メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

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ティファナ旅行記2019冬②ティファナ喧騒とアートの旧市街巡り

この旅の他の記事はこちら

ティファナ旅行記2019冬①ティファナに到着 - メキシコでOL、26歳

 

ティファナ旅行2019冬③地ビールの都飲み歩きツアー - メキシコでOL、26歳

 

観光初日はティファナの旧市街を貫くREVOLUCION通りを歩く。

街中のめぼしい観光地はココにあると言っても過言ではない。

まずは簡単な目次

 

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通りの北端、街のシンボルである国境際の

巨大なウェルカムアーチを目指して

私たちは南の八番通りから周遊スタート。

セントロの東西に走る主要な通りは北から順に

番号が振ってあるので分かりやすくて素敵。

 

おもちゃとルチャと馬の博物館

 

さて早速1ブロック進んだ途端に

行けたら行こうかなと思っていた

メキシコのプロレス・ルチャリブレの博物館

『MULLME』を発見。

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Inicio

金、土、日の11時~18時のみの開館

(最終入場は17時)だそうなので

折角なので入ってみることに。

これがまあ予想の3倍は面白かった。

というのも実はこの施設、

分かりづらいのだけれど内部は

二人の収集家の個人的なコレクションを3つに区分した

それぞれ別々の博物館。

 

・1階はあらゆる収集品の博物館MUCOTI

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ここ7~80年間程の古今東西ありとあらゆるものが

簡単に分類分けして展示されている。

まず入り口から最初の間までは

カード類と日用雑貨のコーナー。

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一番興味がわいた旧紙幣は、

今はなき5000ペソや10000ペソ札なんて

桁の大きいものがあるけれど肖像は今でもお馴染みの

革命指導者の顔ぶれだったり。

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特に点数のあった玩具は40~10年前くらいまでの

比較的新しいものが多いようで、

今20代中盤の同僚は見慣れたものが多く

昔を懐かしんでかなり楽しかった様子。

私もポケモン遊戯王カートゥーンネットワークだとか

海の東西は違えど以外としってるものがあって驚き。

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メンコやシール、日本でいう筋肉マン消しゴム的な玩具、

定番のコカコーラの収集から食玩などなど

平成初期までの日本もあんまり変わらなかったよなと

うすらぼんやり幼少期を思い出せそうなきがする。

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反してアメコミヒーローや

トゥームレイダーのコレクションがあるところは

アメリカ大陸らしさだよな、と新鮮味を感じる。

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メキシコ発のヒーロー・カリマンなんてのがいたのも

2人揃ってここで知る。

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・2階はルチャリブレ博物館MULLME

2階へ向かう階段からし

ブロマイドにコミック、チラシだらけ。

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アメコミヒーローの普及していなかった時代には

メキシコではスーパーヒーローと言えば

レスラーたちだったというのがよくわかる。

日本もお相撲さんやプロレスラーが大活躍の

同じ様な時代があったよね。

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二階に着いた途端に目に入るのはリングのレプリカ。

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所狭しと関連グッズや人形、

実際に使われていた衣装にチャンピオンベルト?

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小さくてわかりにくいけれど、

これが全部歴代レスラー達のマスクの模型。

とってもキュート。

それからファンアートに至るまで、

とにかく関係あるものはなんでも並んでいる。

衣装の中には既に乾いて土色の血痕のある服もあってびっくり。

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果ては負けたら覆面をとる、

あるいはマスクなしの場合には髪を剃る、

というルールで行われた試合の敗者たちの

刈られた頭髪のコレクションまで。

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子供人気が高かったのがグッズからよくわかるけれど

こういうのも見るとルチャは楽しいだけではないんだよね

とつくづく思い出させられる。

 

膨大な収集の中でも特に点数が多かったのは

三人の国民的ヒーローのグッズやら商品。

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私でも名前を聞いたことのある彼らは

右からエルサント、ミルマスカラスにブルーデーモン。

日本製のフィギュアも発見。世界的にも有名だったのね。

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エルサントが何故かナチに追いかけられる人形で爆笑。

これは全て千の顔を持つミルマスカラスのマスクの

公募されたデザインの一部だとか。

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他の選手もデザイン性に富んだ衣装や

結構おふざけなマスクが多いので見飽きない。

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・3階はティファナの競馬歴史資料室

下二階層ほど大きな展示ではないけれど、

町にとっては実はここが一番大事な資料の集まる

ティファナの郷土資料館的な場所。

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今では全国に展開し、ティファナのサッカーチーム

ショロスXOLOSの出資者でもあるカジノCalienteは

なにを隠そうこの町から競馬、

そしてドッグレースでのし上がった企業。

今でこそ社長がマフィアと濃いつながりがあるらしく

地元でも嫌われ者の会社になってしまったけれど、

競馬が禁止され、1992年レース場が閉鎖されるまでは

文化、商業的にとても盛り上がり大切にされていたそう。

現在跡地はXOLOSのスタジアムになっているけれど、

その横にあるCalienteの巨大カジノ内では

未だにドッグレースは開催されているそう。

犬にまたがる猿のジョッキーが愛らしい。

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後日の記事ではこのカジノもちょっとだけ覗いてきました。

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ここまで25000点以上の展示をじっくり見て回ったら

あっという間に1時間半経過。大満足でした。

最後に寄ったお手洗いに無造作に置かれていた

道具がどう見ても展示された方が良さそうな

アンティークだったことにもびっくり。

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男性の方もビールのコレクションがあった様で

彼氏は15分近くトイレに立てこもっていたのでした。

そんな感じで特別ティファナ感のある場所ではないけれど

一般的な文化的面白さから、割とおすすめ。

 

旧市街のアートな路地裏散策

さて屋外に戻るとここより北の大通り沿いは

抜ける様に青い空の下どこかカリフォルニアな街並み。

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近所のテキサス沿いの国境地帯はといえば

メキシコ側はメキシコらしくくすんでいて

国境を超えた途端にアメリカのだだっ広い風景へと

びっくりするくらいキッパリと一変するのに、

ここは観光で米国人、米資本が流れ込んでいるから、

景色も雰囲気もなんだかアメリカとメキシコの

合いの子の様でもありどちらとも違う様な感じがして、

アンバランスで独特な雰囲気。

地元のメキシコ人たちの英語がかなーりネイティブ的なのもその所以の一つかも。

ただし走っている車の汚さはまだまだメキシコで

ついでに言えば道すがら警察に身体検査をされる人を

観光地で横目に見ることが出来るのもメキシコ流だし

いたるところにマヤちっくな石像があるのもメキシコ感。

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何よりも所々で見かける名物のゾンキーZonkeyこと、

シマウマ柄に塗られたロバと写真を撮れる

そのお商売の仕方だとか、客の呼び込み方が

まごう事なきメキシコの風。

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しかし一発屋に見えるこのとんでもない客寄せも

もう100年近く続く伝統だってんだから驚き。

一回1000円ほどで以外と良心価格だし、

外国からの観光客ならいい土産話になりそう。

どうりでお客さんも多いわけだ。

街中にもシマウマモチーフがちらほら。

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レボルシオン通りもお土産屋さんに食事処と

どこを歩いても興味をそそられるのだけれど、

時々現れる怪しげで薄暗い小道に入ればより面白い。

ティファナ自体が芸術を振興している都市なので

旧市街の芸術家たちの手で路地裏は壁画でいっぱい。

 

Colectivo 9

は主に食べ物屋さんが集まった短い裏路地で

どん詰まりが屋根なしの飲食スペースになっている。

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ここにもしまうまが生息しているよう。

ちょっと小腹を満たすつもりで期待せずに注文した

tatamiという鉄板焼き屋さんの

焼きタコ、カニの手巻き寿司が

具材もご飯の酢加減もソースもよくて驚きの美味しさ。

1つ50ペソ。

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そこを通り過ぎ、名もない横道で見つけたのは

アメリカのために国境の壁を作らされる

メキシコ人労働者の風刺画。

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Pasaje Gomez

は数ブロック北上した先にある有名どころ。

pasajeというのは横丁、小道、裏道なんて印象の

まさにこの場所にふさわしい様な言葉。

ここは絵画を売っていたり、アート寄りのお店が多い。

コーヒー屋さんが美味しかったな。

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大通りからだとかなり薄暗い路地の

さらに階段を下った先にあるので

うっかりしていると通り過ぎてしまうほど。

地図を要チェック。

観光客向けのお店というよりも

若者が好きを実現させている空間といった趣きなので

雰囲気がのんびりしていてとても居心地がいい。

 

Pasaje Rodriguez

はガイドブックでも一番大きく取り上げられる

一番アーチの近くに位置する有名な横丁。

再開発前の下北沢を彷彿とさせる汚さ、

狭さ、活気、カラフルでアングラな感じ。

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個人の芸術家が雑貨を売っていたり、古物屋さん、

多国籍書店、カフェに地ビール屋さんが軒を連ねて

より実用的なお店が多い印象。

観光でこういった場所を巡ってみたいと思う方は

13時を過ぎないと開店していないお店が多いので

来訪時間にはご注意を。

 

さて、ここまで北上してくれば終点はもう目の前。

アーチの足元にTIJUANAサインを発見。ぱちり。

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空港にも1カ所同じサインがあったな。

ちなみにここまで近づいてしまうと近すぎて

アーチが写真に収まらなくなるので

全体を撮るならばバーガーキングの辺りがちょうどよい。

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切っても切れないアメリカとメキシコの

因縁の繋がりの象徴のひとつ。

 

グアダルーペ大聖堂

ここから西方向カテドラル方面に進めば

再度レストラン、土産物の屋台が100mほど続き、

そこを抜けると途端に観光地の雰囲気が払拭される。

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薄汚いお店、ひと昔前の商品、激安のタコス、

それから喧騒、煙に足場の悪い道。

肌馴染みのあるメキシコ。ちょっと変な人もいた。

めちゃくちゃこわい赤ちゃん人形もあった。

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わずか1ブロックそんな道を歩くと見えてくるのは

夕日が映えるエレガントな教会。

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町の信仰の中心であるグアダルーペ大聖堂は、

喧騒から少し外れた先に静謐として佇んでいる。

観光客も入場可能ながらも

誰も騒がいでおらず中はとてもいい雰囲気。

好みのタイプの教会。

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グアダルーペのマリアといえば褐色。

ここでは装飾もなんだかメキシコらしい。

 

ZONA NORTE娼婦街

ここを通り過ぎてさらに1、2ブロック北進すると

かの有名なZona Norte、いわゆる娼婦街にでる。

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ティファナの街は風俗が合法なので殿方の間では

人気のもうひとつの観光スポット。

怪しげなネオンに照らされた店内から漏れ出る音楽、

隣接するホテルの看板の群れ。

何より立ちんぼさんの多さに

誰でも雰囲気の違う場所だとわかる。

新宿東口やレッドディストリクトともまた違って

もう少し陰惨とした感じがあるのは何故?

それにしてもここはストリプバーhong kong

をはじめとした大きなお店が取り仕切っており、

なおかつ警察もうようよいるので、

ギラギラとした雰囲気やキャッチの多さにしては

かなり安全そうに思える。

女でも声はかけられるけどしつこくないし、

歌舞伎町の方が感じが悪いし面倒臭い。

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かわいいお姉ちゃんのカードをもらって嬉しい。

道ではラティーナ達しかみなかったけれど

各国から客が来るわけだし他の人種も絶対にいるはず。

 

ここでひとつ注意点。

カテドラルの一本後ろの通りに行ってしまうと

ここは本当に危険な場所。

興味本位で立ち入らないでほしい。

ニューハーフ通りらしいのだけれどかなり雰囲気が悪く、

外壁の汚さやゴミの散らかる狭い歩道、

内部まで開けっぴろげの安ホテル、

汚い言葉で怒鳴り散らす人、表情のおかしい人や

身なりのよくない人が話しかけてくるなどなど

普段危険な地区のサインとしているような要素が

見渡す限りに盛りだくさん。

間違えて侵入してしまった私たちは行くか戻るか

立ち止まれもせずに考えながらも深みにハマる。

(危ない場所に間違えて行ってしまった場合、

危険が増すので止まってはいけない。

考えながら動き、判断は早く、が鉄則。)

と、突然道の向こうでパトランプが光ったと思ったら

「警察だ!隠れろ隠れろ!」とドラマ顔負けに

建物から飛び出し叫び始める人がいたので

こりゃあダメだと思い、何か起こる前にと

強張った表情でそそくさと元来た道を戻る。

メキシコに住み始めて早丸3年、

安全でない場所は珍しくはないけれど

ひさしぶりに身の危険を肌に感じる。

 

ところでバハカリフォルニアといえば近隣の

テカテ市やメヒカリ市をはじめ、

アメリカの禁酒法時代に米国人が酒を求め越境してきた

アメリカの一大ビール生産地として有名で、

ことさら近年は地ビールの生産ではティファナは

国内随一の規模を誇る街となっている。

おかげで事前に調べたところ

山の様にオススメ醸造場を見つけてしまい

一体どこへ行ったものかもさっぱり見当がつかず、

思い切って地ビール巡りツアーに申し込んでみる。

今回の記事もずいぶん長くなったので

のんべい冥利に尽きたこの体験は

また次の記事にて。