メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

1128: メキシコの鳩はどんな鳩?我が家は野生のるつぼ。

在宅勤務も続けて早2ヶ月、

新しい生活様式にはとっくに慣れたつもりでも

未だに慣れないのがなぜか次々に訪れるお客様。

 

4月半ばには夏が始まるモンテレイでは

ゴールデンウィーク明けには35度は当たり前。

なので日中の仕事中は家中窓もドアも開け放ち

風を通しているのだけれど、

そうすると呼んでいないものまで入ってくる。

この1ヶ月でリビングで発見した猫2匹、

車庫を開けてた日には迷いビーグルが住み着き

鳩もどこからか3回侵入。

 

普段なら他の生き物が家に近づいただけで

烈火のごとく吠え猛るパグマルセンサーも

なぜかこの頃は寛容になっており、

今朝もリビングに下りたら何気ない顔で

鳩が一番乗りでくつろいでいてびっくり。

 

犬猫は餌を用意すれば楽に誘導できるのだけど

こと鳥相手になると近づくと飛んで怖いし

病気を持ってるイメージがあって触りたくない。

同じ飛翔能力者でもゴキブリ相手なら

パグマルを家に放てば一瞬で捕まえてくれるので

ここまで怖い思いをしたことはないのだが、

さすがに遥か頭上の冷蔵庫の上、

照明の上に逃げられたんじゃあ

我が家の猟犬も立ち行かない。

 

仕方がないので鳥目というくらいだし

鳥は明るいところの方が好きだろうと思って

鳩のいる部屋を暗くし誘導したい方向にだけ

明かりをつけてただ動くのを待つ、

という地道な方法を実践したところ

意外なほどすんなりと出て行ってくれたので

もっぱら正の走光性との我慢比べが

近頃の我が家の対鳩戦法。

 

ちなみに同じ鳩と言ってもメキシコの鳩は

日本でおなじみの灰色でふっくらでっぷり、

愛嬌のあるカワラバトやキジバトに比べると

かなりスリムで色は薄い茶色、

顔を山の鳥のような雰囲気で

アメリカ大陸は米国以南中南米までの地域原産の

ナゲキバトという種類みたい。

鳴き方は全然違うけれど、声音は鳩そのものなので

違う鳥が鳴いてるな、というよりも

鳩の外国語を聞いているようで面白い。

(Wikipediaで音声ファイルが聞けましたのでリンクを。)

ja.wikipedia.org

 

メキシコでも鳩といえば日本と同じで

街中でも河原でも山でも見かける

やっぱり身近で代表的な鳥の一種。

おかげで鳩笛や焼き物や木工で人形が掘られたり、

絵付けのデザインに多用されたりと

どうしても見目麗しいオウムやインコ、オオハシが

メキシコ以南の文様では注目されがちな中でも、

鳩もメキシコの文化の一端を担う立役者。

私のお気に入りのメキシコ工芸の鳥柄盆にも

やっぱり端に鳩の姿が。

右側の一羽なんだけれど、わかるかな。

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とまあそんなこんなで

今日も無事に迷い鳩を外に出したと思ったら、

車庫にその姿をを見とめるなり

野良猫が1匹忍者のように柵をすり抜け侵入、

車のボンネットを使って大ジャンプ!

一瞬で鳩を咥えて走り去って行きました。

残された羽が嘘のようにひらひら舞う中、しばし呆然。

猫が襲うのは大きくても文鳥程度だと思っていたので、

まさか自分の体長の半分近くある獲物を狙うとは。

なんにしても見事な判断力、決断力、そして体捌き。

家に引きこもってばかりの私たちに

ひさしぶりに野生の凄みを見せつけてくれた。

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家にいてもこんな動物園状態だし、

近所に散歩に出るとどこも花盛り。

夜になると公園はホタルでいっぱいで

しばらく足を止めて見入ってしまうほど

ゆらゆら揺れてはすぅっと消える黄色い光が幻想的。

(でも綺麗な川もない大気汚染地域なのになぜ?)

普段は一年でいちばんの繁忙期に忙殺されて

すっかりと見落としてしまう景色が、

外界から遮断されたこのご時勢になって

初めてよく見渡せているのかしら。

それとも、コンクリートの建造物にに引きこもる

哀れな人間に自然がサービスをしてくれてるの?

 

自然の方から私たちの生活に入り込んできている、

そんな感じがしててんで飽きのこない、この頃。