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高速バスでエンセナダEnsenadaに行こう!
本日はティファナから沿岸を南に1時間半、
小さな港町エンセナダ市が観光の目的地。
早朝の高速バスで出発予定だったため
普段は寝起きが悪い大魔王の私でも
お酒をたらふく飲んだ次の日ばかりは
ばかにしゃっきりと目がさめる。
代わりにぶくぶくにむくんだ顔と体を引きずって
本日は早朝7時、街の北端のバスターミナル
Centro Autobus ABC la Lineaへ向かう。
ここはティファナの中心街に2箇所ある
ABC社の高速バス乗り場の小さい方。
こちらの方が観光地から10分ほどとより近い。
発車10分前到着でもさすが地元の小さなバス停
特に問題なく乗車券を購入。
1人210ペソ。1200円ほど。
モンテレイなどの大きなバスターミナルだと
高速バスは15分以上前までの購入、
だなんてルールが時たまあるのでご注意を。
ここはおそらく夏の観光シーズンでもなければ
早朝の客の入りはかなりガラガラのよう。
ちなみにこれがこのバス停からの
2019年末時点の時刻表。
左側がティファナからの出発時刻、
右側がティファナ行きの出発時刻。
もう一つのバス停発着だともう少し本数がある。
Central de Autobuses de Tijuanaという停留所。
所在地は以下のGoogle Mapsの通りで少し郊外。
https://goo.gl/maps/qoNP1Pn6d1cff5p98
さて予定時刻を少し過ぎてから到着したバスは
蟻の触覚のようなライトが生えた大型バスで
非常にチャーミングなフォルム。
安い料金にもかかわらず座席は広くふかふか、
メキシコ人の豊満な体型にこの時ばかりは感謝。
フットレストもあるのでまさに快適尽くし。
昨夜の帰宅が遅かったのもあって道中は
寝て体力回復に当てよう思っていたのだけれど、
出発してすぐに飛び込んできた光景のおかげで
うかうか寝ているわけにもいかない。
目の前に延々と見上げる高さのオレンジ色の柵。
これがかの有名な国境の壁。
メキシコ側の一列とアメリカ側の一列で
二重構造になっているように見える。
その間の何十mかが遠くから道のように見えて、
うねうねとした山の起伏の中では
万里の長城を思い出す形状。
10分も走り海岸線で壁が途切れたと思ったら
今度は朝の濃い群青色の太平洋が
視界いっぱいを占領する。
雨の予報はどこに行ってしまったのか
晴天の日の下の海面はキラキラと眩しく、
普段山に囲まれてばかりの私たちは
この光景だけで心が大きく飛び上がる。
途中のリゾート地Rosarito市まで海沿いに
やしの木と軒を連ねる家々はどれもかなり大きく、
三角屋根からアメリカ人の持ち物だと伺える。
ずっと同じと言えば同じ海を横目にバスは爆走。
途中地図とにらめっこをしていたら
SALSIPUEDES湾
という名前を発見して大笑い。
直訳すれば「出れるもんなら出てみろ湾」。
おそらく太平洋に面した外海の波の高さから
船を出しにくいスポット故の名付けだろうけれど
そのあまりのも実直なセンスに脱帽。
7時半に出発たバスは8時45分には目的地へ到着。
聞いていた所要時間よりだいぶ早いが
この国でこれを気にしていたらきりがない。
命つきで目的地に着けたのならそれでいいのだ。
話に小さな街だとは聞いていたけれど、
彼氏の実家のある農村に慣れた私からしても
観光地から外れた地区はとにかくど田舎の風景。
だだっ広さ、もののなさ、道の悪さ!
とっても好奇心をそそられる街並み。
ブファドーラにもバスで行こう!
なのだけれど、観光はひとまず置いておいて
実はこの日のメインの観光はここではなく
ここよりもっと南の岬。
事前にツアーやタクシーを確認したものの
あまり良さそうなものが見つからなかったので
道を歩いていたおじいちゃんへの聞き込みの結果
路線バスを乗り継いで行くことに。
車で45分ほどの道のりとのことだけれど
バスだと途中で乗りついで2本で着けるらしい。
15分に1本のバスで先ず目指すは中継地点
マネアデロスManeaderos。
1人14ペソで明日にでも廃車になりそうな
おそろしいガタガタ具合のバスに飛びのる。
外見はまさに思い描いていたアメリカの古いバス、
といった様相でとっても可愛い!
内部に英語表記も見かけたので
実際に払い下げなのかな。
お尻の飛び跳ねるような道を30分ほど頑張り、
停車ベルが効かないので
「バハンBAJAN!」
と叫んでスーパーCalimaxで降ろしてもらう。
ここが乗り換え地点。
大きなお店なのですぐにわかる。
タイミングよく目的地行きが来たので
次のバスにも飛び乗る。
今度は1人18ペソでここからは本当の田舎道。
モンテレイの南部を思い出すような
なだらかな山並みの下農家とビニールハウス
それだけが並ぶ道を10分も走っていると
突然目の前に青い風景が開ける。
狭い入り江のために対岸が近く、
一瞬湖かと錯覚したけれど、海だ。
ブファドーラ間欠泉と買い物小道
ティファナからは2時間程のこの小さな岬。
ここにあるラブファドーラLa Bufadoraとは
ハワイにあるものに次いで世界で二番目に大きな
熱水噴射口、つまりは海洋間欠泉なのだそうで、
世界的にもとっても珍しい観光スポット。
間欠泉というと蒸気が吹き出る地面の割れ目、
なんて曖昧なテレビで知っただけの知識の私は
どうしても本物が見たくなり、
彼氏の大賛成もあって今回足を伸ばしたわけ。
岬のウェルカムゲートをくぐってバスは停車。
観光バスや一般車両もここまでのよう。
ここから先実際に間欠泉の覗ける位置までは
500m人生で目にしたことがないくらいぎっしりと
おみやげ屋さんばかりが並ぶ賑やかな一本道。
これを最初に見ていたらきりがないので
見て回るのは最後にしようねと誓い合い
覚悟を決めて踏み出したのに、
一軒目のドリンクスタンドで「美味しいから!」
の推しに負け、試飲をしてしまったが最後
いきなりパイナプル丸々一個を容器代わりにした
巨大なピニャコラーダをお買い上げ。
こんなにモリモリで100ペソなり。
このお店【The Blind Man】では
味も風味も濃厚。確かに美味しい。
また帰りにもう一杯入れてあげるからね~
とニコニコのおじさんに手を振られながら
今度こそ決意を固くした私たちは
200m先で海鮮の炭焼きの誘惑に勝てず
あっという間に腰を下ろしてしまうのであった。
大きさアサリのような二枚貝とたっぷりのエビ、
玉ねぎ、パクチー、そしてチーズがどろり。
これにハバネロソースをかける幸せと言ったら。
貝1つ分で150ペソ。
目の前に広がる真っ青でキラキラの海、
いたるところにいるマリアチおじさんの歌声、
暑い日差しに焼きたての海の幸の美味しさ。
路面販売は香りもさながら
一旦店が途切れる位置にあるので
通り掛かりにすぐにわかるはず。
さて、早く着いた余裕もあって
なんだ思っていたほど混んでないじゃない
と思っていたら舌鼓を打っている間に
どんどんと見えなくなる海原。
11時を前にして団体さんが到着ちゃったみたい。
振り返れば今来た道はは原宿竹下通りの様相で
行く先、間欠泉の前も黒山の人だかり。
しまった。後手後手。
とはいえ今回スケジュールも厳しくない旅なので
目が痛いほど輝く海を眺めて待機。
岩場にはカモメが多くて面白い。
ツアーで来ると滞在時間が短いことが多く
混雑や潮の調子で噴水が見れないこともある
と聞くので、ぶっつけ本番でも
路線バスの旅をして良かったなと思う。
人々の歓声を耳にしながら待つこと20分ほど、
ついに奥の方のかぶりつきが空いたので進み出る。
手前側からも覗いている人だかりがあるけれど
間欠泉自体が少し内側にあるので、
ほぼ真上から身を乗り出さないと海面までは見えない。
どうせ並ぶならできるだけ奥を狙うのがおすすめ。
海がこう見える位置が完璧。
真下に噴射口がある。
並んでいる時から思っていたけれど
この場所なんだかごろごろ、ごろごろと
低いい地響きのような重い音が鳴ってやまない。
実際に海面を見てみるとその答えがよくわかる。
音に合わせて水面がズルズルと動いてゆく。
原理はよく知らないけれど、
きっと海底で大きな力がうごめいているんだと
わくわくさせるような体に響く音。
それが時折フシューっという音に合わせて1、2m
水しぶきが真上に上がる。これが噂の噴水ね。
派手ではないけれど心地よい音と振動、
飽きることのない波間の変化に見とれてしまう。
と、突然明らかに波の動きが異様になる。
海中に水が引き込まれるように
まるで極小の鳴門の渦潮のうねりがいくつも現れ
水面に大きな泡の塊が不自然に集まり始める。
地響きも一瞬ごとに強くなる。
なんだなんだと思ったら、
バシュッとすごい音をさせて
次の瞬間には目の前が飛沫て真っ白。
崖の上から海面を見つめている私たちが
仰ぎ見る高さまで優に30mは超える大噴射。
こんなのもう一同大歓声。
自然現象を見てこんなに嬉しいことあったかな
というくらい大人げないほどの大興奮。
信じられない、ありえない、こんなの面白すぎる
あっという間に思えたけれど、もしかしたら
かなり長い間そんな不思議な光景に
かじりついていたのかもしれない。
早く見たいとぐずる小さい子供の声を聞いて
ふと我に替えり大人は退散する。
展望台でのんびり昼食。レストラン【Blanquita】
Ensenadaサインを通り過ぎ
マヤの戦士のコスプレゾーンを横切り、
戻る道すがらにはモンテレイではなかなか見ない
民芸品にキョロキョロと忙しい。
布製品から木工、タラベラ焼きと
ここには一通りのメキシコ民芸が揃ってる。
行きがけに寄った炭焼きの脇の階段を上ると
何も遮ることなく海が一望できる展望台へ。
かなりの高さなのに柵などはないのでご注意。
向こうに島も何も見えない。太平洋は広い。
ここも奥の方まで行くと間欠泉と崖から突き出た
人々の熱心な頭を覗き見ることができる。
混雑が苦手ならここからでもいいかもしれない。
早朝から動いていたためか
ここらで空腹が限界になったので
そのまま降り掛けにレストランBlanquitaの展望席へ。
息の炭焼きと同じお店。
簡単なプラスチックの机と椅子でも
この景色を前にするとなんだか特別なように感じる。
席に着いたら早々にトトポのセットのお出まし。
海鮮のタコスといえばサラダ。
一緒に出てきた山盛たっぷりの野菜はそのため。
バハカリフォルニア名物
白身魚のフライのタコスは特に
山盛りにキャベツやトマトをのせてから
マヨネーズをかけて食べるのが大好き。
南のロスカボスで教えてもらったこの土地の食べ方。
それから今回の旅の目玉の一つがこれ!
生牡蠣!
エンセナダといえば生牡蠣!
おいしそ~美味しかった~!
メキシコ流はライムを絞っただけでつるり。
日本ではほとんど食べたいと思わなかったのに
海から極端に離れて暮らすとなんでも恋しくなる。
アメリカ大陸の牡蠣は当たりにくいというし、
エビと幾つかの貝類のアレルギーがある私は
いつか食べられなくなる日のために
今日たっぷりと食べておく。
内陸生まれ山間部育ちの彼氏は初のオイスター。
もともと魚介は好きなので悪くはないと言いつつ
結構強烈な味だねと1つつまんで
今回の挑戦は終了。
それからも景色やお店をゆっくり見ながら歩いて、
ここでも偽シマウマを発見して、
40分に一本の路線バスを捕まえて再び
Maneaderoを経由し帰路へつく。
目玉の間欠泉一本のこの小さな観光地を
たっぷり5時間飽きもせずに楽しめてしまった。
人は自然に魅せられる。生を感じる土地だった。
いつの日かもし子供を持つ日が来たのならば
これは絶対に見せに来なければいけない経験だ
と私は心底感じた。