メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1132: メキシコのゴキブリ譚。愛すべき害虫との共存。

今日はずっとゴキブリの話だけをします。

苦手な方は眠気と戦うぱぐまるの写真だけ見て

今回はパスしてください。

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本当に書き出しの通りなのですが、

今日の話題は比喩でもなんでもなく

昨日我が家に出たゴキブリについて。

数えたら今日の記事の中だけで

37回ゴキブリという単語を使っていたよう。

それもこれも面白いサイトがあるのがいけない。

 

本日見かけた変なゴキブリ

昨日の昼過ぎ家の外廊下をはいていたら

なんだか不思議な模様のある昆虫を発見。

大きさと脚の感じからしてゴキブリ?

虫全般が嫌いというより恐ろしく

触ることなんて絶対にできない私ですが、

もうあまり元気もなく動かなそうだったし

その模様のエキゾチックさに惹かれ

緊張の面持ちで近付き写真をパチリ。

大きめの写真載せますよ。

 

 

 

 

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こんなゴキブリみたことありますか?

ツヤのあるアメがかった黒地に

くっきりベージュの左右対称な模様、

デザインだけ見ればこれがどうして

アフリカ芸術のようで素敵だと思う。

この不思議な生き物は私の知らない種なのか、

はたまたいつものゴキブリが変異したものなのか、

気になり始めると知りたがりの気持ちが収まらない。

 

自分で検索したところでは

特徴的な背の模様からおそらくイエゴキブリ。

しかし虫情報にてんで疎い私では

ちょっとした違いを見落としているかもしれない。

せっかくなんだからちゃんと解決したいわ。

というわけで、日本のネット掲示板にて相談。

日本時間の夜更けに投稿したにも関わらず

30分後には3件も早速返答が。

そしてやはりイエゴキブリだとのこと。

やったぜ。

公共の図書館にも行けないこのご時世、

ネットでたくさんの情報と頭脳に繋がれることは

とても便利でありがたいことだし、

知っている人は本当になんでも知っているんだなと

他の人の知識の深さにただただ敬服する。

 

さて問題はこの回答者の内の一方が

わざわざ勧めてくださったこのウェブページ。

www.sankyoremake.com

害虫駆除業者さんのものだそうで

色々なゴキブリの種類と写真が見れますよ、

と教えていただいたので写真で照合しようと

軽い気持ちで開いた私が迂闊だった。

 

ゴキブリに関する詳細で丁寧な情報が

害虫としてと生物としての二つの視点から

専門家の冷静さと愛を持って綴られていて

思わず今までひとえに害虫として目を背けてきた

ゴキブリに対して生物としての興味が。

 

三億年も前から存在しているところも

これだけ人間の生活に密接しているのに

最近でもまだまだ発見があるところも

卵鞘の中には殺虫剤が効かない強靭さも

ロマンがあって興味深く感じる。

勿論生き物図鑑ではないので

発生を抑制するためのヒントになるような情報や

殺虫剤は複数個を併用したほうがいいだなんて

実生活に役立つ情報も沢山載っていたので、

ゴキブリの写真が大丈夫な方には

読み物としても参考書としてもお勧め。

 

知らなかった生物としてのゴキブリ

さて私は気がつけばそこからwikipediaに移り、

種別のページまで読み始めてしまい、

休日の午後が丸々充実したゴキブリ講座に。

楽しい。

中でも一番面白いなぁと思ったのは

ゴキブリやそのグループにつけられている名前。

普段はこんなに嫌われているのに

可愛げがあり想像をかきたてる名前が沢山。

ドクロゴキブリはどんな模様なんだろうなとか、

ルリゴキブリはタマムシくらい青いのかなとか、

チビゴキブリは可愛らしすぎて笑ってしまうし、

ムカシゴキブリは素直で朴訥すぎるほどに

シンプルなセンスがとてもキュート。

マルバネゴキブリやウルシゴキブリなんかは

率直な名前から外見を想像して

その通りだったり全く予想外だったり、

これは遊びがいがある。

 

今回きっかけとなったイエゴキブリは

日本には生息していおらず東南アジアから

輸送貨物に紛れて来日した外来種なんだそう。

暑い国が得意で今は日本にはほとんど居ないらしく

通りで名前の割に家では見たことがないわけだ。

離れた国々が貿易の網で物理的に繋がったことで

世界の生態系ってどれくらい変わったのだろう。

それに昔は簡単には行き来できなかったはずの

東南アジアとメキシコや中米地域で

似たような種が確認できるというのも面白い。

元々この2つの地域は食事の好みが似ているな

と思っていたけれど、気候が似ていると

人や虫も似るのだろうか。

 

日墨ゴキブリの違いと対策

そういえば日本ではあまりまじまじと

ゴキブリを観察したことはないのだけれど、

メキシコで一般的に見かける家に出るゴキブリって

なんだか日本でいうチャバネゴキブリ

トビイロゴキブリに似ている。

細長くて体が薄くて小さくて色も明るい茶で、

日本の丸々黒々艶々のクロゴキブリたちほど

家に出た時の強烈な迫力がないのよね。

かといって可愛くもないけれど。

屋台に一軒家にマンションそれから道路、

湿気が多く気温も高くそれなりに都会なら

どこでも見かけるのは日本と同じ。

 

ちなみにメキシコで庶民が帰る害虫駆除剤は

まだまだ日本のものほど進化していないので

そういうものは法律的に可能なら

日本から持ってくるとずっと快適に暮らせるかと。

こういうもの、今すごく欲しい。

離れてわかる日本はやっぱり先進国だということ。

あるいはプロに任せて薬をまいてもらう

FUMIGACION フミガシオン も一般的。

ゴキブリだけじゃなくてアリ、クモ、

それからサソリにハチ対策としてもよく見かける。

 

 

とまあ本日のゴキブリ談義はこんな感じで。

相変わらず本物が目の前で動いていたら

ぎゃあと叫ばずにはいられないけれど、

知識としてなら虫も面白いなと

26歳にして思えたのが今日の大収穫。

以前カブトムシの標本作りが趣味の方から

メキシコ(特に南部)には

日本には居ない種類がたくさんいるのに

まともな国内の昆虫図鑑がないと伺ったので

ゴキブリだけにとどまらず

虫好きの方はメキシコに来たら面白いのかも。

 

さてそろそろ終わりも見えてきそうなこの軟禁期間、

あとどれだけのものに興味が持てるだろうか。

いつもできることができない間は

今まで気がつかなかった面白いものに気付かされる。

これは偏見と高慢を拭って楽しく生きていくための

ターニングポイントにできるのではないかと

そんな希望を感じ始めている。