メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1027: 小麦の都。トレオン名物料理①

 

1週間も待たずにまたトレオン市へとんぼ返り。

何もないと言われがちな北メキシコの中でも

どちらかといえば地味な部類のコアウイラ州

どの町からも車で3、4時間かかるトレオンは

何かと言えば田舎町だと侮られがちだけれど

よく観察してみるととても大事なメキシコの

北の文化の交流点だということがわかる。

前回は芸術の話だったので、

今回は得意な食について。

 

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地理的に北東部のヌエボレオン州と

北西部のチワワ州の丁度中間に位置するこの町は

北部の肉食文化を軸にしながらも

街中で山の民俗タラウマラの人々を見かけたり、

食でもチワワの山岳地帯からの

乳製品の文化が流れ込んでいる。

それに加えて独自に発達したのが小麦文化。

北の乾燥地帯は全体的にトウモロコシ粉と

小麦粉との二刀流の文化圏だけれども、

トレオンはその中でも突出して小麦寄り。

行ったら必ず食べろと言われる食事にも

小麦は絶対に欠かせない。

今日はそのうち3種をご紹介。


・厚焼きタコス:ゴルディタ Gordita

分厚く焼いたトルティジャ生地を開き 中におかずを詰めたこの料理。 

要領はピタパンと同じ。

他の土地での主流はしっとりトウモロコシ皮でも

この町では小麦の皮のパリパリ食感。

ゴルディタデコセドールGordita de Cocedor

と呼ばれる炭火焼のものが中でも大変美味しい。

リンクはモンテレイのゴルディータの一例。

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・腸料理: トリピータス Tripitas

たっぷりの油で揚げたもちもちの腸の料理も

大々的ではないながら多くの地元民に

根強く支持される地元の美味。

近隣在住の私は食文化が似ているので

ほとんど違いがわからないけれど、

他の地域ではあまりない食べ方なのだとか。

牛だか豚がか食道なのかなんなのか

誰も良くわかっていないけれど気にしない。

一度下茹でしたものをサラダ油、

あるいはより旨味を出すためにラードと塩で

グツグツと煮るように揚げただけのものを

小麦のタコスで挟んで食べるのが絶品。

自宅で揚げる際にはかなり油が爆発するので

深めの鍋に軽くフタをしての調理をおすすめ。

でないと私のように台所中油塗れに。

爆竹くらいの音と勢いで爆ぜる中

うかつに火を消しにも近づけない調理は恐怖。

軽くあげればふわふわもちもち、

よくあげればかりかりもっちり。

写真は目を離したすきにカリカリになったもの。

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これだけでもビールの最高のつまみになるし、

トマトで煮ても美味しい天からの贈り物。


・パイ皮: カンペチャーナ Campechana

モンテレイのお店でも売っているのだけれど

トレオンへの道すがら国道で手売っている時だけ

美味しそうに見えてしまう不思議なお菓子。

20~25枚程度で30ペソ。

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見て分かる通りただ甘いぱりぱりのパイの皮。

なので美味しくないはずがない。

街に居ると華美なものを選びがちだけれど

引き算の美味しさも病みつきになる。

カンペチャーナ以外にも

道路で話しかけてくる物売りの人ってしつこいし

もの乞いかと思い身構えてしまうことあるけれど、

果物やお菓子は店舗よりも美味しいものが

結構隠れていることもあるので

時たま運試しに買ってみたくなってしまう。

 

小麦の話は明日に続く。