い料金にもかかわらず座席は広くふかふか、

メキシコ人の豊満な体型にこの時ばかりは感謝。

フットレストもあるのでまさに快適尽くし。

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昨夜の帰宅が遅かったのもあって道中は

寝て体力回復に当てよう思っていたのだけれど、

出発してすぐに飛び込んできた光景のおかげで

うかうか寝ているわけにもいかない。

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目の前に延々と見上げる高さのオレンジ色の柵。

これがかの有名な国境の壁。

メキシコ側の一列とアメリカ側の一列で

二重構造になっているように見える。

その間の何十mかが遠くから道のように見えて、

うねうねとした山の起伏の中では

万里の長城を思い出す形状。

 

10分も走り海岸線で壁が途切れたと思ったら

今度は朝の濃い群青色の太平洋が

視界いっぱいを占領する。

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雨の予報はどこに行ってしまったのか

晴天の日の下の海面はキラキラと眩しく、

普段山に囲まれてばかりの私たちは

この光景だけで心が大きく飛び上がる。

途中のリゾート地Rosarito市まで海沿いに

やしの木と軒を連ねる家々はどれもかなり大きく、

三角屋根からアメリカ人の持ち物だと伺える。

 

ずっと同じと言えば同じ海を横目にバスは爆走。

途中地図とにらめっこをしていたら

SALSIPUEDES湾

という名前を発見して大笑い。

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直訳すれば「出れるもんなら出てみろ湾」。

おそらく太平洋に面した外海の波の高さから

船を出しにくいスポット故の名付けだろうけれど

そのあまりのも実直なセンスに脱帽。

 

7時半に出発たバスは8時45分には目的地へ到着。

聞いていた所要時間よりだいぶ早いが

この国でこれを気にしていたらきりがない。

命つきで目的地に着けたのならそれでいいのだ。

 

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話に小さな街だとは聞いていたけれど、

彼氏の実家のある農村に慣れた私からしても

観光地から外れた地区はとにかくど田舎の風景。

だだっ広さ、もののなさ、道の悪さ!

とっても好奇心をそそられる街並み。

 

ブファドーラにもバスで行こう!

なのだけれど、観光はひとまず置いておいて

実はこの日のメインの観光はここではなく

ここよりもっと南の岬。

事前にツアーやタクシーを確認したものの

あまり良さそうなものが見つからなかったので

道を歩いていたおじいちゃんへの聞き込みの結果

路線バスを乗り継いで行くことに。

車で45分ほどの道のりとのことだけれど

バスだと途中で乗りついで2本で着けるらしい。

15分に1本のバスで先ず目指すは中継地点

マネアデロスManeaderos。

1人14ペソで明日にでも廃車になりそうな

おそろしいガタガタ具合のバスに飛びのる。

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外見はまさに思い描いていたアメリカの古いバス、

といった様相でとっても可愛い!

内部に英語表記も見かけたので

実際に払い下げなのかな。

お尻の飛び跳ねるような道を30分ほど頑張り、

停車ベルが効かないので

「バハンBAJAN!」

と叫んでスーパーCalimaxで降ろしてもらう。

ここが乗り換え地点。

大きなお店なのですぐにわかる。

タイミングよく目的地行きが来たので

次のバスにも飛び乗る。

今度は1人18ペソでここからは本当の田舎道。

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モンテレイの南部を思い出すような

なだらかな山並みの下農家とビニールハウス

それだけが並ぶ道を10分も走っていると

突然目の前に青い風景が開ける。

狭い入り江のために対岸が近く、

一瞬湖かと錯覚したけれど、海だ。

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ブファドーラ間欠泉と買い物小道

ティファナからは2時間程のこの小さな岬。

ここにあるラブファドーラLa Bufadoraとは

ハワイにあるものに次いで世界で二番目に大きな

熱水噴射口、つまりは海洋間欠泉なのだそうで、

世界的にもとっても珍しい観光スポット。

間欠泉というと蒸気が吹き出る地面の割れ目、

なんて曖昧なテレビで知っただけの知識の私は

どうしても本物が見たくなり、

彼氏の大賛成もあって今回足を伸ばしたわけ。

 

岬のウェルカムゲートをくぐってバスは停車。

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観光バスや一般車両もここまでのよう。

ここから先実際に間欠泉の覗ける位置までは

500m人生で目にしたことがないくらいぎっしりと

おみやげ屋さんばかりが並ぶ賑やかな一本道。

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これを最初に見ていたらきりがないので

見て回るのは最後にしようねと誓い合い

覚悟を決めて踏み出したのに、

一軒目のドリンクスタンドで「美味しいから!」

の推しに負け、試飲をしてしまったが最後

いきなりパイナプル丸々一個を容器代わりにした

巨大なピニャコラーダをお買い上げ。

こんなにモリモリで100ペソなり。

このお店【The Blind Man】では

テキーラではなくラム酒を使っているらしく

味も風味も濃厚。確かに美味しい。

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また帰りにもう一杯入れてあげるからね~

とニコニコのおじさんに手を振られながら

今度こそ決意を固くした私たちは

200m先で海鮮の炭焼きの誘惑に勝てず

あっという間に腰を下ろしてしまうのであった。

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大きさアサリのような二枚貝とたっぷりのエビ、

玉ねぎ、パクチー、そしてチーズがどろり。

これにハバネロソースをかける幸せと言ったら。

貝1つ分で150ペソ。

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目の前に広がる真っ青でキラキラの海、

いたるところにいるマリアチおじさんの歌声、

暑い日差しに焼きたての海の幸の美味しさ。

 

路面販売は香りもさながら

一旦店が途切れる位置にあるので

通り掛かりにすぐにわかるはず。

goo.gl

さて、早く着いた余裕もあって

なんだ思っていたほど混んでないじゃない

と思っていたら舌鼓を打っている間に

どんどんと見えなくなる海原。

11時を前にして団体さんが到着ちゃったみたい。

振り返れば今来た道はは原宿竹下通りの様相で

行く先、間欠泉の前も黒山の人だかり。

しまった。後手後手。

 

とはいえ今回スケジュールも厳しくない旅なので

目が痛いほど輝く海を眺めて待機。

岩場にはカモメが多くて面白い。

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ツアーで来ると滞在時間が短いことが多く

混雑や潮の調子で噴水が見れないこともある

と聞くので、ぶっつけ本番でも

路線バスの旅をして良かったなと思う。

人々の歓声を耳にしながら待つこと20分ほど、

ついに奥の方のかぶりつきが空いたので進み出る。

手前側からも覗いている人だかりがあるけれど

間欠泉自体が少し内側にあるので、

ほぼ真上から身を乗り出さないと海面までは見えない。

どうせ並ぶならできるだけ奥を狙うのがおすすめ。

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海がこう見える位置が完璧。

真下に噴射口がある。

 

並んでいる時から思っていたけれど

この場所なんだかごろごろ、ごろごろと

低いい地響きのような重い音が鳴ってやまない。

実際に海面を見てみるとその答えがよくわかる。

音に合わせて水面がズルズルと動いてゆく。

原理はよく知らないけれど、

きっと海底で大きな力がうごめいているんだと

わくわくさせるような体に響く音。

それが時折フシューっという音に合わせて1、2m

水しぶきが真上に上がる。これが噂の噴水ね。

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派手ではないけれど心地よい音と振動、

飽きることのない波間の変化に見とれてしまう。

と、突然明らかに波の動きが異様になる。

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海中に水が引き込まれるように

まるで極小の鳴門の渦潮のうねりがいくつも現れ

水面に大きな泡の塊が不自然に集まり始める。

地響きも一瞬ごとに強くなる。

なんだなんだと思ったら、

バシュッとすごい音をさせて

次の瞬間には目の前が飛沫て真っ白。

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崖の上から海面を見つめている私たちが

仰ぎ見る高さまで優に30mは超える大噴射。

こんなのもう一同大歓声。

自然現象を見てこんなに嬉しいことあったかな

というくらい大人げないほどの大興奮。

信じられない、ありえない、こんなの面白すぎる

彼と手と手をとって歓喜歓喜

あっという間に思えたけれど、もしかしたら

かなり長い間そんな不思議な光景に

かじりついていたのかもしれない。

早く見たいとぐずる小さい子供の声を聞いて

ふと我に替えり大人は退散する。

 

 

展望台でのんびり昼食。レストラン【Blanquita】

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Ensenadaサインを通り過ぎ

マヤの戦士のコスプレゾーンを横切り、

戻る道すがらにはモンテレイではなかなか見ない

民芸品にキョロキョロと忙しい。

布製品から木工、タラベラ焼きと

ここには一通りのメキシコ民芸が揃ってる。

行きがけに寄った炭焼きの脇の階段を上ると

何も遮ることなく海が一望できる展望台へ。

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かなりの高さなのに柵などはないのでご注意。

向こうに島も何も見えない。太平洋は広い。

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ここも奥の方まで行くと間欠泉と崖から突き出た

人々の熱心な頭を覗き見ることができる。

混雑が苦手ならここからでもいいかもしれない。

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早朝から動いていたためか

ここらで空腹が限界になったので

そのまま降り掛けにレストランBlanquitaの展望席へ。

息の炭焼きと同じお店。

簡単なプラスチックの机と椅子でも

この景色を前にするとなんだか特別なように感じる。

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席に着いたら早々にトトポのセットのお出まし。

海鮮のタコスといえばサラダ。

一緒に出てきた山盛たっぷりの野菜はそのため。

バハカリフォルニア名物

白身魚のフライのタコスは特に

山盛りにキャベツやトマトをのせてから

マヨネーズをかけて食べるのが大好き。

南のロスカボスで教えてもらったこの土地の食べ方。

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それから今回の旅の目玉の一つがこれ!

生牡蠣!

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エンセナダといえば生牡蠣!

おいしそ~美味しかった~!

メキシコ流はライムを絞っただけでつるり。

日本ではほとんど食べたいと思わなかったのに

海から極端に離れて暮らすとなんでも恋しくなる。

アメリカ大陸の牡蠣は当たりにくいというし、

エビと幾つかの貝類のアレルギーがある私は

いつか食べられなくなる日のために

今日たっぷりと食べておく。

内陸生まれ山間部育ちの彼氏は初のオイスター

もともと魚介は好きなので悪くはないと言いつつ

結構強烈な味だねと1つつまんで

今回の挑戦は終了。

 

それからも景色やお店をゆっくり見ながら歩いて、

ここでも偽シマウマを発見して、

40分に一本の路線バスを捕まえて再び

Maneaderoを経由し帰路へつく。

目玉の間欠泉一本のこの小さな観光地を

たっぷり5時間飽きもせずに楽しめてしまった。

人は自然に魅せられる。生を感じる土地だった。

 

いつの日かもし子供を持つ日が来たのならば

これは絶対に見せに来なければいけない経験だ

と私は心底感じた。

 

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day 1014: レシピ《鶏とネギの中華風うどん》

ミスタードーナツでの思い出の中には

いつも母方の祖母がいる。

Tim Hortonsでドーナツを食べたら

ふと思い出した。

今はもうどちらも無くなってしまったけれど

祖母の最寄駅にも、私の最寄駅にも

15年くらい前にはミスタードーナツがあって、

時々出かけては立ち寄り、

一緒にお腹を満たすのが恒例だった。

やたらと中華料理が美味しかったのを覚えている。

ドーナツ屋さんなのにエビグラタンパイと

中華麺、点心ばかり頼んでいた。

いつの間にか中華料理は身を潜めて、

気づけばお店自体も無くなっていた。

昔はあちらこちらにあったはずなのに、

今はどこに行ってしまったのだろう。

時代に取り残されていく感じは

チェーン店の移り変わりで感じられるのか。

 


そんなことを思っていたら

無性にあっさりとした中華そばが食べたくなる。

ラーメンじゃあなくて、

透明か金色の透き通ったやつ。

丁度手元に買ったばかりの韓国麺があったので

今回はこれを使ってみることに。

モンテレイの韓国人街アポダカ市にある

centro zapateroの韓国食材屋さんで購入。

goo.gl

ここは日本の食材は置いてないけれど、

韓国のものの品揃えは一通り。

冷凍の餃子や肉饅もあるし

今週は他にもいかキムチと、

なんと生わかめが買えた大収穫!

ここは毎週水曜日に大根や白菜など

アジアの野菜を仕入れるので、

水、木曜日なら買えるとのこと。

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説明書きも読めないし、初めて使う麺なので

カンだけで味付け。レシピはこんな風にして、

中華風!鷄ネギ黄金うどん by azquita 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが322万品

完成したのはこんな感じ。

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シンプルな中華そば風うどん。

もも肉をお願いしたら胸肉を買ってきたので

今回はよりさっぱり味。

彼氏はまだまだ買い物の修行が必要。


うどんを想像して食べてみたら、

麺が予想の100倍はモッチモチで驚き。

あの食感はエビ餃子の分厚い耳よりもモチモチ。

味も若干卵の風味があるので、

なんだかラーメンとうどんの合いの子のようで

私の脳みそにはまだ刻まれていない新食感。

口当たりで麺の邪魔をしたくなかったので

ネギの代用は肉厚のPorroよりも

華奢なcebollinoの白い部分がいいかな。


中華麺でも、韓国麺でも美味しいと思うし、

日本のうどんを使うのならほんのちょっとだけ

カツオ出汁、あるいは出汁醤油を加えると

もっと馴染んで美味しくなる気がする。


切るものも材料も少なく煮込むだけ。

10分くらいでできる割には満足感があるので

凝った料理に疲れた時に

思い出してしまいそうな味。

 

day 1013: 【Tim Hortons】なつかしのドーナッツ。

ドーナツに救われる日が来るとは。

 

普段は朝7時50分にはタクシーを呼び

8時前には家を出ないと始業に間に合わないのに
本日ぱちりと目が覚めたのは7時57分。
こんな日に限って朝から大事な打ち合わせ。
もうあわてる暇もなく身づくろいをして、
さっさと車に飛び乗りぎりぎりセーフ。


間に合ったはいいがごはんはどうしようか、
と思ったら目に付くかわいい箱が。
そういえば昨日気まぐれで買ったドーナツが
まだごっそりと余っているんだった。
メキシコのドーナツはかなーり甘いので
濃いめのダージリンと合わせていただく。
そういえばお昼ご飯も昨日何故だか
半分残したお弁当があるんだった。
昨日の私は未来予知でもしてたのかしら。


そんなドーナツを買ったのは

【TIM HORTONS】
という昨年にわかにモンテレイ中に発生した
カナダ系のドーナッツカフェチェーン店。
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それまではクリスピークリームドーナッツや
パン屋さん、コンビニが供給の主流だった中
本当に町中で看板を見るようになるのに数ヶ月もかからなかった気がする。
今では街角いたるところに赤い看板が。


家の近くにも会社の近くにもあるのに
一度も立ち寄ったことはなかったのだけれど
昨日は唐突に甘いものがほしくなり、

ついにどきどきのご来店。
基本的には所謂アメリカンドーナッツ。
ふわふわやわらかくてきつね色で、
これでもかとたっぷり砂糖のコーティング。
これのキャラメル味があったり、チョコだったり。
一番人気は小さいドーナツのアソート。
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持ち帰りはかわいい箱入りで
10個、20個、30個と数量が選べるほか
内容の指定も出来るみたい。
今回は20個おまかせで注文。
確か90ペソ(500円)くらい。
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黒いのがチョコ味、
きつね色はカヘタ(ヤギキャラメル)入り、
硬いのがオールドファッション、
粉砂糖のラズベリージャム入り、
飾りがついたのはモチモチ、中身無し。


うーん、甘い!全部甘い!
噛む度にじわりとジューシーさがひろがるのが
良くも悪くも実にアメリカン。
一口サイズでも1,2個も食べると

十分かなぁと感じられるほど
日本人の私にこの甘みと油みは荷が思い。
チョコ玉の味はよかったと思うし、
オールドファッションは味は日本と殆ど同じで

食感は少し軽めかな。
彼らはお気に入りツートップに就任。


あとは見た目の誘惑に負けたクルーラーも。
これはシンプルに砂糖のみ。
さくさく、もちもち、はかない感じ。
懐かしいミスタードーナッツと同じ味がした。

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こんなのを朝一番にほおばっていたら
そりゃあ目もしゃきっと覚めるよね。
砂糖がメキシコで一番の麻薬なのでは・・・?

 

 

day 1012: お弁当革命【まるちゃん弁当】

我が家は基本的に家で作ったご飯を食べることが多い。

外食を滅多にしない家庭で私が育ったので、

外食が続くとなんだか体の居心地が悪くなるので。

しかし共働きだとどうしてもお弁当までは

作る余力がなかったり、

具合が悪くて台所に立てなかったり、

そいうい時には仕方なしで持ち帰りを頼んだり、

UBER EATSで食事の宅配を頼んだり。

そういう時に限って日本食が食べたい

なんて欲求に駆られても、

もちろんモンテレイには安くで出前をしてくれて

なおかつちゃんとした日本料理を出すお店なんて。

と、それっぽいメキシコのお寿司だとか、

韓国料理で妥協していたのが大体ここ3年。

(コンビニ弁当という選択肢はこの国にはない。)

そんな生活に一筋の光明が。

 

なんだか少し前から新しく

弁当屋さんが一軒できたとの噂。

とはいえ滅多に買い弁の日もないし、

私には関係ない話かなぁと思っていたら

先週会った友人が実際に頼んで美味しかった

と言っていたので即前言撤回。

私は好奇心に勝てず注文をするのであった。

 

【まるちゃん弁当】

という店名だけは知っていたので

twitterで連絡するとすぐに返答が。

朝8時頃だったのに。

この迅速さが日本製の安心感。

・注文は前日~当日の12時まで

・配達は朝8時~16時まで

・配達はuberのドライバーを通して

・支払いは銀行振り込み

とはじめに簡単な説明ととメニューを頂く。

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折角なので先輩と上司も誘い彼氏にも声かけ。

メニューは定番のもの6種に加え

週替わりで1つあるみたい。

久しぶりの実に日本らしいお弁当の写真を前に

すでに空腹を覚えながらもしっかり吟味する。

結局私は今回は唐揚げ弁当を注文。

 


12時半頃の到着をお願いしたところ

12時過ぎにお弁当出発の連絡が。

到着時間もジャスト。ああ、信頼できるって楽。

配達はいつものUber Eatsではなく

普通のUberのタクシーなので

依頼主の店主さんから車両の位置情報を

WhatsAppで共有してもらう形。

事務所が分かり辛い場所にあるためか

今回は配送車が迷ってしまい、

注文主ではない私からドライバーさんへ

直接のやりとりが出来ない分

受け取りはやや手こずったけれど、無事到着。

(まるちゃんさんは連絡をしたら

すぐに運転手さんに伝えてくれた 。)

配送料はごはん代には含まれておらず、

セントロからどれだけ離れてるかで変わるみたい。

今回は初回30%割引だったので100ペソ。

単純な配送料はデリバリーの中ではかなり割高。

今回は同じ場所で3人分注文したので

1人頭は33ペソ程度。

会社や家族で複数人で頼めば気にならないな。


唯一他に比べて不利な点があるとすれば

配達人が純粋に運転手として配送してくるので、

玄関先までは届けに来てくれず、

私が外に出て車を探す必要があったこと。

マンションだったらエントランスまで

降りて受け取る必要があるのかも。

そういう意味では本当に手が離せない、

というような時には注文は難しいかも。

普段いかに大企業に甘やかされているのかがわかる。

(太る理由もわかった。)


そんな前置きはさておき、

大事なのはお味でしょうと。

割り箸とたっぷりのナプキン付きの包みを開くと

曇った蓋越しにも取り取りのおかずが

行儀良く一つの空間に鎮座しているのが見える。

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出来立てで送ってくれたんだな、

と分かるのも嬉しい。

メインのおかずに気を取られていたけれど

お店のお弁当の良さってこの品数の良さだったな。

食べる順番や割合、バランスなどなど

最高の一食を目指してうんうん唸れる充実さ。

そういえばお弁当を食べることって、

それ自体が楽しいことだったと思い出す。

急に手元に缶ビールが欲しくなる。

お弁当には缶でなくては。


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お品書きは

・唐揚げ(千切りキャベツ添え)

・甘い卵焼き

・ピーマンのナムル

・ひじき煮

・ポテトサラダ

・トマト

・白米(ふりかけ付き)

さて一口食べてみて、

当たり前に見た目通りおいしくてびっくりした。

外で食べる似非日本食に慣れすぎて

自分以外の人も日本食作れるんだった

ということを忘れてたみたい。

副菜からメインの味付け、ごはんの硬さ、

どれをとっても大満足。

日本のごく一般的な料理上手な家庭の味なの。

すごくいい。

これだけ全部美味しいなら、この先頼むお弁当も

きっとみんな美味しいんだろうなと

嬉しい予感を感じさせてくれるそんな味。

我が家が薄味なこともあって

彼氏はすごく美味しかったけどちょっと塩辛かった

とのことだったけれど、

私はお弁当は温めない派なので、

これくらいしっかり味の付いたおかずで丁度良い。

ごはんが進むこと進むこと。

自分で作るお弁当は面倒くささが勝って

ごはんに主菜、副菜1つ、あってプラス汁もの位

がいつもの昼食なのだけれど、

やっぱりもうちょっと頑張ろうかなと思うくらい

色々なおかずがあるっていうのが嬉しかった。

お弁当っていいなぁ。

器がそれっぽいのも良かった。


量は事務職の人はこれで十分満足できると思う。

私みたいな肉体労働者とか、

メキシコの大盛り料理慣れちゃってたり

あとは体力を消費するモンテレイの夏なんかは

白米だけ大盛りとか、全体的に大盛りとか

量まで選べたら嬉しいな。

まあおにぎりを追加注文すれば済むか。


南部のコンビニでおにぎりが売られているような

日本人が多い地方の人からしたら

なんてことない光景だろうけどさ、

モンテレイには満足できるお弁当すら

令和のご時世までなかったんだよね。

胃が満たされると心も満たされる

という言葉は嘘じゃないね。

ちょっとまた生きるのが気楽になったな。

 


全面的におすすめ。

 

 

 

ティファナ旅行2019冬③地ビールの都飲み歩きツアー

この旅の他の記事はこちら

ティファナ旅行記2019冬①ティファナに到着 - メキシコでOL、26歳

ティファナ旅行記2019冬②ティファナ喧騒とアートの旧市街巡り - メキシコでOL、26歳

 

2日目の締めくくりはお待ちかねの地ビールツアー!

 

騒音問題やらゴミ捨てのマナーやらで風土に合わず

日本では色々と問題になっている民泊だけれど

(私も日本人向きじゃないし嫌がる理由もよくわかる)

海外では若者を中心に実に一般的なシステムで、

AIR BNBといったら民泊仲介サイトでも大手の有名どころ。

実はこのサイトでは宿泊施設だけではなく

登録した個人が主宰するツアーや

色々な体験にも申し込めるらしいことに

今回宿泊先を探していて初めて気づく。

企業ではないから大掛かりなものは少ないけれど、

基本的に参加が少人数で時間や内容に融通が効きやすく、

やっぱり何と言っても安価で色々体験できるみたい。

基本的にはそこに住んでいる人、

地元の人の案内というのも良さそう。

という経緯で今回のティファナの地ビール巡りは

AIR BNBで試しに申し込んでみた初めての体験。

実際どんなものかしらと、どきどき。

 

当日までに主催者の女性とメッセージでやり取りをし

ビールの好みや待ち合わせ時間、場所を簡単に打ち合わせ。

当日19時に1件目の前で落ち合うことに。

 

早めに到着しガイドさんを待っている間に

サイレンとパトランプがグングンと近付いてきたと思ったら、

目の前の道で警官がパトカーから飛び出しまさかの捕り物劇が始まる。

しかし銃撃戦もなく無事に男性が車に収容されたところで

ガイドで主催者のパティーさんも到着。

別に道を歩いている人たちも何ともないような顔をしているし、

ハードボイルドな街ねここは。

この日のツアーは私たちだけだったので(最大4人)

お互いに自己紹介と簡単に本日のルートの確認だけをしてさあ入店。

(既に行っているところがあれば変えてくれる!)

 

TEOREMA / LUDICA CO-TASTING ROOM

二つの醸造所が共同で持っているビールのテイスティングバー。

Teorema/Lúdica Co—Tasting Room

常に安定した品質の信頼のTEOREMAのビールと

年によって味に変化が楽しめるLUDICAのビールが

時期にもよるけれど常にそれぞれ78種類は用意されている。

これが201912月時点でのメニュー。

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今回は70ペソで好きな4種類を選べる

試飲がセットを各々注文。

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メキシコでは試飲はフライトとかデグスタシオン、

カタなんてよばれ呼ばれてることが多いかな。

ガイドのパティさんに好みやおすすめを相談をしつつ

あまり苦いのが得意ではない私のセレクトはこんな感じ。

木枠に選んだ番号も書いてくれるのがとっても親切。

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軽い香ばしさと甘さ、もったりした風味の残る5番は小麦のビール。

軽い苦味と香ばしさをはじめに感じるつつも

最後に舌に甘みの若干残る味の強めな12番、

南方のビールの様に薄味でゴクゴク飲めるのだけれど

甘みはほとんどなく、しばらくすると苦味が出てくる9番、

アメリカンコーヒーの様に香ばしさとコクはあるものの

苦味は薄く飲後感がとてもさっぱりとした2番。

ティーさんさんのお勧めで全て好みの範囲内ながら

見事に分野の違う美味しさのビールを堪能。

店内もメキシコのビールを提供するお店とは思えないほど静かでモダンで

騒ぐ人よりもゆっくり飲む人が多いイメージ。ランプもビール瓶で可愛い。

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ティファナの歴史だったりお勧めの観光地、

ビールに関しては一般的なこともお店のビールのことも

1つ質問すれば1020も面白く話してくれて、

普段は全く違う仕事をしているとは思えないほど

ビールに対する飽くなき努力と情熱が燃え上がるパティさん。

今回のツアーは3時間で4軒のバーを回る予定なので

1軒は45分程度の滞在ね、と言っていたのだけれど

お互いの個人的なことも話しながらあっという間に

胃も頭も心も満足に有意義な1時間が経過。

 

2件目はすぐ向かいにあるCINE TONALA

ではなくその二階にひっそりと位置する

MEZZANINEという近隣の港町

エンセナダENSENADA(翌日より訪問)

TRANSPENINSULAR醸造所のビールを扱う小さなバー。

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建物に入って右側の壁の向こうにある階段を上った先と

若干分かりにくい入り口になっているので

立地の割にお客さんは少なめ。

ここはテイスティングはないものの、

パティさんがオーナーと友達だったため

いくつか味見をさせてもらえることに。

この日はメニューの上二つ以外が揃ってました。

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Carretera 3IPAの中でも苦いWest Coast の名に違わず

私は顔を歪ませずには飲めないくらいの強い苦味が。

Tierra Claraはとにかく軽くて

どんなつまみでもスイスイいけちゃうお味。

KM5.5Stautの黒ビール。

苦さを覚悟して手にしてみると

コップが鼻先をかすめた瞬間に豊かな香ばしさが広がる。

口内にはコクと重層感を感じるのに

何故かまろやかで苦味がなくて、

気がつけばコップが空になってしまった美味しさ。

甘みも感じられる好きなタイプの黒ビール。

しかし久々に見つけたラガーの魅力に抗えるはずもなく

私が選んだのはStrummer´s Vienna Lager

日本のビールの様なキレのある味わいが懐かしく美味しい。

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1階がミニシネマを併設したカフェなだけあって

バーも静かで穏やかで少しアカデミックな雰囲気。

さらに嬉しいことにテラスからは

レボルシオン通りのキラキラとした街並みを

賑やかさからは一歩引いたところから楽しめるので

孤独になれるけれど寂しくない場所といった趣き。

ENSENADA醸造所は車でなら町からすぐとのこと。

Cerveceria Transpeninsular

 

3軒目はガラリと趣を変え大通りから一本入った先

ロックが大音量で流れるお店CERVECERIA SILENUSへ。

Cerveceria Silenus

奥にダンスルームもある音楽もバッチリ楽しめるお店。

前々から人気の店でこの12月に移転をし

セントロで再オープンをしたばかり。

さて、ここにきて困ったことに

このお店はほぼIPASTAUTと私の苦手な苦味や

アルコールも味も強いビールが得意分野。

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彼氏はこういう味が好みなので

基本的に彼が嬉々として飲みながら、

私は少し唇を濡らす程度。

・・・のつもりだったのだけれど、

やっぱり苦手な中にも美味しいのはあるもので

結局3分の1は飲んでしまった。

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ここまで3軒で少量とはいえ

ビールを15杯程度何も食べずに頂き、

特に度数の強いものをここで入れてしまったので

当然のごとく一気に酔いが回ってしまった模様。

段々と楽しいばかりで記憶が曖昧になってくるけれど

それでも安全に歩き回れるのも

ガイドさんをお願いして良かったことかも。

 

終点となる4軒目は四番通りを西に折れたすぐ先、

NORTE BREWING CO.のビールの飲めるお店。

Norte Brewing

地図には載っているのに何故かたどり着けない

と噂のこの幽霊みたいなバーは、

実は赤い看板の銀行BANNORTEの真横にある

立体駐車場の5階に看板も出さずに隠れている。

隣の行列の出来ているそれらしい店にも惑わされ、

旅行客なら行き着けないのも頷ける。

(その上の階ももう一つ隠れたお店があるらしい。)

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高層階なだけあり大きな窓からはアーチをはじめとして

ティファナ旧市街のきらめく夜景が一望できる

地元の若者たちの秘密の飲み屋さん。

しかしこの時点で私はかなりべろんべろんになっており

あまり詳細な記憶がなくなってきている。

ここでも1人4種のテイスティングを注文。

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数がおかしいのは見た目が似ているため

店員さんもわからなくなり同じのを2度注いでるから。

(それでも正しく注げたかは分からないと言っていた)

ちなみに何を注文したかはわかっていないし

味の説明もしようにも苦いのは少なかったことを

かろうじて覚えているがそれも定かではない。

唯一確かに記憶しているのはフライドポテトの美味しさで、

ディップがトリュフ入りのマヨネーズだったのかな

酔っ払いの頭でも鮮明に舌に焼きついた美味しさでした。

 

結局19時~23時までたっぷり4時間、

4軒の性格の全く違うビールバーに連れて行ってもらい

ここでパティさんとは現地解散。

1人800ペソ(4000円程度)の前払いだった費用には

ガイド代、ビール代も全て含まれていたので

徒歩のツアーにしては高く思えるかもしれないけれど

これだけ片っ端から名産品を試すことができて

ビールの知識と観光のアドバイスを山程もらって、

何よりとっても美味しく楽しい時間を

彼女のおかげで過ごさせてもらったので

品質に対してかなり安くで提供されている

とっても良いツアーに参加できたな、と大満足でした。

 

酔っ払い二人はこの後旧市街の南のは外れにある

大きなタコス屋さんtacos el guero まで1kmほど

お酒の力で火照った体にティファナの冷たく

身を切るような夜風を心地よく浴びながら歩き、

深夜のタコスの禁断の味を十分に堪能してから

ご機嫌で宿まで帰ったのでした。

 

 

 

 

 

day 1010: 舌に支配される感覚。『かきバターを神田で(2019)』

私は食べることがとても好き。

だなんて人生でもう何度自覚しただろう。

 

今朝は少し早く会社に行く必要のあった彼氏が
早起きついでにお弁当を作ってくれた。
ベッドまで届くいい香りに脳が覚醒して
気持ちよく起きられたのはいつぶりだろうか。
手のひらよりも大きく1cmは厚みのある牛肉を
玉ねぎ、ピーマン、ジャガイモ、トマトと合わせ
秘伝の調味料を振って焼いたもの。
悔しいけれど肉を焼くことに関しては
彼の方が私よりも何枚も上手。
新しい環境と山程の覚えることを抱えて
毎晩すぐに眠りこけてしまうくらい疲れている中、
私をたたき起こすでもなく
自分の準備のついでに気を使ってくれたことが嬉しい。
朝からとっても機嫌がいい。


愛情をこめて作ったからね、だなんて

真顔で言えてしまうのが本当にメキシコ人。
私はこの料理に入れる愛情に関しては
ずっとあまりピンときていなかったのだけれど、
先週放送のアニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた。』
にて、手順通りの調理や調味から
食べる相手の好みにレシピを変更することだとか、
相手の体調や状況に合わせた料理を作る行為が
料理に加える愛情なんだと言っていて、
なんだかすっと腑に落ちたような気分。
自分の無意識の行動や気持ちを言語化できると
この上なくいい気持ちになる。


ところでありがたくお弁当をいただこうと
昼休みにトルティージャの包みを解いた時、
ふわっと立ったとうもろこし粉の香りに
わ~、なんていい香りだろう!
と思った自分にびっくり。
タコスはしょっちゅう食べているけれど
完全に挟んである具が食事の目当てで

皮は腹を満たす係と無感情に口にしていたのに、
そのトルティージャ自体を心の底から
こんなに美味しそうだと思う日が来るなんて。
もうすぐ丸三年のメキシコ生活を経て、
私の体にも大分メキシコが染み付いてきたみたい。
これは本当にびっくりで、
でも少し嬉しくもなった。

 


ところで彼が退職をしてからは
昼休みに意外と自由な時間が出来た。
ここのところ読書からすっかり遠退いていたので
これを機にまた少しインプットの時間に当てる。
とはいえ始めからウンベルト・エーコ

読もうとしたら重量感に耐えられなかったので
(気持ちは読みたいが体と集中力が追いつかない。)
こういう時は手軽にエッセイでリハビリをするとする。


食べるのが好きな私は料理をすることも好きだけれど、
料理アニメに料理漫画、料理ドラマ、料理書籍と
料理エンターテイメントも大好き。
とにかく食べ物のことを考えているのが好き。
というわけで手に取ったのは
平松洋子さんの『かきバターを神田で(2019)』。

https://www.amazon.co.jp/かきバターを神田で-文春文庫-下田-昌克/dp/4167913909


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一時帰国の時にふらっと寄った下北沢の
今一何屋さんなのか分からないVillage Vanguard
いくつか買った料理に関する書籍のうちの一冊。
3.11の日私はこのお店の目の前を歩いていて
山積みの商品に押し潰されて死ぬんだと恐怖した
ある意味思い出のスポット。


閑話休題
文体自体はビビット来なかったけれど、
どこに行って、どんなものを食べて、あるいは作って、
美味しかった、美味しくなかったと
それぞれ2,3ページに綴ったこのエッセイ、
ご飯を前にした平松さんが嬉しそうなので
読んでいる私もなんだかウキウキする。
そして時々自分の記憶に重なる光景があると、
驚くほど鮮明にその味や、食べた場所が蘇る。
すっかり記憶の果てに眠っていた
初めて行った12月の寒い寒いベルリンの駅前で
生まれて初めて食べた小さな屋台の

こぼれ落ちそうなほど巨大で熱々で

パリッとしながらと肉汁の滴るしたソーセージと
冷静になれないくらい美味しかったカレーケチャップ。
食べ物と場所の記憶がとても強く結びついている。
お陰で旅行で訪れた場所やクリスマスマーケット、
他の食事に失敗談、色々なことが思い出せた。
具体的な場所や店名も書いてくれているので、
気になったら実際に足を向けられるのも嬉しいところ。
ラマダンの話を読んで一度断食月イスラム国家へ
訪れてみたいなというのはすぐには叶わぬ夢として、
次に日本に帰ったら家族をどこかに連れて行けるだろうかと
読書を通してまた次の帰国の楽しみが増えている。

 

day 1009: カフェテラスでコメディを。

難しい話で頭をフル回転させたお陰で

すっかり思考回路が焼ききれた日曜日の私は

自宅から徒歩3分のケーキ屋さんへ逃げ込む。

こういう時はママ業も休業するに限る。

齢2歳半にして1人でお留守番をできるのが

人間ではなく犬が子供代わりな生活のいいところ。

 

訪れたのはいつものケーキ屋さん

la postreria 77。

www.lapostreria77.com

モンテレイにも幾つかあるチェーン店。

日本人の想像するような繊細なケーキではなく

ここでありつけるのはどっしり重くでこってり甘くて

なおかつサイズも大きく場合によっては

胃もたれするようなアメリカンなケーキ。

けれどここのバナナチーズケーキは

定期的に食べたくなる禁断の美味しさ。

かかっているカヘタCajeta(ヤギ乳のキャラメルソース)

はべらぼうに甘いけれど量は控えめだし、

ベースのチーズケーキ自体は甘味が抑えてあるので

この価格帯のケーキの中ではちゃんと美味しい。

キャラメル、バナナ、くるみという組み合わせも100点。

今日はパッションフルーツ中国茶も併せて。

普通の大きさに見えるけれど

このグラス実は顔くらい大きい。

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モンテレイの家あるあるで、

真夏の強烈な日差しを避けるために

窓は少なめ、北向きに立っていることが多く

例に漏れずそんな構造の我が家は

日中でもあまり日光が入ってこない。

部屋が広いばっかりでなぜか庭も付いておらず

日光浴をする場所がないので、

太陽大好き日焼けを厭わぬ私は

夏は風通しが良く冬は日向が心地よい

開けたテラスのあるこのお店に来てしまう。

 

脳味噌も心も疲弊する記事を書いた後で

こんなところでのんびりと

ずっと見たかった映画『翔んで埼玉』を見て

あまりの面白さに心の中で笑い転げ、

アニメ『映像研には手を出すな』で

愛しの金森さんの一挙手一投足を堪能し、

次に打つ文章をつらつらを考えながら

ぼーっと薄曇りの空を眺めていると

ゆったりとした人生の幸せを感じてしまう。

こうやって自分の脳味噌と延々と

おしゃべりできる時間は本当に楽しい。

 

国自体と同じでここから見える景色も

まだまだ未完成でダメなところだらけだけれど

その分自分で手を加え、頭を使う余地がある。

やっぱり孤独と不便がなければ

人間は創作を止めてしまう気がする。

一人でいるとそのどちらもを心地よく感じる。

そんな優雅なお一人様タイムを3時間程満喫したら

そそくさとママ業、彼女業に戻る。

たまの休みに彼らと過ごす時間も同じく大切なので

少しは頑張って家族サービス。

ひさしぶりのコロッケは相変わらず美味しい。

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休日が終わる寂しさ。

でもいい休日を過ごせると、

月曜日仕事に行くのも楽しみ。

心も体もチャージが完了した音がする。

また体がやる気で満たされる感覚がある。

昔自分で信じていたほど私はすごい人間ではない。

けれど何かを成し遂げようとする革命の炎は

体の中でまだランランと燃えてつづけている。

今は大きな目標は思いつかないけれど、

今日から毎日、どんなに短文でもいいから

文章を人に発信することを目標にしよう。

私はやっぱり日本語の文章が心底好きで、

メキシコでもその楽しみを謳歌できる

この生活が楽しい。

 

day 1008: 11歳児童発砲殺人•自殺事件について『Bowling for Columbine(2002)』

題名からも分かる通り今日は始終は真面目な話。

 

 

元々アニメとジムキャリー以外殆ど映画を見る習慣がない私。

うっかりしていると平気で一月くらい

長編作品を目にすることなく過ごせてしまう。

そんな中今週末はどうしても見たい作品が急浮上。

マイケル・ムーア監督の『Bowling for Columbine(2002)』。

彼の作品の中でもオスカーを取り世界的に有名なものの一つ。

もちろん映画音痴の私はそんなことも知らず、

そもそも芸人の春菜さんの影響で名前こそ知っていたものの

どんな映画を撮る監督かも知らなかったので

(何故かSF映画監督だと思っていた。)

もじゃもじゃで巨大で熊のような可愛い風貌とは裏腹に

ジャーナリスト出身でブッシュ嫌いで有名な

ガチガチの社会派ドキュメンタリー監督と知って驚き。

 

『ボーリング・フォー・コロンバイン』と

邦題も同名のこのドキュメンタリー映画

題名からも分かるように1999年に米国はコロラド州にある

コロンバイン高等学校にて2名の生徒が大量の火器により

13名を殺害し、重軽傷者24名を出し、最後には自殺をした

世界的に有名な学校での銃乱射事件を軸に

米国ではなぜこうも銃による殺人が多いのか

という問題についてインタビューを通して考える作品。

無知な米国人たちを脅し、他人を恐れ銃を持たなければ

安心して生きられないように扇動しているのは誰なのか。

アメリカの奪われ合いの歴史と銃規制に対する国民同士の闘争。

同じく銃国家であるにも関わらず殺人件数がずっと低く

他人を信じて生きていける隣国カナダとの違い。

 

もともとアメリカを嫌い偏見を持って見ている私は

この映画を見ることで半分その気持ちを裏付けし

銃所持に関しては変わらず反対派のままだけれど

自分の視点の見直しが必要だと感じた。

作品を見て思ったのは確固とした自国というものがない分

他人から奪い続け戦争を続けていなければ国を保てない

米国というシステムはやっぱり相当歪んでいると思った。

名目さえ与えてしまえば人殺しも正当化される、

それどころか大正義として扱えてしまうということを

国家が戦争を率先することで人々に表明し続けていることも

無視しがたい深刻な問題だと思うし、

たとえ自らを守るためだとしても銃というのはやっぱり

個人が持つにはあまりに過剰な防衛方法であり、

それを人に向けて行使させている国家は相当病んでいると思う。

短時間でくるくると場面が変わるし、作風もコロコロ変わり

面白いし頭を使わせられ2時間全く飽きなかったけれど、

特に若者の犯罪への煽動者はマリリン・マンソンなのか、

と本人に尋ねに行ったインタビューはよかったなぁ。

過激なエンターテイメントとしてのロックを提供し

何かあれば害悪や異端の象徴とされている彼の方が

十分現実を捉えているし大人としての振る舞いをしていた。

未だに何も解決されていない問題を取り扱っているので

この作品から学べることが沢山あると感じた。おすすめ。

 

で、普段は米国嫌いの私がどうしてこんな

アメリカの社会問題に関して頭を捻らせるような作品を

突発的に見ることになったのかというと、

題名にある通り、この金曜日に北メキシコ

私の住むヌエボレオン州のお隣コアウイラ州

荒野の片田舎の中継都市トレオンで

11歳児童による学校での発砲殺人事件があり

どうやらそれがこの歴史に悪名を残す事件とは

無関係ではないと言われているから。

 

現場は私立の小学校。

登校後朝8時過ぎにトイレに行ったきり男子児童1名が

15分も戻らないことを心配した担任が様子を伺いに行き、

トイレから出てきた児童の隠し持っていた拳銃にて銃殺された。

騒ぎを受けて他の職員が対応したものの

結局2丁の拳銃により児童5人、教師1人が加えて重軽傷を負い

その後に児童は自らを撃ち抜き死亡した。

 

普段から年間犯罪数や殺人事件に関しては

世界的にも大変評判の悪いメキシコだけれど、

このニュースは正直言って国民をとても驚かせた。

だってメキシコで起こる派手な犯罪の殆どは

マフィアが内内での戦争、あるいは報復で

敵対組織、政府やその他関係者を殺すもので、

庶民の犯罪なんて貧困に迫られての泥棒やスリ、強盗など

褒められたものでは全くないけれど大抵は地味でケチなもの。

法律で銃の一般家庭での所持が認められていない国なので

一般人同士の殺人はあれど銃が出てくることなんて滅多にないし、

ましてや子供がそれを行使したなんてのは異常事態。

 

さらにこの事件を追い打ちをかけて大きくしたのは

事件についての発表記者会見の場でコアウイラ州知事が

これは家庭の問題の延長、またゲームの悪影響である

と州の治安状況や教育制度とは全く関係ないことであるかのように

はっきりとコメントし、それが出回ってしまったこと。

 

どうしてゲームのせい、だなんて発言が出たかというと

事件の当日に男児が着用していたTシャツに

『NATURAL SELECTION』という言葉が印刷されていたから。

これがどうも2002年発売の銃撃ゲームのタイトル

(正式には他のゲームの再編番の題名)と同一らしい。

しかし調べてみれば実に簡単な話でこのデザインのTシャツは

ゲームの発売より前から存在している無関係のもので、

これを受けていわゆるゲームオタク中心に

不当にゲームを陥れるなという抗議が膨れ上がっているよう。

アホな政府の頭も使わぬ責任逃れの短絡的発言を

国民が声を上げて非難し抗議できること自体は

とてもいいことだし自治体の成長にとって必要だと思う。

しかし今回そういった声を上げている人の多くは

ゲームや自分の立場を守ることで満足してしまって、

本当は何がこの事件の原因で、どう防げたのかまでが

事件自体から視点がそれてしまったことで

ネット上で活発に議論されていない気がする。

 

そんなNATURAL SELECTION、つまり自然淘汰

と書かれたTシャツについて最も指摘されているのが、

コロンバインの犯人が犯行時に同じ文言の服を着ていたということ。

学校での殺人、銃の使用、という類似性から見ても

彼はこの事件に触発されたのじゃあないかという見方が強い。

という経緯からの映画鑑賞だったんだよね。

 

さて、私はこの事件の問題点は以下の3点だと考える。

 

1、必要異常の知識を得れてしまったこと。

もし本当にこのコロンバインの事件が

児童の鬱屈した衝動の発散方法として

一つの示唆を与えてしまったものだと仮定すると、

ようやくティーンの入り口に立ったばかりの少年が

そんな情報にアクセスできたことは問題ないことだろうか。

彼が物心ついているであろう2017年1月にモンテレイで起きた

中学校での生徒の発砲事件(負傷者のみ)よりも

20年以上も前の事件が影響を与えているというのならば、

そこにインターネットの介在を疑う余地はないのでは。

 

ゲームや映画だったら年齢制限が設けてあることで

親が事前に視聴を禁止することもできるけれど、

子供が携帯を持ちいつどこで使っているかもわからない時代

閲覧規制をかけても有害サイトを排除できるとは限らないし

わざと人にショックを与える情報を垂れ流す人もいる。

このあいだの新宿のミロードデッキでの首吊りだって

記事を読もうと検索をかけたら意図せず画像に行き着き

それもモザイクすらかかってない死体だったから吃驚したよ。

必要以上のものに思いもよらぬ形で出会ってしまう。

インターネットもネットリテラシーの低さも怖いと思ったよ。

 

20代の私が昔はよかったというわけではないけどさ、

でも私が彼くらいの頃は新しいことを知りたい時には

自分で関連書籍を探して、読んで理解する必要があったから

悪いことをするにも頭と根気が必要だったし

書籍というソースはある程度の信頼性を保証されているものだった。

今はあまりにも不確定な情報が頭を使わずに手に入れやすすぎる。

発信者の匿名性の強さ、誰でも発信できる気軽さから

発表物に対する責任感があまりにも薄いことも多い。

間違った情報、意図的な悪意が散らばっていて、

それを理解できる大人には有用かもしれないけれど

どんな子供でも正しく使用できるとは私は思えない。

道具の使い方を理解しないままそれを持たせてしまい、

使い方の間違いを監督責任者が気付けないないことが問題。

使用する子供ではなくて与える大人の問題だよ。

それを理解せず誰もが簡単に大衆に向けて表現できる道具を

発信者、受信者ともに気ままに用いすぎている。

自分も発信者となった今自戒も込め痛感する。

 メディアリテラシー教育の強化が早急に必要。

 

2、犯行を実行できる環境があったこと

絶対に解明しなければいけないのは

どうやって子供が米軍が使用しているような

22口径と40口径の拳銃と弾丸を保護者にも知れず

手に入れることができたのかということ。

どうせマフィア絡みなのはわかってるよ。

でも誰が11歳の子供とマフィアを仲介なんてしてしまったの?

猟銃ですらないんだよ。

獣ではなく明らかに人間に危害を加えるための道具が

11歳の子供の手に渡ってしまった。これは事故じゃない。

家庭の所為、ゲームの所為というよりも先に

コアウイラはそんな状況であることを恥じ、

反省し、マフィアと一般人が距離をおいて共生できるよう

尽力しますというべきではなかったのか?

(私はマフィアを数年で潰そうとするのは無駄な努力だと考える。)

 

11歳なんてカッとしたら暴れ出してもおかしくない。

ある程度は分別がついているべき年齢だけれど

子供が情緒のコントロールを失うのは想定できること。

私が小学校の頃も怒りに我を忘れて三角定規で

友達の太腿を刺し流血騒ぎを起こした子供もいたし

鉛筆、シャーペンなんて凶器でしかない。

机や椅子だって悪ガキに何度も投げられた。

政府が指摘したようにこの子の母親は2年前に亡くなり

父親は出稼ぎに出ていて殆ど会うことができないため

普段は祖父母に育てられていたという。

私立に通えるくらいなら家庭は裕福だったはずだし

学校でも優秀で問題ない生徒だったと言われていても

家庭環境から見えない鬱屈があった可能性はある。

感情の操作を失いやすい状況にあったのかもしれない。

それでも、だとしても、普通は子供の手元に

大人を簡単に殺せてしまう道具なんてそうそうなくて、

だから誰もが頭の中でテロや殺人を考えることはあっても

ほとんどの人が実行せずに、できずに終わるんでしょう。

もし拳銃が手に入らなかったら、それでも彼は

手元にある精一杯の凶器で実行したのだろうか。

教師を殺し、同級生を何人も傷つけることができたのだろうか。

彼の殺人と自殺の責任は、本当に彼だけのものだろうか。

 

3、彼の訴えを聞く耳がなかった。

犯行前に児童は同級生にはグループチャットで

「今日やってやる。」と言っていたそう。

被害者にその子達がいたかは分からないけれど

少なくとも彼は計画を他人に共有することで

異常を伝えていたわけだ。けれど誰にも伝わらなかった。

 

メキシコでは少し前の日本と同じく(今でもか?)

精神衛生というものが非常に軽んじられている。

精神科、心理カウンセラーの看板を街中で滅多に見かけないし

未だに一般的な母親像といえば

精神的な落ち込みは寝たら忘れるわよ、

と持ち前の南国的楽観視と田舎者の丈夫さへの過信、

あとは貧しさもあって精神的な弱体に寄り添う余裕がない。

より広い世界に触れ、信仰的に頼れるものも弱く

急激に環境が複雑化してきた若者世代間と親世代とで

少し心理的な負担に対する溝が出てきている気がする。

 

 

最後にこれはもうお決まりなのだが解決策が間違っている。

政府がすぐ実施を決めたのは登校時の荷物検査。

わかっていた。絶対にこういう対応をするってわかっていた。

コロンバインの時と全く同じ対応。

これでは問題は子供達にあると言っているのと同等ではないか。

コロンバインの頃はペンチを持っていただけで停学になった

だなんて小学生もいたけれど、これで何が防げるのだろうか。

 

気にしないければいけないのはそこじゃない。

子供達に武器を取らせない教育、ケアじゃあないのか?

必要なのは監視ではなく観察ではないのか?

変化が必要なのは子供ではなく大人ではないのか?

 

 

正直なところソースが隠蔽と虚偽でおなじみ

メキシコのニュースが大半なのでどこまでが本当で

何が間違っているのかは判断がつかない。

けれど私がこんなにも日本よりもストレスが少なく

のびのび生きられる、と感じているメキシコでも

たった11歳の子供が殺人を犯し尚且つ自らも死を選ぶほど

追い詰められて生きていたことは確か。

 

彼氏の姪っ子も6歳だてらにもう自分のiPadを使いこなし

1人で毎日YouTubeを見ている。

その中に彼女がまだ見るべきではないものはないか、

少なくとも私は知らない。

同じ長女として彼女が寂しい思いをしないように

甥っ子が生まれてからは特に気はしているけれど

私たちは彼女を正しく導く大人足りえているだろうか。

甘やかすばかりで思考を奪ってしまうことなく、

彼女が大人になるための苦しみや葛藤を抱えた時に

それを自分で乗り越える為の支えや踏み台となれるだろうか。

 

 

ネットの片隅の一発信者として、一大人として、

もう30歳の関だって遠い話ではないのだから

ちゃんと考えながら行動することを習慣づけたいと

幼い子供の死のニュースと

それを手に余らせている大人たちを見て思う。

 

 

ティファナ旅行記2019冬②ティファナ喧騒とアートの旧市街巡り

この旅の他の記事はこちら

ティファナ旅行記2019冬①ティファナに到着 - メキシコでOL、26歳

 

ティファナ旅行2019冬③地ビールの都飲み歩きツアー - メキシコでOL、26歳

 

観光初日はティファナの旧市街を貫くREVOLUCION通りを歩く。

街中のめぼしい観光地はココにあると言っても過言ではない。

まずは簡単な目次

 

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通りの北端、街のシンボルである国境際の

巨大なウェルカムアーチを目指して

私たちは南の八番通りから周遊スタート。

セントロの東西に走る主要な通りは北から順に

番号が振ってあるので分かりやすくて素敵。

 

おもちゃとルチャと馬の博物館

 

さて早速1ブロック進んだ途端に

行けたら行こうかなと思っていた

メキシコのプロレス・ルチャリブレの博物館

『MULLME』を発見。

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Inicio

金、土、日の11時~18時のみの開館

(最終入場は17時)だそうなので

折角なので入ってみることに。

これがまあ予想の3倍は面白かった。

というのも実はこの施設、

分かりづらいのだけれど内部は

二人の収集家の個人的なコレクションを3つに区分した

それぞれ別々の博物館。

 

・1階はあらゆる収集品の博物館MUCOTI

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ここ7~80年間程の古今東西ありとあらゆるものが

簡単に分類分けして展示されている。

まず入り口から最初の間までは

カード類と日用雑貨のコーナー。

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一番興味がわいた旧紙幣は、

今はなき5000ペソや10000ペソ札なんて

桁の大きいものがあるけれど肖像は今でもお馴染みの

革命指導者の顔ぶれだったり。

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特に点数のあった玩具は40~10年前くらいまでの

比較的新しいものが多いようで、

今20代中盤の同僚は見慣れたものが多く

昔を懐かしんでかなり楽しかった様子。

私もポケモン遊戯王カートゥーンネットワークだとか

海の東西は違えど以外としってるものがあって驚き。

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メンコやシール、日本でいう筋肉マン消しゴム的な玩具、

定番のコカコーラの収集から食玩などなど

平成初期までの日本もあんまり変わらなかったよなと

うすらぼんやり幼少期を思い出せそうなきがする。

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反してアメコミヒーローや

トゥームレイダーのコレクションがあるところは

アメリカ大陸らしさだよな、と新鮮味を感じる。

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メキシコ発のヒーロー・カリマンなんてのがいたのも

2人揃ってここで知る。

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・2階はルチャリブレ博物館MULLME

2階へ向かう階段からし

ブロマイドにコミック、チラシだらけ。

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アメコミヒーローの普及していなかった時代には

メキシコではスーパーヒーローと言えば

レスラーたちだったというのがよくわかる。

日本もお相撲さんやプロレスラーが大活躍の

同じ様な時代があったよね。

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二階に着いた途端に目に入るのはリングのレプリカ。

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所狭しと関連グッズや人形、

実際に使われていた衣装にチャンピオンベルト?

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小さくてわかりにくいけれど、

これが全部歴代レスラー達のマスクの模型。

とってもキュート。

それからファンアートに至るまで、

とにかく関係あるものはなんでも並んでいる。

衣装の中には既に乾いて土色の血痕のある服もあってびっくり。

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果ては負けたら覆面をとる、

あるいはマスクなしの場合には髪を剃る、

というルールで行われた試合の敗者たちの

刈られた頭髪のコレクションまで。

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子供人気が高かったのがグッズからよくわかるけれど

こういうのも見るとルチャは楽しいだけではないんだよね

とつくづく思い出させられる。

 

膨大な収集の中でも特に点数が多かったのは

三人の国民的ヒーローのグッズやら商品。

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私でも名前を聞いたことのある彼らは

右からエルサント、ミルマスカラスにブルーデーモン。

日本製のフィギュアも発見。世界的にも有名だったのね。

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エルサントが何故かナチに追いかけられる人形で爆笑。

これは全て千の顔を持つミルマスカラスのマスクの

公募されたデザインの一部だとか。

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他の選手もデザイン性に富んだ衣装や

結構おふざけなマスクが多いので見飽きない。

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・3階はティファナの競馬歴史資料室

下二階層ほど大きな展示ではないけれど、

町にとっては実はここが一番大事な資料の集まる

ティファナの郷土資料館的な場所。

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今では全国に展開し、ティファナのサッカーチーム

ショロスXOLOSの出資者でもあるカジノCalienteは

なにを隠そうこの町から競馬、

そしてドッグレースでのし上がった企業。

今でこそ社長がマフィアと濃いつながりがあるらしく

地元でも嫌われ者の会社になってしまったけれど、

競馬が禁止され、1992年レース場が閉鎖されるまでは

文化、商業的にとても盛り上がり大切にされていたそう。

現在跡地はXOLOSのスタジアムになっているけれど、

その横にあるCalienteの巨大カジノ内では

未だにドッグレースは開催されているそう。

犬にまたがる猿のジョッキーが愛らしい。

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後日の記事ではこのカジノもちょっとだけ覗いてきました。

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ここまで25000点以上の展示をじっくり見て回ったら

あっという間に1時間半経過。大満足でした。

最後に寄ったお手洗いに無造作に置かれていた

道具がどう見ても展示された方が良さそうな

アンティークだったことにもびっくり。

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男性の方もビールのコレクションがあった様で

彼氏は15分近くトイレに立てこもっていたのでした。

そんな感じで特別ティファナ感のある場所ではないけれど

一般的な文化的面白さから、割とおすすめ。

 

旧市街のアートな路地裏散策

さて屋外に戻るとここより北の大通り沿いは

抜ける様に青い空の下どこかカリフォルニアな街並み。

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近所のテキサス沿いの国境地帯はといえば

メキシコ側はメキシコらしくくすんでいて

国境を超えた途端にアメリカのだだっ広い風景へと

びっくりするくらいキッパリと一変するのに、

ここは観光で米国人、米資本が流れ込んでいるから、

景色も雰囲気もなんだかアメリカとメキシコの

合いの子の様でもありどちらとも違う様な感じがして、

アンバランスで独特な雰囲気。

地元のメキシコ人たちの英語がかなーりネイティブ的なのもその所以の一つかも。

ただし走っている車の汚さはまだまだメキシコで

ついでに言えば道すがら警察に身体検査をされる人を

観光地で横目に見ることが出来るのもメキシコ流だし

いたるところにマヤちっくな石像があるのもメキシコ感。

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何よりも所々で見かける名物のゾンキーZonkeyこと、

シマウマ柄に塗られたロバと写真を撮れる

そのお商売の仕方だとか、客の呼び込み方が

まごう事なきメキシコの風。

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しかし一発屋に見えるこのとんでもない客寄せも

もう100年近く続く伝統だってんだから驚き。

一回1000円ほどで以外と良心価格だし、

外国からの観光客ならいい土産話になりそう。

どうりでお客さんも多いわけだ。

街中にもシマウマモチーフがちらほら。

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レボルシオン通りもお土産屋さんに食事処と

どこを歩いても興味をそそられるのだけれど、

時々現れる怪しげで薄暗い小道に入ればより面白い。

ティファナ自体が芸術を振興している都市なので

旧市街の芸術家たちの手で路地裏は壁画でいっぱい。

 

Colectivo 9

は主に食べ物屋さんが集まった短い裏路地で

どん詰まりが屋根なしの飲食スペースになっている。

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ここにもしまうまが生息しているよう。

ちょっと小腹を満たすつもりで期待せずに注文した

tatamiという鉄板焼き屋さんの

焼きタコ、カニの手巻き寿司が

具材もご飯の酢加減もソースもよくて驚きの美味しさ。

1つ50ペソ。

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そこを通り過ぎ、名もない横道で見つけたのは

アメリカのために国境の壁を作らされる

メキシコ人労働者の風刺画。

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Pasaje Gomez

は数ブロック北上した先にある有名どころ。

pasajeというのは横丁、小道、裏道なんて印象の

まさにこの場所にふさわしい様な言葉。

ここは絵画を売っていたり、アート寄りのお店が多い。

コーヒー屋さんが美味しかったな。

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大通りからだとかなり薄暗い路地の

さらに階段を下った先にあるので

うっかりしていると通り過ぎてしまうほど。

地図を要チェック。

観光客向けのお店というよりも

若者が好きを実現させている空間といった趣きなので

雰囲気がのんびりしていてとても居心地がいい。

 

Pasaje Rodriguez

はガイドブックでも一番大きく取り上げられる

一番アーチの近くに位置する有名な横丁。

再開発前の下北沢を彷彿とさせる汚さ、

狭さ、活気、カラフルでアングラな感じ。

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個人の芸術家が雑貨を売っていたり、古物屋さん、

多国籍書店、カフェに地ビール屋さんが軒を連ねて

より実用的なお店が多い印象。

観光でこういった場所を巡ってみたいと思う方は

13時を過ぎないと開店していないお店が多いので

来訪時間にはご注意を。

 

さて、ここまで北上してくれば終点はもう目の前。

アーチの足元にTIJUANAサインを発見。ぱちり。

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空港にも1カ所同じサインがあったな。

ちなみにここまで近づいてしまうと近すぎて

アーチが写真に収まらなくなるので

全体を撮るならばバーガーキングの辺りがちょうどよい。

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切っても切れないアメリカとメキシコの

因縁の繋がりの象徴のひとつ。

 

グアダルーペ大聖堂

ここから西方向カテドラル方面に進めば

再度レストラン、土産物の屋台が100mほど続き、

そこを抜けると途端に観光地の雰囲気が払拭される。

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薄汚いお店、ひと昔前の商品、激安のタコス、

それから喧騒、煙に足場の悪い道。

肌馴染みのあるメキシコ。ちょっと変な人もいた。

めちゃくちゃこわい赤ちゃん人形もあった。

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わずか1ブロックそんな道を歩くと見えてくるのは

夕日が映えるエレガントな教会。

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町の信仰の中心であるグアダルーペ大聖堂は、

喧騒から少し外れた先に静謐として佇んでいる。

観光客も入場可能ながらも

誰も騒がいでおらず中はとてもいい雰囲気。

好みのタイプの教会。

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グアダルーペのマリアといえば褐色。

ここでは装飾もなんだかメキシコらしい。

 

ZONA NORTE娼婦街

ここを通り過ぎてさらに1、2ブロック北進すると

かの有名なZona Norte、いわゆる娼婦街にでる。

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ティファナの街は風俗が合法なので殿方の間では

人気のもうひとつの観光スポット。

怪しげなネオンに照らされた店内から漏れ出る音楽、

隣接するホテルの看板の群れ。

何より立ちんぼさんの多さに

誰でも雰囲気の違う場所だとわかる。

新宿東口やレッドディストリクトともまた違って

もう少し陰惨とした感じがあるのは何故?

それにしてもここはストリプバーhong kong

をはじめとした大きなお店が取り仕切っており、

なおかつ警察もうようよいるので、

ギラギラとした雰囲気やキャッチの多さにしては

かなり安全そうに思える。

女でも声はかけられるけどしつこくないし、

歌舞伎町の方が感じが悪いし面倒臭い。

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かわいいお姉ちゃんのカードをもらって嬉しい。

道ではラティーナ達しかみなかったけれど

各国から客が来るわけだし他の人種も絶対にいるはず。

 

ここでひとつ注意点。

カテドラルの一本後ろの通りに行ってしまうと

ここは本当に危険な場所。

興味本位で立ち入らないでほしい。

ニューハーフ通りらしいのだけれどかなり雰囲気が悪く、

外壁の汚さやゴミの散らかる狭い歩道、

内部まで開けっぴろげの安ホテル、

汚い言葉で怒鳴り散らす人、表情のおかしい人や

身なりのよくない人が話しかけてくるなどなど

普段危険な地区のサインとしているような要素が

見渡す限りに盛りだくさん。

間違えて侵入してしまった私たちは行くか戻るか

立ち止まれもせずに考えながらも深みにハマる。

(危ない場所に間違えて行ってしまった場合、

危険が増すので止まってはいけない。

考えながら動き、判断は早く、が鉄則。)

と、突然道の向こうでパトランプが光ったと思ったら

「警察だ!隠れろ隠れろ!」とドラマ顔負けに

建物から飛び出し叫び始める人がいたので

こりゃあダメだと思い、何か起こる前にと

強張った表情でそそくさと元来た道を戻る。

メキシコに住み始めて早丸3年、

安全でない場所は珍しくはないけれど

ひさしぶりに身の危険を肌に感じる。

 

ところでバハカリフォルニアといえば近隣の

テカテ市やメヒカリ市をはじめ、

アメリカの禁酒法時代に米国人が酒を求め越境してきた

アメリカの一大ビール生産地として有名で、

ことさら近年は地ビールの生産ではティファナは

国内随一の規模を誇る街となっている。

おかげで事前に調べたところ

山の様にオススメ醸造場を見つけてしまい

一体どこへ行ったものかもさっぱり見当がつかず、

思い切って地ビール巡りツアーに申し込んでみる。

今回の記事もずいぶん長くなったので

のんべい冥利に尽きたこの体験は

また次の記事にて。