メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1138: 懐かし夏の氷菓子。メキシコのチューペット?

家から全く出ず座り仕事ばかりしていたお陰で

見事にぎっくり腰になった、との連絡が

同世代の友人からあり背筋が凍る。

30代に入ったらそんな日も来るのだろう

と覚悟はしていたつもりだけれど、

体を動かさないと20代でも油断はできないのね。

というわけで恐怖を糧に重い腰を上げ

私もそうならないうちに筋トレに励む。

 

しっかしこの気温と湿気の中

たとえ室内だろうと暑くて暑くて仕様がなく

扇風機だけではちょっと運動しただけで汗だくに。

そうなると運動の後には冷たいものが欲しくなる。

となれば早速近所のアイスクリーム屋さんへ。

こういう時にはフットワークが軽い。

 

実は我が家の冷蔵庫には普段から

5Lのアイスのバケツが眠っているのだけれど、

今日はそんなベトベトしたものなぞ

この暑さの中では食べてられない。

ということでお目当はこれ!

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日本ではチューペットにぽっきんアイス、

あるいはチューチュー棒など地域によって

今川焼きと肩を並べ多様な名称を持つこのアイス。

メキシコ北部での名前はBolis ボリス

イギリスの首相の名前もボリスだけれど

そちらはBorisなので綴りが違う氷菓子。

 

一番馴染みのあるのは細長いこの形だけれど

正方形のものもあったり、

自家製だとただポリ袋に原液を入れて

口を縛って凍らせただけのものなんかもあり

地域やお店によって見た目が千差万別。

ごく薄いビニールに包まれているだけなので

食べる時には角を食いちぎりそこから吸うだけ。

この適当さと手っ取り早さがまさに

メキシコの路地で売っている食べ物という感じ。

最近は日本で売っているもののように

しっかりとしたビニールに包まれ

まとめてそれらしくスーパーに並んでいる

お上品なものもあるらしいだなんて聞くけれど、

基本的にはリアカーやそこらのアイス屋さんで

バラ売りになっているのが伝統的な姿。

毎日のように私の勤め先に来る

午後のお菓子売りのおじさんも

夏にはリアカーの後ろに保冷箱をくくりつけ、

誰かがその近づいてくる姿を見とめた途端に

きたよー!と事務所中に知らせが走り、

みんな5ペソを握りしめて買いに行くのが

職場の夏のおきまりの光景。

大人がアイスの屋台にキャッキャしている

中々ほほえましい時間。

 

対して馴染みのお店では20本以上購入で

1本あたり2.5ペソに値引いてくれるので

本日も二人暮らしなのに20本を購入。

日本ではフルーツ味が基本だけれど

左から

レモン、オレオミルク、マンゴー、

タマリンド(甘酸っぱい豆)、チョコレート、

チャモイ(梅干し味)、イチゴ、苺みるく、ぶどう

とメキシコでは味も実に千差万別。

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他にもココナツやバニラ、くるみ味に

パイナップル唐辛子味なんて

日本人には到底思いつかないような

極悪非道な味までごく一般的に取り揃っており

基本的にはどれもとても美味しい。

なによりショーケースの中のこのカラフルから

今日の味を選ぶ瞬間が楽しい。

 

ところでこういうパッケージを見ていると

面白いなと思うのが味と色の組み合わせ。

小さい頃は普遍的だと思っていたけれど

文化が変わると食のイメージカラーも変わる。

世界では一般的にレモンと呼ばれる黄色い果実を

Lima リマ

日本でいうライムと呼び、

小さくコロコロとした緑色のライムのことを

Limon リモン

レモンと呼ぶ逆さま国家メキシコでは

写真にもある通りレモン味といったら当然黄緑色。

黄色は大抵パイナップル味かたまーにバナナ味。

オレンジ色は70パーセントくらいマンゴー、

時たまオレンジ味のこともあるけれど

アイスの場合にはほぼ100パーセントマンゴー。

バニラはパッケージが水色のことが多くて、

赤はイチゴかチャモイか唐辛子か、

見極めが中々難しいところ。

茶色いチョコレートとタマリンドもよく間違える。

食べた時にはびっくりしつつも、

そういう残念感もそれはそれで

普段はすっかり忘れがちな

自分は外国生活をしているんだった、

ということを思い出させてくれて楽しい。

 

まったくモンテレイの暑さには辟易するけれど、

夏らしさを満喫できるのはこの町のいいところ。