メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

day 452: ちり散りなる小麦の女。

先々週は一週間有給をとり

友人の結婚式に参加すべく緊急帰国。

明けて先週はその疲れからか時差ぼけからか

はたまた休みを取り戻すべく残業をしすぎたからか

居住ビザも会社の携帯電話もそれぞれ失くす。

 

その結果怒られるのならまだしも、

上司にはかえって体調の心配をしていただいた。

遊びで休んで会社や上司に迷惑をかけるとは。

情けなさやら申し訳なさで、電話口で思わず少し涙。

お陰で現場の同僚にも励まされもう少し辛くなる。

しかしこれが功を奏して対応が少し優しくなったので

結果的に今後の仕事が進めやすくなる。

これを期に、もう一度本腰を入れなければ。

 

世間は先週末は大統領をはじめとする

沢山の議員選挙(3000議席分くらい)と

ワールドカップのブラジル戦が重なり

老いも若きもそわそわ、という感じ。

 

選挙特別期間ということで酒類の販売が

金曜日の夜11時から制限されていたけれど、

警察の不正な取り締まり(お小遣い稼ぎ)や暴徒を恐れてか

大通りの酒屋さんは木曜日からみんな休業。

まあメキシコ人も慣れたものなので、

こんなときだけ計画的に水、木曜日でお酒を買いだめ。

それを一気に開放したのか土曜日は

町中にバーベキューのにおいが立ち込める。

それでも町は11時ころには静まり返り

多くの人が翌日早くからの選挙に備えていた模様。

 

同僚も日曜日には投票所へ向かうため

朝8時に出たものの終了したのは11時。

そもそも開始時間は遅れるわ、

それを見越した大行列が早朝からあったらしく

開始待ち1時間、そのあとも1時間半も行列に並んだのだとか。

日本のように投票所は各々本籍の最寄の学校(あるいは公共機関)

に決められており、苗字ごとに列が決まっているらしい。

しかし違うのは会場が屋外だということ。

国の行方を憂いて真夏日の炎天下で長時間、

皆様本当にお疲れ様でした。

 

ちなみに投票時には慣習として

親指に黒いインクをつけるのだけれど、

この日曜日はそれを見せれば割引がきくお店が沢山。

たとえそれが目当てでも投票率が上がればとても良いし、

ただ投票に行くよりも帰りにあそこに寄ろうと思える方が

きっとずっと楽しい政治参加だと思う。

日本でもこのシステム始まらないかしら。

 

さて結果的には左派政党MORENAのAMLOが勝利。

ひさしぶりの野党政権にメキシコは一喜一憂。

 次期大統領はメキシコに石油精製所を作り

今までのメキシコで原油採掘、安値でアメリカへ販売、

最終的に石油を高値で買い戻し

産油国にも関わらずレギュラー1L115円まで高騰した

この状況を打開するという。

アメリカ国境地帯では1L75円ほど)

 

メキシコ人には大変ありがたい政策なのだけれど

アメリカにとっては安い仕入先と上得意の卸先を

いっぺんに失いかねず、よろしくない。

というわけで今後ベネズエラのようにアメリカからの

経済制裁あるいは輸出入規制を受ける恐れ、

それに伴う大量失業や為替の大暴落が予想され

これがかなり心配されているみたい。

 

しかしまあ、やってみなければわからないのだし。

と、いざとなったら日本に逃げる私は気軽に傍観中。

会社の倒産ならぬ国の崩壊による転職もいつの日か。

 

そんなわけで、選挙も落ち着き

あらかたの予想通りワールドカップも敗退した今週は

世間も私もお休みウィーク。

外回りの仕事が丁度少し落ち着いたこともあり、

少しゆっくりしてリズムを取り戻さねば。

というわけで残業はなるべく減らして、

待ちに待っていた新作映画を見る。

 

 もともと大好きなMR INCREADIBLEの第2弾は

少しフェミニズムでおなかいっぱい感はあったものの

前作同様クラシックで流麗でパワフルで、

あっという間の2時間、余韻たっぷり。

やっぱりDVDとホームシアターを買おうと思い直す。

おそらくもう一度見に行くと思うので、

その時にでもきちんと感想書いてみようかな。

 

また昨夜はこれも大好きJURASSIC WORLD 2。

なんだか悲しいというか空しいような気持ちで

映画館を後にする。

自分たちよりも強大なものを作って、

結局コントロールできないから、都合が悪いから

そんな理由で殺すって。

JURASSIC PARKってそうなんだけれども、

それでもやっぱり心底嫌な気分になった。

 

人間の都合で本来ならばないものを生んで、処分して。

あるいは私たちの技術向上のため、

他の生き物を犠牲にして。

しかしそんなに大事だろうか、これ以上便利になることが。

何のために私たちは今以上の真実や事実を探求するのか。

それはいくつもの命を無碍にしてまで獲得すべきことなのか。

 

動物は少なくとも自分の命を守るため、

自分の命をつなげていくための必要に基づいて

他の命を消費する。

だから私たちも食料として命を奪うことはいいと思う。

あるいは遊びで他の生物を殺す固体もあるけれど

責任が自分の欲に基づいている分、未だそのほうが納得できる。

 

社会のため、正義のため、科学のため、会社のため

そんなふわふわした言葉じゃなくて、

せめて自分の好奇心を満たすため

自分のために動物を殺しているといって欲しい。

それからラットを実験台にすることも、

人間を実験台にすることも、

モラル的にはどちらも同じだけアウトだと認識して欲しい。

私にはまだ快楽殺人者の方が納得できる。

 

と、恐竜を見たかっただけなのに

人間ばかりが出てくるお陰で、

人間の嫌な部分を沢山考える羽目になった夜。

どの恐竜もCGで本当に良かったと思う。