メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

day 671: メヌド地獄に『The man who killed Hitler and then Big Foot(2018)』

今年は月に1つメキシコ料理を覚えるぞ!

と抱いた抱負もまさかの初月から先送り。

というわけで滑り込みで2月前半に実施。

1月の課題MENUDO

 

私も何度か写真をあげたことがあるけれど

地元の日曜朝市に行くような人ならば

必ず見たこと食べたことがあるんじゃないかしら。

北メキシコで日曜日の朝食といえば

キムチチゲのように真っ赤な牛ハチノスの煮込み

といっても恐ろしいのは見た目だけで

使われているGuajillo唐辛子は主に色と香り付け。

殆ど辛味のない作り方が主流。

感覚的には大きいほど唐辛子は辛くない。

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赤と白、トウモロコシの塊(maiz pozolero)入り、

色々地域によってバリエーションはあるけれど

モンテレイでは赤の粒無し。

具はモツ(ハチノス)のみの

オレガノがバッチリ効いた純粋なモツスープ。

じっくり煮込んでしっとりトロトロの内臓は

肉の扱いに慣れたメキシコ人の手にかかれば

臭みもなく、二日酔いの胃にはこれが嬉しい。

フランスパンを浸して食べるのはお店、

市場では蒸したトウモロコシのトルティーヤ。

 

肝心の出来はというとばっちり!

蓋を開けた途端に溢れ出すオレガノの香り。

これこれ、まさに想像してた通りの味。

にんにく、玉ねぎに牛肉で体も温まれば力もつく

厳しい北の冬をしのぐに最適ね。

煮込む時間はかかるけれど手間はないので

これならちょくちょく作れそう。

 

レシピも追加してみたので、

よかったら試してまでくださいませ。

 

cookpad.com

 

ところでこの週末は小雨の影響で気温が急落。

また一ケタ台に戻ってしまい、寒いの何の。

残暑生まれの私は寒いだけでくたびれてしまったので

夜はまったり映画鑑賞など。

スーパーでパッケージに一目惚れした

可愛いオレンジのハーゲンダッツがお供。

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オレンジブロッサムベルガモット胡椒フレーバー。

開封一番爽やかな柑橘系の心地よい香り。

ミルクの甘さが柔らかいベースに

苦味のある甘酸っぱさのベルガモットジャムが

帯の様に練りこまれ見た目も味も美しい。

メキシコのねばねばあまあまアイスとは違う

落ち着いた味がまさに大人のアイスクリーム。

高いだけあるなぁ、ハーゲンダッツ

我が家の周りではwalmartにしかないけれど

これはちょっと全フレーバー試してみたい気分。

 

肝心の本日の上映作品は

『The man who killed Hitler and then the Big Foot』

今回もお馴染みWWⅡをベースにした作品。

それにしても何て出落ちのこのタイトル。

ヒトラー、そしてビッグフットを殺した男。

題名からだとハチャメチャアクションの予感。

しかし主人公は70歳を過ぎたSam Eliott。

結論から言うと、まじめだけど

なんだか主軸のない映画に感じました。

 

そもそも一番大切なことが

既にタイトルで言われているのでネタバレも何も。

主人公のCarvinは第二次大戦に参加した米兵。

徴兵の為に愛する彼女と離れ離れになったけれど

優秀な兵士として暗躍の末にヒトラーを暗殺した

知る人しか知らない陰の英雄。

けれど今は一人寂しく大きな家に住んでいて。

そんな彼に今度は死の病原菌を撒き散らす

ビッグフットを殺してくれと政府から要請が来る。

しかしだから何だったんだ、という感じ。

 

普通の映画なら主軸に置かれるこの二大事件が

ヒトラー殺しは飛ばし飛ばしの回想であっさりと、

ビッグフットも苦戦はするものの

元々1対1なのに加えて老人対負傷者の戦い、

非常に地味で盛り上がり無くあっという間の決着。

その後は簡単に言えば帰宅して終わり。

これなら殺した相手が彼らであった必要がない。

どうしてヒトラーとビッグフットだなんていう

派手派手なビッグネームを使ったのだろう。

悪役に対して英雄が静か過ぎて陰に沈んでいる。

 

それも含めて全体的に不思議で

言いたいことのさっぱり分からない映画だった。

彼の人生で起こったことだけが流れていく。

カタルシスのない映画。

彼は正義を信じ世界を2度救った。

しかし世界の為の英雄的行為のために

自分の幸せは奪われ続けてしまった。

どんな英雄的行為でもその実現のために

人を一人殺したことがいけなかったのだろうか。

今はやりのスーパーヒーローたちに対して

ヒロインの不在だけで世界はこんなに変わるのか。

実は恋愛映画なのだろうか。

どんな輝かしい人生でも一つの愛が重要とか?

そりゃあなんだか浅くはないだろうか。

 

人を殺して、一人になって

猿を殺して、過去と人と向かい合って、

ノローグも台詞も殆どないので

真偽のほどはさっぱり分からない。

 

インターネットでは高評価も見かけるので、

もしかしたら男心には響くものがあるのかな。

Sam Eliotのすごさとか、あるのかもな。

 

いかにもハリウッド的な題名から

驚くほど静かな作品でした。

日本未公開だけれど、興味が合ったら英語版で。