メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1226: 赤い宝石アジェンデの濃厚田舎たまご!

今日は前回触れたおいしい卵の話。

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1.海外で生卵は食べられる?

 

海外に住む日本人がよく悩まされているのが

卵かけご飯が食べたいという願望と、

サルモネラ菌での食中毒との板挟み。

ご存知の方がほとんどだとは思うけれど、

生食を前提として殺菌処理をしている日本と違い、

卵の調理は火を通して、が主流の諸外国では

殻に菌がたっぷり残ったままの出荷が多く

海外で卵の生食をして食中毒になった

という話をそれはよく耳にする。

 

かくいう私は大のゆで卵党だけれど

それでも時々思い立っては

卵かけご飯をしてみたり、

うどんに生卵を落としてみたり、

すき焼きに卵を絡めてみたりと

ふと食べてみようかなと思う瞬間はある。

 

在墨4年間の対生卵戦通算成績は勝率9割5分。

スーパーで買ってから日が経った卵も

特に考えなしに生食しているけれど、

ここまでで当たったのは一回きり。

それも殻が入ってしまったのに

取り除いて食べちゃったのが原因だったのよね。

食中毒の原因菌は殻についている場合がほとんど

と聞くので、そりゃあ腹痛も起こすよと

自分の食欲にあきれるばかり。

 

ちなみに友人が調べてくれて

一度試した生卵を食べるための調理法もある。

速攻ゆで卵とでも名付けられようか。

以下手順

 

比較的!安全な生卵の作り方

・小さい鍋でぐつぐつにお湯を沸かし

・そこへ殻ごと生卵を投入

※すぐに取り出せるようお玉に乗せて茹でる

※卵は必ず全面完全にお湯につけること

・1分茹でたらざるに取り出す

・火が通るのを抑えるために冷や水をかける

 

サルモネラ菌は100°cで10分間加熱で全滅する

というような話も聞いたことがあるので

1分じゃ気休めの域は出ないとは思うけれど

これでリスク軽減生卵の完成?

あとは普通に割って食べるだけ。

どうしても内部も加熱してしまうので

殻の内側にはほんのうすーく温泉卵のように

ゆるく固まった白身が残ってしまうけれど

黄身と白身の大半は生のまま。

常温よりも冷蔵庫から出したての方が

内部への熱の通りが緩くなるので

多少いいんじゃないかしら。

 

ただしこれで対処できるのは殻に付着した菌のみで、

卵の内部、可食部が汚染されている場合には

この方法は全くの無効となるので悪しからず。

病院に担ぎ込まれた際には

Comí huevo crudo コミィ ウエボクルド

生卵を食べました

と言えれば最適な処置を受けられるはず。

 

 

2.メキシコと日本の卵は違う?

 

卵といえばこちらで暮らし始めて驚いたのが、

1パック30個入りが基本なこと。

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卵料理が朝ごはんの定番であり、

加えて4、5人兄弟もまだ珍しくない

大家族文化なのが主にこの理由かな?

2人暮らしの我が家でも朝食で一人卵三つ分の

炒り卵のタコスを作っていると

これだけあってもなんと半月持たない。

卵は一日一つまでと育てられてきたけれど

大丈夫なのかしらと30を手前に心配になる。

 

ちなみに10個入りパックも普通に売っているし、

売店ではグラムや個数指定でも売ってるので

一人暮らしでも持て余す心配はなく安心。

 

不便なのは殻が薄くてかなり脆いこと。

日本の卵のつるっとした表面で

パキッと割れるとすると、

こちらの卵の殻はなんだかざらっとしていて、

シャリ、クシャリと崩れるように割れて

結構頻繁に料理に混入しまう。

(あるいは私の腕が悪い?)

まるで違う生き物の卵みたい。

 

3つ目に決定的な違いとしては

リスクを冒して生卵を食べても

餌の違いか環境の違いが、

安い卵は値段なりに味が薄いこと。

黄身がかなり黄色っぽいのが関係あるのかしら?

 

3.メキシコで絶品新鮮卵を食べる!

 

というわけで、

たまには日本人の生卵欲を癒して余りある

絶品新鮮たまごが食べたい・・・!

と買い求めたのが今回の題名でもある

アジェンデ市の大自然の中での暮らす

元気たっぷりの放牧鶏の卵!

モンテレイで台所を預かるメキシコ人なら

誰もがその評判を耳にしたことがある

日常の中の手の届く贅沢品。

 

この町はスーパーでも特記して取り扱うほど

養鶏の名産地として有名なのよね。

普通の卵よりちょっとお高い。

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しかしいっちばん美味しいのはやっぱり

産地で購入したその日の生みたて!

というわけで先日のアジェンデ訪問帰りに

道の脇で買ってきました噂の卵。

Huevo Ranchero ウエボランチェロ 田舎卵

Huevo de Allende ウエボデアジェンデ アジェンデの卵

と書いてあるのが大抵目印。

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10個で45ペソ。普通の倍は高いかな。その分ずっしりとした重さに期待大。

日本で言うLサイズの卵と比べてみても

つやつやの薄紅色の殻は2回りは大きくて、

なんと1つ100g!

と言うことは10個で1kgもあったの?

何故か全て黄身が双子なのも売りなので、

単純計算で内容量が普通の卵の2倍ね。

 

早速暖かいうどんに生のまま落として実食。

大きくて立体感のある赤みがかった黄身を

崩して絡めたおうどんを一口食べたとたんに

いわゆるすっごく濃厚で主張の強い味。

なにこれ美味しい~!

お出汁がかかっていなくても

うどんと卵だけで食べられてしまう美味しさ。

こーれは生卵にはまるのも頷けるわ。

と一瞬で生卵党傘下に引き込まれる美味。


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卵かけご飯もこの艶々でぷっくらとした

見た目がすでに美味しすぎる。

(やっぱり殻が柔らかく黄身が割れてしまった)

醤油を垂らすだけで、

これこれ、待ってた卵味!

 

そうは言っても卵は卵なので

食中毒を起こさない保証はどこにもないけれど

病院行きを覚悟してでも抗えない

生卵って魅惑の珍味だったのね。

 

というわけでまだまだ隔離が続くモンテレイ

出かけ先が限られる今だからこそ

秋晴れの下濃い緑を抜けてドライブをするのは

きっととっても気持ちがいいので、

ぜひアジェンデの卵を買いに

ひとっ走りしてきてほしい。