メキシコでOL、24歳

日本の大学を出てなぜか一直線にメキシコで新卒就職。どうやって生きていくのかな、という報告。

day 87: 徹底的な体調管理不足の成れの果て(土曜日篇)

土曜日。

待ちに待った週末だと、勢い込む。

普段寝坊が出来ない分、

一日を無駄にしながら惰眠をむさぼる。

ブランチを食べてからも、もう一度寝る。

 

買い物をしよう、

あそこに行こう、

あれをしよう。

山ほどプランはあったのに、

結局ベッドからほとんど離れずに一日が終わる。

 

のはまずいと思い、

もたもたとランニングウェアに着替える。

先日のパーティで私のおなかを目撃した同僚から

ダイエット命令が下っているのだ。

ついでに、重いからと毎日買い渋っていた水も買おう。

 

そう思って家の目の前のランニングスポット

el parque de las arboledasを走り出したが最後。

 

夜風が心地よく、比較的涼しい夜のように感じた。

15分ほど走り、例のコンビニOxxoでまずはお金を下ろそうと

ATMの操作をしていたら急激な眩暈。

気がついたら知らないおじさんに抱えられ、床に寝ていた。

 

何人もの人に運ばれて店の片隅に。

誰が支払ってくれたのか、

水やコーラを口に入れてくれる。

が、驚くほどにぐったりとした四肢はまったく動かないし、

どうやらもう一度失神したらしい。

視界がまったく利かず、真緑の苔の中を

黒くてぼやりとした人影もどきがうごめくような景色の中、

大きなサイレンを鳴らして現れた、人生初の救急車。

 

血圧を測り、血糖値を図り、事情聴取。

 

久々の運動に加え、

湿気の高いモンテレイはこの夜も体感以上に暑かったこと、

また水分不足が重なって、

診断は熱中症からの貧血。

いやあ、完全に自己管理不足。

休日こそ、普段の不摂生を整えるべきでした。

 

救急車で家に送ってもらうまで、

たまたま居合わせた女性はずっと私を仰ぎ続けてくれ、

彼女の子供たちは、私のキャッシュカードを

店の床に這いつくばりながら探してくれた。

これは結局、誰かが持っていってしまっていたけれど。

 

友達とカフェに行っていたルームメイトも

急遽消防隊の人たちに電話をしてもらい呼び戻し、

夜中の救急外来へ連れて行ってもらう。

 

もう本当に、沢山の人に迷惑をかけ、

沢山の人の親切と優しさに甘えてしまった一晩。

 

夜中の12時にルームメイトについて来てもらい

私立DOCTORS HOSPITAL病院へ。

同じ市内にあるLA OCA病院と経営者を同じにする、

モンテレイでも随一の、

新しくて評判のいい病院。

 

予想に反して急患は少なく、

特に撃たれて運び込まれたような人も居らず、

すぐに検査係りの人が来てくれる。

 

もう一度血圧検査に、心電図。

日本の先生は、体にシールを張って検査をしてくれたけれど、

こちらでは布団用の様な大きな洗濯ばさみで手首、足首を挟み、

胸の周りには金属製のヒルのような冷たく、

吸着力のある何かをかませる。

なんだかとても、最新式な感じ。

殿方のお医者様だったので、胸にはガーゼを当ててくれる。

裸を見られることに関しては、

キリスト教圏は日本よりも敏感な気がする。

 

先週も頭を強打しているので、念のため脳の検査も。

自分があんなに大きな機械に取り込まれる日がこようとは。

まだふらふらと歩いていたので車椅子に乗せられ、

なんだか少し、重病人な気分。

 

そんな検査事態はぽんぽんと進み、

結果が出るまで待っててくださいねと

与えられた区画のカーテンが閉まる。

危惧していた待ち時間もちっとも無く、

病院は驚くほど清潔で、丁寧で、最新鋭で、

ルームメイトと喜びながら待っていたら、

なんと3時間がたっていた。

 

間にアンケート係の人が現れたり、

受付用紙を私に来てくれる人もいたけれど、

お医者様は姿を現さないまま、気がつけば5時。

 

始めのうちはひさしぶりに

二人で話せる時間が出来たことで

お互いの最近の異性関係の話に花を咲かせ、

それに飽きたらインターネットで暇をつぶし、

それでも誰も来る気配も無く。

すでに怪我よりも、眠気に具合の悪さを感じる。

 

と、そんなときに漸く現れた受付の女性。

もう検査結果でたからね。

とにこやかに告げてくれる。

どこも悪くなかったみたいよ、という言葉に一安心。

しかし、ところで料金なんだけど、

と発表された金額にそんな気持ちはすっかり消し飛ぶ。

 

診察代に各種検査代、

しめて8600ペソ。5万円と少し。

高いけれど、払えないことは無い金額。

 

けれどメキシコにしては法外な値段。

たとえば、私の一回の給料(半月分)が9000ペソ。

メキシコ人中流家庭ならば、これだけあれば4人家族を養える。

 

度肝を抜かれ、

会社が入れてくれている、高価な医療保険を適用することに。

 

メキシコにはIMSSという国民医療保険のような制度があり、

国民、またメキシコ国内の労働者はみなこれに入っている。

そして加入者は、IMSSの定めた公立病院でのサービスを

すべて無料で受けることが出来る。

 

となればもう、IMSSの病院はどこも、

朝7時から毎日長蛇の列。

さらに、受付希望者があまりにも多いため、

朝9時までに並ばなければその日は受け付けてもらえない

だ何てことも多いそう。

 

それとは別に、

MEDIACCESSという健康保険もあって、

大抵は会社が入れてくれるものだそうだが

保険料がとっても高いらしい。

ゆえに誰でも加入しているようなものではなくて、

これが福利厚生についている会社は優良だとか。

 

さて、MEDIACCESSに入れてもらえている私は

そんなこんなで何時にどんな良い病院にも行けるのでした。

 

今回の支払いも、

支払い上限2500ペソの契約のお陰で四分の一に。

それでも家賃よりも高いけれど、とっても助かりました。

今回は何故かとられなかったけれど、

救急車代などもカバーしてくれているみたい。

以下、MEDIACCESS加入者の料金例。

 

診察料 100ペソ

歯科 3割

検査 3割

薬代 3割

整形外科、器具装着 3割

入院 一回2500ペソ

救急外来 一回2500ペソ

救急車 700ペソ

外国での緊急時 同様に適用

 

これだけではなくて、手術などもカバーされていて

かなり格安でやってもらえるそう。

 

隣のキューバばっかり

医療が発達していると思っていたけれど

メキシコも意外とお金さえ払えれば

医療的な優遇はしっかり受けられるみたい。

 

ちなみにモンテレイにあるヌエボレオン自治大学は

国内最優秀の歯科医育成で名高く、

町中に歯医者さんが肩を並べているのでした。

 

さあ、日曜日も結局一日体を休めるために

何も出来なかったし、

今週末こそは、何か買い物でもしたいところ。

 

そんなことを思いながら、

仕事中に回ってきたポップコーンを口に放り込む。