メキシコ モンテレイで食べて遊んで働いて

メキシコって良くも悪くもこういうところ。メキシコを好きになれる観光、レシピ、文化情報を発信。

day 162: メキシコから独立とか、思うところ。

この週末は、メキシコの大切なお祭りのひとつ

独立記念日で大いに国が沸き立った、らしい。

そんな中、北部でREGIOたちと生きる私は

MONTERREYはメキシコではないのだと、

ようやくそれを体感する。

 

独立は、金曜の夜の叫びから始まる。

 

MEXICO CITYはZOCALO広場という

中央政府のある広場にて、大統領が演説をする。

否、演劇か。

1810年9月16日に始まった独立戦争

その放棄のきっかけとなった演説を

毎年毎年繰り返し読んでいるのだ、メキシコ人は。

そりゃあいつまで経っても

スペイン嫌いは直りゃあしない。

 

広場はそれはもう飾り付けられ、

昼間のように明るいのだとか。

そこに、人がすし詰めに押しかける。

 

そんな中、11時になると、

人々は雄たけびを上げる。

 

VIVA MEXICO! VIVA MEXICO!

メキシコ万歳! メキシコ万歳!

 

 

通称GRITO  DE DOLORES。

現GUANAJUATO州にある町DOLORESで

独立演説が行われたことから、或いはそれに

日本語で『痛み』を意味するDOLORESをかけて

悲痛の叫びとも受け取られるそれは

独立のために血を流した人々が

演説を聴き口々に叫んだとされる奮起の言葉。

 

南は熱いなぁ。

そこから土曜日の午後までは

町中で花火が上がり、パレードが行き交い

人々は飲み歌い踊りメキシコを祝福するのだとか。

 

 

方やモンテレイには祭りの予感すらない。

道や商業施設には、普段は見かけないような

メキシコ色の強い出店も見かけたけれど、

その程度。

お店の人々もいかにもマヤ系の顔をしていて

モンテレイ出身ではないのは明らか。

 

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子供のいる家や、

南部出身者がいる家は別として

同僚たちは皆一様に「叫ばないよ」という。

こんな現状のメキシコを讃えてどうする

という、なんとも現実的な感想。

 

生粋のREGIOである程、その傾向は強いよう。

メキシコに対する愛国心は薄い。

彼らはNUEVO LEONの人間なのだ、

というアイデンティティがとても強い。

 

アメリカとメキシコの間、

そのどちらにも属していない

と感じている人々。

それがREGIOS。

 

実際、

北の中心NUEVO LEON州

商業と観光を兼ねた西隣COAHUILA州

重要港のある東隣のTAMAULIPAS州

ここに国境の支配者CHIHUAHUA州

を加えた四州で、

独立しようなんて話もあるらしい。

 

またこれか。

北東の国境に位置する主要商業都市

独立話。

デジャビュ

この手の夢物語は好きじゃない。

 

 

というわけで、金曜の夜は

いつもと変わらぬ酒盛りをして

叫ぶ前に酔いつぶれて寝る。

 

 

土曜は一応朝市に顔を出す。

広場には普段よりも多くの屋台が並び

その顔ぶれもやはりどこかメキシコ的。

 民族衣装に民芸品、見たことの無い料理。

 

 
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遅めの朝ごはんとして

OAXACAのケサディージャをいただく。

この日はお気に入りの

ひき肉とジャガイモの料理PICADILLOと

南部では良く食べられている

とうもろこしに生えるきのこHUITLACOCHE

の二種類を頼んでみる。

 

 
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PICADILLOは癖も辛味も無いので

おそらく大抵の日本人は好きな味。


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対してHUITLACOCHEは、

決して万人好きはしないだろうなと一口で思う。

シャクっとした不思議な食感に

独特のぼやっとした苦味、

それからきのこ独特の土系の味。

何がどうとは言えないけれど、

とても南の料理だと分かる味。

モンテレイには無い、典型的な南の味。

私は嫌いではないけれど、

同僚は顔をしかめて食べていた。

やっぱりゲテモノは、

国民みんなのものではないのよね。

 

食後はSAN NICOLASの中心部を散歩しながら

MICHOACANのシャーベットを食べ歩く。

涼しくなってきたこの頃、

ようやく車から出ることが出来る。

私の注文したVELA DE NOVIA味は

バナナ、りんご、モモのミックス。

テキーラチェリー味は次回に取っておく。

 

お昼過ぎからはスズキで試乗会

新型スイフトのブレーキ性能に酔いしれる。

シートがしっかりしているのと

メッシュ地で熱が篭りにくいので

助手席の私は十分気に入る。

ただ聞いていた以上にトランクが小さく

エンジンも安っぽい見た目だったことから

どうやら決定はまだ先のよう。

車のことは良くわからないけれど、

品定めをするのは楽しい。

 

 

長い長い一日。

夕方にはモンテレイ中心部の観光地

FUNDIDORA公園に足を伸ばす。

昔の溶鉱炉が聳え立つ巨大な公園。

ここではさすがに観光客も見かける。

モンテレイらしからぬ緑に囲まれ

ひさびさののどかな気分になる。

 

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早すぎる夕食には

これまたOAXACA料理を食べてみる。

 

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TLAYUDAと呼ばれるオアハカピザ。

直径30CMは優に超える巨大トルティージャ

チーズにトマト、アボカド、煮豆、キャベツ

などのいつもの具材に加えて、

聞いたことの無い牛の部位を乗せ焼く。

調理中は焼きそばのような香りに

すっかりはらぺこになる。

生地はぱりぱり、お肉が美味しい。

 

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いつかオアハカで、

美味しい料理を山ほど食べなければ。

そんな風に思えた、土曜日。