先日のお弁当ではないけれど、
この頃のモンテレイは全体的に
外食のレベルがどうも上がっている。
私が来た頃はもっと食べられたあもんじゃないものが
今よりそこら中で平気で高値で提供されていたのに、
メキシコ料理やヨーロッパ料理だけではなくて
台湾料理に韓国料理、日本料理のどれも
お金さえ出せばまあきちんとしたものが食べられる。
これで満足。
できればいいのだけれど、食欲というものは
いつになっても留まるところを知らない。
東南アジア料理が食べたい。
旧市街Barrio Antiguoにあるタイ料理屋さん
【Thai Thai】があまり好みではなく
しばらくは諦めていたのだけれど、
新しくお店を見つけたのでもう一度だけ挑戦。
それがベトナム料理【Pholicioso】。
一言で言えば、もう、大ファンになった。
モンテレイ南部はGarza Sada通り、
TEC大学のすぐ裏の住宅街にひそりと佇むこのお店
確かに真新しい看板が煌々と輝いているけれど、
外観は店舗というよりもバラック風で
タクシーを降りる前に一瞬躊躇してしまう。
夜8時前。辺りも暗いし、音もない。
本当に営業してるのかしら。
あ、でもよく見ると扉に営業中の文字。
営業時間的にも開店してそう。
友人と二人恐る恐る入り口に寄った途端、
ふわりと異国の香りが鼻に抜ける。
顔を見合わせてしまうほどのかぐわしさ。
途端にわくわくしてくる。
そっと扉を開けると、ああこれ、
屋台の名も知らぬ香辛料の入り乱れた空気。
本日の勝利を確認して心でガッツポーズ。
外見の頼りなさとは裏腹に
4人掛けのテーブル5席に2人掛けが3つの店内は
とても清潔で、音楽が控えめに流れ、
とてもきちんとしている、という印象。
ベトナムの風景や編笠が飾ってあるのも素敵だけど、
充満する香りだけで十分に気分はベトナム。
この日お店を切り盛りしていたのは
ホールとキッチンそれぞれお兄さん一人づつ。
地理的にTEC大学のいろいろな国の学生や
近隣の韓国人のお客さんがよく来るらしく、
日本人でもそつなくとても丁寧に接客をしてくれる。
それから最後に子猫の店員さんも登場。
手を伸ばせば寄ってくるほど人懐っこいけれど
相手にしなければどこかに行くちょうど良い距離感。
日本だと衛生面から言語道断だけれど、
メキシコって動物を店内に飼っている飲食店が多い。
そんな感想はさておき、
お腹を限界まで空かしてきた私たちの目には
どのメニューも美味しく見えてしょうがない。
ので手当たり次第に注文。
お酒は置いていないお店のようなので
レモングラスのお茶を注文。
レモンの爽やかさはあれど酸味はなく、
なんだかレモンキャンディのような可愛い味。
いえば砂糖抜きにもしてくれるそう。
メキシコで甘くないお茶が飲めるなんて
それだけでも感動!
ちょうどお客さんがいない時間だったので
注文した料理も続々出てくる。
まずは生春巻き。
ベトナムと言ったらこれよね。
両手で持って調度良いメキシカンサイズの中には
麺、もやし、レタス、キュウリ、味付きの豚肉、
さらにこれでもかと肉厚のエビがたっぷり。
もっちもちのライスペーパーに包まれた幸せ。
豚の甘塩っぱい味付けがたまらなく完璧に美味しい。
ソースも香ばしいピーナツベースの甘みだれ。
学生の頃ベトナム人の友人の実家で頂いた味。
ああ懐かしいなぁと思える味。
自分で本格をうたってるだけある。
これはもう、絶品という他ない。
こんなものを一品目に出されたら
早く他の料理も試したくてうずうずしてしまって、
味わいたいのになんだか急いで食べたくなるような。
完全に美味しさに踊らされている。
まだまだこの後に続く絶品の数々、
その感動も早く伝えたいのだけれど
今日はどうしても眠くて仕方がないので
続きの3品はまた明日の記事で。