先週から続いている雨のおかげで
一気に気温が15度以上も下がってしまって
真夏の国モンテレイの住人たちは
室内ですらコートを着て丸まっている。
もちろん夏女で晴れ女の私も例に漏れず。
こんな時こそ熱いものと辛いものの話でもして
脳みそから温まらねば。
というわけで昨日の続き。
昨日の記事はこちら
本格ベトナム料理、2品目に出てきたのは
これまた代表的なベトナム料理、フォー。
¨Pho¨licioso、とお店の名前にも冠されている通り
前身の屋台時代からこのお店の看板を貼る名物料理。
スープ、麺、豚、薬味のシンプルな見た目とは裏腹に
一口麺を噛みしめると口の中に異国が広がる。
説明をしてくれるお兄さんも饒舌になる自信作は
きっと家では再現できない特別な味。
豚と野菜を何時間も煮詰めたスープは
そんな豊満な香りで味わい深くもベースはあっさり。
もやしのシャキシャキ感と相まって軽快に食が進む。
少しだけ散りばめられたパクチーが
時たまアクセントとして飛び込んでくるのも飽きがこないし
しっとり柔らかく煮た豚肉が味わい深い。
間髪を入れずに出てきたお次の品はスパイシーの権化。
ユカ・タロ芋の豚カレー。
インドカレーに近いサラサラさとガツンとくる辛さ。
カレーなのにどこかやっぱりアジア料理の香りがする
なんだかミステリアスで奥ゆかしい味。
2、3口食べただけで火を吹きそうなほど刺激的なのに、
レモングラスティの爽やかさと甘さで息を吹き返したら
もう一口頑張りたくなるこの美味しさは何?
ユカ、つまりキャッサバは南瓜かサツマイモのようで、
ほんのりとその甘みに舌が救われる。
カレーに薬味としてネギを乗せる
というのは私にはない発想だったのだけれど、
食べてみると不思議とすんなり受け入れられる組み合わせ。
舌触りはあまりよくないけれどそのまま食べて大丈夫。
ご飯はカリフォルニア米なのかな?
日本のものに近くパサパサしていなくて嬉しい。
普段ならここれだけ食べればお腹いっぱいになりそうなものの
久々のちゃんとしたベトナム料理の美味しさと
一皿ずつタイプの違う香辛料に刺激されて
私たちの胃袋はまだまだ余力を残している。
そこで出てきたのがこちら、鶏もものレモングラス焼き。
いや~おっきい。
前言撤回。一瞬食べきれないかも、とひるむほど大きい。
おそるおそる身をつまんでみたところ、
箸で簡単にほぐせるほどほろほろの身。
口に運んで最初に襲ってくるのは
カリッと焼き上げられた皮目のジューシーな美味しさと
たっぷり塗られた甘みダレの強烈な美味しさ。
それから内側の身はなんてしっとりしているのだろう。
上等な七面鳥の100倍はしっとりしている。
かなり分厚い身にも関わらずどこを食べても
余すところなくほんのりとタレが染み渡っている。
マリネをしてから蒸し、焼いているのだろうか。
一朝一夕、当てずっぽうでは作れない
経験のなせる味、とでも言えばいいのかしら。
誰でも作れる美味しさじゃあないと思う。
添えてあるナンプラーとスイートチリを混ぜたような
甘めのソースをつけても美味しいし
生春巻きのピーナツだれをつけても美味しい。
なんだこれ、どこをどう食べても美味しい。
これが一番美味しいね、と満場一致の大満足。
2人で4品たっぷりいただいてさすがに満腹。
まだまだパン料理だとか気になるメニューもあったけれど
また次回のお楽しみにとっておこう。
学生街の近くなだけあって
どれも量がたっぷりなのに安価だし、
メキシコ人の味覚に寄せてない硬派な本格派は
きっとアジア料理好きの日本人の求めている味なはず。
お手洗いはお店の外側にあるのだけれど
ここもとっても綺麗にしてあったとのことなので、
そういう意味でも日本人でも安心して満足できる
100点満点のお店でした。